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中島京子原作「長いお別れ」中野量太監督が映画化(2018.09.21)

直木賞作家・中島京子の「長いお別れ」を、「湯を沸かすほどの熱い愛」で日本アカデミー賞主要6部門を含む国内の映画賞計34部門を受賞した中野量太監督が映画化し、アスミック・エース企画・制作・配給により2019年に全国公開されることが決定した。

原作は、「小さいおうち」で第143回直木賞を受賞した中島京子の同名小説で、第10回中央公論文芸賞、第5回日本医療小説大賞を受賞。認知症を患い、日々「父」でも「夫」でもなくなっていく元・中学校校長の昇平と、どんな時も家族に対して献身的な愛情を絶やすことのない母・曜子。そして人生において様々な岐路に立たされている2人の娘、芙美と麻里。彼らは日に日に遠ざかる父の記憶の中に、家族の誰もが忘れかけていた、それぞれの人生を生き直すために必要な、ある“愛しい思い出”が息づいていることを知る。原作者の中島氏は「認知症と聞くと、年老いた親が壊れていってしまうと身構える方が多いと思うのですが、発症してからが長いこの病気と向き合う時間は、ただ辛いだけの日々ではなく、涙もあれば笑いもあります。家族にとっての大事な『別れの時間』だと、私は思っています。映画の中で素晴らしい俳優さんたちが、どんな風に演じて下さるのか、今からとても楽しみです」と期待を寄せる。これまでも“人の尊さ”や“愛”を描いてきた中野監督は「僕にとって初の原作を基にした映画になります。この本を読んだ時、オリジナル脚本へのこだわりを簡単に捨てられました。それくらい撮ってみたいと思えたし、僕の頭の中で面白くなる想像が、どんどん膨らみました。アルツハイマー型認知症を患った父を持つ家族の話なのに、何度も笑って、何度も優しい気持ちになって。僕が描きたい家族の映画がそこにありました。ずっと家族を描いてきた僕の、また一歩進化した最高傑作を目指します」と意気込んでいる。なお、8月末から撮影しており、9月末にはクランクアップ予定。キャストは近日発表予定で、テレビ東京開局55周年記念作品として公開される。

(9月19日付 日刊興行通信より)

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