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人と人とのつながりや命の大切さが伝われば 「アントキノイノチ」完成報告会見(2011.08.10)

さだまさしによる原作を、岡田将生、榮倉奈々初共演で映画化した「アントキノイノチ」の完成報告会見が8月10日に行われ、岡田、榮倉をはじめ、原田泰造、松阪桃季、瀬々敬久監督が登壇。「余命1ヶ月の花嫁」や「Life 天国で君に逢えたら」など“命”というテーマと向き合い続けてきた製作チームが、「ヘヴンズ ストーリー」でベルリン映画祭の国際批評家連盟賞と最優秀アジア映画賞を受賞した瀬々敬久監督とタッグを組んだ本作。過去のトラウマから心を閉ざしてしまった男女が、遺品整理業という命と向き合う仕事を通じて出会い、心を通わせていく姿を描いている。

はじめに監督が「当初、無縁社会や孤独死といった言葉が話題になっていて、そんな社会背景の中で、命のつながりについて考える映画になればと思いスタートしました。クランクインは3月1日で、あの震災の時も撮影中でした。『映画はなくても日常生活には支障ないのでは?』『このまま撮影をしていていいものか』と考えましたが、あの震災を境に、命の大切さや人と人とのつながりといった絆が語られるようになり、人々は心の中ではそういうものを求めていたことがはっきりしました。そんな状況の中で作った映画です。主人公の2人は心に傷を抱えていますが、生き残った人の苦しみや痛みも体現している。この作品を通して、人と人とのつながりや命の大切さが、より皆さんに伝われば」と挨拶。続いて岡田が「タイトルだけ見るとコメディ映画かと思われるが、命というテーマを大切に扱った作品」とコメントすると、榮倉も「命や生きることを考える機会が多いこの時期に、本作に携われてよかった」と口を揃えた。

“曲がったことが大嫌い~”とお決まりのフレーズを歌った原田は「オファーが来た時は、とうとうプロレス映画の話が僕のところにきたのかと思った」と笑いを誘い、「主役2人が本当にすごくて、映画を見終わった後、二人を抱きしめたくなったくらい、痛みがダイレクトに伝わってきた。そんな2人を温かく見守る役の僕も、自分を抱きしめてあげたくなりました」と自画自賛。

心の弱さを隠すために周囲に悪意を向けるという今までにない役に挑戦した松阪は「全く共感できず理解に苦しみ、自己嫌悪に陥りながら撮影しました。でも映画を観て、誰よりも生きたいという気持ちをストレートに伝えている役なんだなと感じ、そこで初めて共感することができた」と難役ならではの苦労が語られた。

また、キャスト陣へ撮影中の監督について質問が及ぶと、榮倉は「明らかに私の方を見ながら『岡田さん』て呼びかけられて。監督に名前を覚えてもらうのが最初の目標でした(笑)。でも「カット」って言いながら、鼻水たらして泣いていたりして、周りのみんなが監督を応援したいという思いで、熱い絆ができた」と明かすと、松坂も「険しい山の上での撮影があったんですが、監督はロケハンの時に骨折してしまったにも関わらず、撮影の時も自分で登っていて、本当に凄い人だなぁと思いました」と撮影秘話を明かした。

一方、本作が初共演となる岡田と榮倉。互いの印象について岡田が「僕より2歳上だけど、とても喋りやすくて、役をとおして心が和らいだ」と話す一方、榮倉は「岡田くんは目が純粋。小学生と喋っているみたいで楽しくって、可愛かった」とコメント。岡田は「僕もう22歳になるんですけど・・・嬉しいです」と照れ笑いを浮かべた。

本作は第35回モントリオール世界映画祭のワールド・コンペティション部門での正式出品が決定し、現地時間8月19日に予定されている公式上映会には監督、岡田、榮倉が登壇する予定。これを受け岡田は「自分の作品が世界の人に見てもらえると思うと嬉しく、現地に行けることになってさらに嬉しい」と語り、榮倉も「いつかは映画祭に行ってみたいと思っていたけど、まさかこの作品で行けるとは思っていなかった。国境を越えて見てもらえるのは嬉しい」と喜びを露わにし、監督も「日本の遺品整理を題材に生きることとはどういうことかを描いたので、まずは日本の人に見てもらいたいと思っていたが、こういう機会を頂いたので、この想いを世界の人と共有し繋がっていけたら」と意気込みをみせた。

公開情報 松竹配給「アントキノイノチ」は2011年11月19日(土)全国公開
公式サイト:http://antoki.jp/

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