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「タイタニック3D」を引っさげ、超多忙なジェームズ・キャメロン監督が来日会見(2012.03.30)

豪華客船タイタニック号の沈没から100年目を迎える今年、3D映画として甦った「タイタニック3D」のジェームズ・キャメロン監督が来日し、3月30日(金)記者会見を行った。キャメロン監督は自身の作品「アバター」で全世界興収歴代1位を記録しているが、それまでは「タイタニック」が全世界興収1位を保持していた。アカデミー賞でも最多タイ記録となる11部門を受賞するなど、まさに“キング・オブ・ザ・ワールド”となった監督が15年ぶりに公開する本作への思いを語った。

「『アバター』で来日してから約2年の間に、東日本大震災という悲劇があり、被害に遭われた方々に敬意とお見舞いを申し上げたい」と挨拶。1997年から1年以上に及ぶロングラン上映、そして洋画としては未だに破られぬ興収262億円を記録した日本に、改めて感謝の意を伝えたいというキャメロン監督の強い希望で来日が決まったが、先日、監督はマリアナ海溝の最深部に単独で初めて到着したという報道がされたばかり(ドキュメンタリー映画の撮影とサンプル採取のため)。

その後、タイタニック出向の地であるイギリスでワールドプレミアを行い、97年当時公開規模が小さかったロシアでのキャンペーンを経て来日したということで多忙を極めている。「4日前に海底1万メートルから上がってきたと思ったら、ロンドンでレッド・カーペットを歩いており、昨日はモスクワを通って、今は日本。時間の流れを忘れるくらいだよ。ここは本当に日本なんだよね?」とおどけて見せ、全く疲れた様子はない。

「今回3Dとして公開するのは、実際のタイタニックが沈没してから100年目ということもあるが、オリジナルの映画に対しても、タイタニック号に対しても、この節目の年にもう一度注目が集まればいいと思った。私はこれまでタイタニック号が沈んでいる所まで行って、3本のドキュメンタリーを作ってきたが、観客の方々もタイタニック号に関心を持っている人がいっぱいいると思う」とタイタニックへかける思いは一塩のようだ。

しかし3D公開ということには監督なりの考えがあるようで、「映画を2Dから3Dに安易に変換するというのには反対している。若手のクリエイターたちには『3Dにするなら最初から3Dで撮りなさい』と言っている。それはクリエイティブな面でも、芸術的な面でも、その方が相応しいからだが、これまでの歴史的な名画は2Dでしか撮られていないので、3Dにする場合は変換するしか方法が無い。正しい変換方法を使って、素晴らしい3D作品にするのであればいいかな」と語ると、突然立ち上がってレオナルド・ディカプリオとケイト・ウィンスレットの名シーンが映し出されたバックパネルを例に講義を開始。

「これを1フレームだとすると、2Dのフラットな画面ということになるが、3Dにするにはケイト・ウィンスレットの髪の毛1本、1本に奥行きと厚みを付けて、立体化しなければならない。それには物凄い時間と、多くの技術者が必要になり、実際に2Dを製作した人間が入って作業をしないと、やり過ぎてしまうこともあるんだ。人間の目、ハート、脳がなければ2Dから3Dにはできない」と明かした。

実際に3D化の作業だけで製作期間60週間以上、製作スタッフ数300人、製作費1800万ドルがかけられたという。では、何故3Dにこだわったのか?「それは第1に3D映画が好きだから。第2に3Dにすることで作品に新しい命を与えられるから」と答え、「映画は最初、大画面で上映され、それが終わるとDVDなどになってしまうが、それは忍びない。スケールの大きい映画は、やはり大スクリーンで観ないと。もう一度3Dにすることで、新しい観客にも観てもらえると思った」と語った。

また、3Dにしたことで更に感動したという声も多いようで、同席していたプロデューサーのジョン・ランドーは「3Dになると、2D以上に色々な部分が見え、臨場感が高まる。観客自身が現場にいるような感覚になるので、3Dはドラマ性を高める要素にもなっていると思う」と語ると、キャメロン監督は「3D用のメガネをかけていても、無意識のうちにリアルな感じにのめり込んでいき、登場人物たちにも共感できるのだと思う」と付け加えた。

今回の3D版公開で「アバター」の記録を更に塗り替えるのではないかと期待されているが、3D映画の大家であるキャメロン監督が並々ならぬこだわりを見せているだけに、劇場の大スクリーンでぜひ楽しんで欲しい。

公開情報 FOX配給「タイタニック3D」は2012年4月4日(水)先行上映(一部劇場除く)、4月7日(土)から全国公開
公式サイト:http://www.foxmovies.jp/titanic/

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