ニュース

南果歩も熊切監督作品でベスト1と絶賛!「海炭市叙景」映画祭会見(2010.10.28)

函館市民の応援に感謝! 函館市民の応援に感謝!

会期も終盤に突入した「第23回東京国際映画祭」のコンペティション部門作品「海炭市叙景」の記者会見が10月28日(木)に行われ、熊切和嘉監督と出演の加瀬亮、南果歩、小林薫、三浦誠己が登壇した。

村上春樹、中上健次らと並び評されながら文学賞に恵まれず、1990年に自らの命を絶った不遇の小説家・佐藤泰志。彼の故郷である函館をモデルにした“海炭市”を舞台に、苦い想いを抱えながら生きる人々の姿を描き出している。

自らも北海道出身という熊切監督は「大勢の人の思いがこもった映画なので、東京国際映画祭で上映され、嬉しく思っています」と挨拶。妻の裏切りに傷付くプラネタリウムで働く男を演じた小林薫は「今までの製作スタイルではなく、函館市民が一口1万円で製作費を支援して下さった。お弁当を差し入れや、俳優の移動の運転もして下さり、たいへん函館市民の方々の力をいただいた作品。そういう意味でも異例な作品で、本当にいい映画ができたと思う」と語り、小林の妻役を演じた南果歩も「スタッフだけでなくキャストも函館の方からオーディションし、小林さんと私たち夫婦の息子役や、加瀬君の息子役の子も地元の子でした。スタッフ、キャスト、プロ、アマの境界線が無い新しい映画の形で、監督はその混ざり合いの中心人物でありながら、どこにいるのかわからないような、正に融合のど真ん中にいる人でした。熊切監督の作品の中でもベスト1と思える作品に参加でき嬉しかったです」と自信を覗かせた。

いろいろ演じりゃ、垢もたまるよね いろいろ演じりゃ、垢もたまるよね

父と折り合いが悪いことから帰郷しても会おうとしない青年を演じた三浦誠己は「脚本を読み、最も観たい映画であり、観て欲しい映画だと思った。演じる時も、この上ない喜びと責任感を感じました。雪を待ったり、雲を待ったり、太陽を待ったりと、昔、巨匠の方々がやっていたような贅沢なこともでき、役者としての人生もガラリと変わった作品なので、沢山の方に観て欲しい」とアピール。また、苛立ちを抱える燃料店の若社長を演じた加瀬亮は「今の時代にこういった小さな企画が生き延び、純粋に形になったことを嬉しく思います」とポツリと語り、素人との共演で違和感は無かったですか?と聞かれると「違和感というよりは、一般の方が参加してくれたおかげで、すごくいろんな偶然や生々しさが画面に入り込んだと思います。役者を10年以上やってきて、自分にくっついた垢を感じ、勉強になりました」と話すと小林薫がニヤリ。「加瀬君みたいなフレッシュな人に垢がたまっていたら、ボクなんてどうなってしまうんだろう・・・と思ってね。プロとしての戸惑いをどこかで抱えていないと、芝居のドキドキに出会えなくなってしまうよね」とフォロー。

最後に、韓国の記者から「この作品は中国や韓国のリアリズムを追求した作品作りに似ていました。意図的に生の空気感をだしたのですか?」と質問された熊切監督は「そう言っていただけて、嬉しいです。本当に人がそこで暮らしていて、映画の前後にも暮らしがあるように描きたかったので、ありがとうございます」と締めくくった。

コンペティションの受賞作発表は、映画祭最終日の10月31日(日)。果たしてサクラグランプリはどの作品に輝くのだろうか。

公開情報 スローラーナー配給「海炭市叙景」は2010年11月27日(土)から函館シネマアイリスで先行公開、2010年12月18日(土)から渋谷ユーロスペース他全国順次公開
公式サイト:http://www.kaitanshi.com/

バックナンバー

ページのトップへ