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「観客の千本ノックを受けてきた」東宝新社長、島谷能成氏就任会見(2011.05.31)

今年に入ってからも「GANTZ」2部作や「SP 革命篇」などヒット作を生み出し続けている東宝(株)の9年ぶりとなる新代表取締役社長に就任した島谷能成氏による記者会見が5月31日(火)に行われた。宣伝部と調整部において映画業界に従事してきたこれまでを振り返り、「一度も退屈したことがない」と語る一方で、映画ビジネスの難しさや今後の展望などを明かした。

島谷氏は、昭和50年3月に京都大学文学部史学科を卒業、同年4月に東宝へ入社し、同年9月に東宝レコード(株)へ出向、昭和54年9月からは宣伝部において「復活の日」、「連合艦隊」、「ひめゆりの搭」、「居酒屋兆治」などを担当し、昭和59年1月からは調整部において「夜叉」、「四十七人の刺客」、「模倣半」などをプロデュース、平成11年4月に映像本部映画調整部長、平成13年5月に取締役、平成17年5月に常務取締役、平成19年5月に専務取締役に就任し、この度、新社長に就任した。

音楽が好きだったという島谷氏は、入社直後に自ら望んで子会社である東宝レコードへ出向、そこで様々な出会いを経験したというが、その後異動した東宝宣伝部でも鮮烈な出会いがあり「最初のプロデュース作品は『復活の日』でした。監督が深作欣二さん、撮影が木村大作さん。この人たちのエレキは強烈で、東宝レコーズ時代に出会ったメディアの人たちとは別種の、物を作っていく新しさを感じました」と明かした。その一方で、「映画には観客の存在があり、ぐうの音も出ないような千本ノックを受けてきました。強烈なボールも打ち返されてしまったり、こんなにも作品に愛情を注いで下さるのかと思うこともあり。最低でも(1作品で)100万人以上の方々に映画館に足を運んでもらうことが目標なので、全ての観客の意思を忖度するのは難しいと感じています」と語った。

今後の映画業界を取り巻く環境として『デジタル化』がテーマになると明かし、「TOHOシネマズも10月いっぱいで全てのスクリーンでデジタル映写が可能となるので、シネコンの使い方が変わってくると思います。そして、どれだけ我々がデジタルに対応でき、それに相応しい作品を作り出せるかが中長期的な問題になると思う」と述べた。

また大震災の影響で夏に懸念される節電問題に関しては「15%の節電ということになりそうなので、大きな問題なく興行を続けられると考えています。映画界にとって夏は最大のビジネスチャンスですので、お客様にも暑い思いをせずに映画を観ていただければと思っています」とし、現在の東宝については「若いスタッフのレベルやスキルが上がってきている。目の付け所、映画製作、権利に関する知識が圧倒的に高まっているので、今後も様々な企画を打ち出して欲しい」と社員に向けてメッセージを発した。

今後の抱負としては「先輩方が作りあげてきた、映画、演劇、不動産の3本柱を安定して続け、一つ一つアイデアを自由に生み出せるような風通しのいい組織を意識し、ワクワクするような企画が出てくる会社にしたいと思っております」と語った。

公開情報 公式サイト:http://www.toho.co.jp/

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