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小林啓一監督、長編デビュー作『ももいろそらを』の特別上映会&記者会見に女子高生らと登場(2011.11.09)

先日閉幕した第24回東京国際映画祭の「日本映画・ある視点部門」作品賞を受賞した『ももいろそらを』の特別上映会&記者会見が11月8日(火)、日本外国特派員協会で行われ、小林啓一監督と共に、役柄と同じく現役高校生の池田愛、小篠恵奈、藤原令子、高山翼ら出演者が劇中で着用した制服姿で登場。小林監督は「信じていれば誰かが必ず見てくれると思って、ここまでやってきてよかった」と受賞の喜びをかみしめた。

小林監督が「女子高生の世界を追いかけていればおもしろいことが起こるということを、あえて大人を出さずに描いた」という本作は、新聞の採点を日課としている女子高生が、大金の入った財布を拾い、友人たちと共に財布を持ち主に届けたことから始まる青春映画。全編を美しいモノクロ映像で描き、女子高生たちが織りなす自然体の会話も印象的だ。モノクロ映像にこだわった理由について小林監督は、「今という時間はすぐに過去のものになってしまう。だからこそ今をしっかり認識すべきで、それを表現するためにモノクロにしました。見方を変えれば世界は違って見えることを表現したかった」という。また主人公の女子高生については、「自分の理想の女性を落としこんだ感じ。“粋”っぽい女の子を表現できたのではと思っています」と語った。

本作が長編デビュー作となる小林監督は、これまでミュージックビデオ、CM、Vシネマなどのフィールドでキャリアを築いてきたが、「派手な世界ですが、クライアントの要望を聞かなければならないので、自分のやりたいようなものができない。そこにフラストレーションを感じて、この映画を作ったところはあります。だからこれが、自分が一番好きな形だと思います」と充実感を感じている様子だった。

会見前には東京国際映画祭の依田巽チェアマンが挨拶。「東日本大震災の影響で一時は開催自体を考えましたが、『映画の持つ力を通して強く広く伝えるべき』という思いから開催し、世界75ヶ国以上から、前年比17%増となる975作品が寄せられ、予想以上の成功を収めました」と述べた。また、東京国際映画祭の作品選定をしている矢田部吉彦プログラミングディレクターは、「昨年、(「日本映画・ある視点部門」の)作品賞を受賞した(深田晃司監督の)『歓待』は、ロッテルダム国際映画祭を皮切りに、世界中の映画祭に招待されることとなりました。さらに、アメリカや、フランスをはじめとするヨーロッパ数カ国で劇場公開も決定する快挙を成し遂げました。『ももいろそらを』は、非常にポップでセンスにあふれています。女子高生という日本のポップカルチャーが世界でどのように受け入れられていくのか楽しみです」とエールを送った。

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