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第24回東京国際映画祭が閉幕、最高賞は仏映画「最高のふたり」に決定!(2011.10.31)

第24回東京国際映画祭が30日に閉幕し、エリック・トレダノ監督&オリヴィエ・ナカシュ監督のフランス映画「最強のふたり」がサクラグランプリに輝いた。同作は、実話をベースに、事故で首から下が完全に麻痺してしまった富豪と、介護役に抜擢された黒人青年との交流を描き、最優秀男優賞(フランソワ・クリュゼ、オマール・シー)も受賞した。また、役所広司&小栗旬共演の「キツツキと雨」(沖田修一監督)は審査委員特別賞を受賞した。

コンペティション審査委員長を務めたエドワード・R・プレスマン氏(映画プロデューサー)は「審査委員たちとはかなりの熱い議論を重ねましたが、授賞結果については非常に満足しています」とコメント。審査員の小林政広監督の「あまり刺激的で芸術性に富んだ映画はなかったような・・・ストーリーはしっかりしていても、芸術性に富むものは一つくらいしかなかったという印象があります」という意見を鑑みて、「小林政広さんは、新しい試みがあまり見られないという点で『プレイ』は良かったとおっしゃっていますが、私もその通りだと思います。選択過程で様々な意見が交わされ、各自の価値観や基準で評価しました。そういった意味では、監督の視点からすれば小林さんのような評価になるのだと思います。(審査委員は)様々な背景の人たちで構成されていたので、そういった違う視点からの評価、選択が出来たと思います。個人的には、『より良き人生』や『デタッチメント』も気に入っていますが、全員が気に入っていたのはやはり『プレイ』でした。しかし、全体的にコンセンサスを得るのが難しかったことは事実です。最終的には3 本の作品で議論が白熱し、その中で『キツツキと雨』 は東京サクラグランプリには軽過ぎるのではないか、『プレイ』はダーク過ぎるのではということで、『最強のふたり』 に決めました。ただ、監督賞については、(『プレイ』の)オストルンド監督にしようということで意見は一致していました」と審査を振り返った。

また作品の傾向として「移民問題をテーマとして扱っているものが目立ち、異なる文化や階級のぶつかり合い、そういった混沌とした世界を表現した作品が多くありました。『最強のふたり』も性格の異なる二人がぶつかり合い、友情を深めていく物語。技術と芸術性に長けた作品でした」と評価。審査委員のキース・カサンダー氏(映画プロデューサー)も「『最強のふたり』は、編集が巧みで、音楽の使い方も良く、素晴らしかった。最初から最後まで笑わせてくれる、こういったコメディを作るのは難しいと思います」と絶賛した。

今年の同映画祭の動員数は、劇場動員が4万1648人(上映本数128本、総上映回数315回)、TIFFCOM及び共催/提携企画動員が17万2231人、グリーンカーペット・アリーナ等イベント動員が約2万人となり、盛況のうちに閉幕した。

コンペティション部門、TOYOTA Earth Grand Prix、並びにアジアの風部門、日本映画・ある視点部門、各賞発表は次のとおり。

《コンペティション》
▽東京サクラグランプリ=「最強のふたり」(エリック・トレダノ監督/オリヴィエ・ナカシュ監督)
▽審査員特別賞=「キツツキと雨」(沖田修一監督)
▽最優秀監督賞=リューベン・オストルンド監督(「プレイ」)
▽最優秀女優賞=グレン・クローズ(「アルバート・ノッブス」)
▽最優秀男優賞=フランソワ・クリュゼ、 オマール・シー(「最強のふたり」)
▽最優秀芸術貢献賞=「転山」(ドゥ・ジャーイー監督)、「デタッチメント」(トニー・ケイ監督)
▽観客賞=「ガザを飛ぶブタ」(シルヴァン・エスティバル監督)

《TOYOTA Earth Grand Prix》
▽TOYOTA Earth Grand Prix=「鏡は嘘をつかない」(カミーラ・アンディニ監督)
▽審査員特別賞=「ハッピー・ピープル タイガで暮らす一年」(ヴェルナー・ヘルツォーク監督/ドミトリー・ワシュコフ監督)

《アジアの風》
▽最優秀アジア映画賞=「クリスマス・イブ」 (ジェフリー・ジェトゥリアン監督)
▽アジア映画賞スペシャル・メンション=「鏡は嘘をつかない」(カミーラ・アンディニ監督)、「TATSUMI」(エリック・クー監督)、「ラジニカーントのロボット(仮)」(S・シャンカール監督)

《日本映画・ある視点》
▽作品賞「ももいろそらを」(小林啓一監督)

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