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周防監督×草刈民代×役所広司!16年ぶりの再タッグ「終の信託」完成披露会見(2012.09.19)

日本アカデミー賞の全部門を制覇した「Shall we ダンス?」から16年。周防正行監督が草刈民代と役所広司を再び主演に迎え、終末医療の現場で起こる生死をめぐる様々な問題や検事室での知られざる聴取、数奇な運命に翻弄される女医の姿を描き出した「終の信託」の完成披露会見が9月19日(水)に行われた。まさしく16年ぶりの映画出演となった草刈民代は「初めに小説を読んだ時、こんなにも切ない人がいるのかと心を動かされ、本当に自分にできるんだろうかと思いましたが、やり始めたら全力投球でやるしかないという気持ちで挑みました」と清々しい表情で挨拶した。

現役弁護士である朔立木の同名小説を基に周防監督自らが大胆に脚本化した本作のタイトルが示すのは「命の終わりを信じるものに託すこと」。呼吸器内科のエリート医師・折井綾乃は、重度の喘息を患い入退院を繰り返す江木泰三の優しさに触れ、医師と患者の枠を超えた深い絆で結ばれる。しかし、病状が悪化し自分の死期が迫っていることを自覚した江木は「信頼できるのは先生だけだ。最期の時は早く楽にしてほしい」と綾乃に懇願。2ヵ月後、心配停止状態に陥った江木の延命治療を中止するのか、命ある限り延命の努力を続けるのか、綾乃は「愛」と「医療」の狭間に揺れ、重大な決断を下す。

草刈民代は「人の尊厳に係わる話で、内容的に重いものでしたが、映画的な趣があるので、少しでも多くの方に観てもらえたら嬉しい」と語り、役所広司は「周防監督の作品がやっと完成しました。台本を読んだ時から新鮮な感動があって、こんな映画は観たことがない!という作品ができると感じました」と明かし、大沢たかおも「周防監督とは初めてでしたが、素晴らしいキャストやスタッフと夢のような時間が過ごせました」と挨拶。

続いて周防監督は「こんな形(会見)であまりしゃべった経験が無かったので、どうしたものか」と少々困惑しながらも「物語としてはわかりやすいものですが、構成の仕方や、圧倒的なセリフの量、ほとんど動きのないキャストたちなど、僕にとってはかなり挑戦的で実験的な映画でした。心がけたのは映画らしい映画。『映画を観たな』と思っていただける瞬間があれば、これほど嬉しいことはないです」と明かした。

長い間、不倫関係にあった同僚医師(浅野忠信)から捨てられ、自殺未遂騒動を起こすなど、難しいシーンを演じた草刈は役柄について「綾乃はすごく繊細なところと大胆なところ、強さと弱さ、その両極を持っていて、振れ幅が広い人。真面目なお医者様で、患者や自分が生きることに対する切実さを画面から伝えられないといけないと思い、何事も切実にリアルに映るように心がけました」と語り、司会者から「奥さんのベッドシーンを撮るというのは気まずかったりしませんでしたか?」と問われた周防監督は「妻を裸にして撮っていいかどうかなんてことを監督は考えない。出来上がったシーンを良いものにしたいという思いだけで、ラブシーンはどう撮ったらいいんだろう?という気持ちだけでした」とあっけらかんとした様子。しかし実際の夫婦であるからこそ撮影現場でも「今日は不機嫌だな、なんてことがわかってしまう。他人だったらほっておこうと思うんだけどね」とそれなりに難しさもあったようだ。

そんな二人を現場で見ていた大沢は「監督と草刈さんのやりとりが緊迫する瞬間があって、気を使ってお茶を飲みに行ってみたり、役所さんと腕を組んで歩いてるけど監督は大丈夫なのかな?なんて思っちゃったりして」と内心ハラハラしていた様子だが、役所は「でも二人は仲がいいですよ」とすかさずフォローした。

また、役所は「監督は興味があることを正直に映画にできる人なので素晴らしいと思う。尊厳死というのは医療の現場では日常茶飯事に起こることで、それを裁く法律などについて社会派の映画として描きつつも、人間が人を想う気持ちや人を愛する心を描いているところが周防さんらしい」と太鼓判を押した。

なお、10月8日(月・祝)には、第25回東京国際映画祭提携企画「終の信託」公開記念『周防正行映画祭』がTOHOシネマズ六本木ヒルズで開催されることも決定。「シコふんじゃった」「Shall we ダンス?」「それでも ボクは やってない」の3作品が一挙に上映され、ゲストを招いてのトークショーも実施される。また、第25回東京国際映画祭の特別招待作品に「終の信託」が決定し、公開に向けて盛り上がりを見せる。

公開情報 東宝配給「終の信託」は2012年10月27日(土)から全国公開
公式サイト:http://www.tsuino-shintaku.jp/

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