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配給宣伝費をクラウドファンディング中!「タリウム少女の毒殺日記」土屋監督が会見(2012.11.13)

第25回東京国際映画祭「日本映画・ある視点」部門で作品賞を受賞した「GFP BUNNY―タリウム少女のプログラム―」(公開タイトル「タリウム少女の毒殺日記」)の特別上映会と記者会見が11月12日(月)日本外国特派員協会で行われた。土屋豊監督は東京国際映画祭の受賞者会見でもインディペンデント映画が置かれる厳しい状況についてコメントしていたが、現在、【独立映画鍋+motion gallery】において、配給宣伝費のクラウドファンディングを行っていることを改めて言及した。

はじめに、東京国際映画祭のチェアマンを務める依田巽氏が登壇し、「日本映画・ある視点部門はインディペンデント映画を応援し、才能を発掘する部門ですが、今回の受賞作『GFP BUNNY』は意表を突いた独創的な作品で、一昨年前の『歓待』、昨年の『ももいろそらを』に続き、今後も各国の映画祭で上映されることと思います。配給宣伝資金をクラウドファンディングという新しい手法で集めているということで、あともう少しというところのようですので、皆さんの力で作品が浸透し、配給されることを願い、土屋監督のこれからの活躍に期待しています」と挨拶した。
本作は2005年に実際に起きたタリウムによる母親毒殺未遂事件によって世間を騒がせた「タリウム少女」をモチーフとした16歳の少女を主人公としたメタフィクション。作品を鑑賞した外国人記者たちからは「どこまでがフィクションなのか?」「監督自身が少女と対話する手法はどうして思い付いたのか?」など様々な質問が飛び交った。
土屋監督は「実際に起きた事件を雑誌や新聞で読んで作品の要素とはしましたが、メディア上で語られていたことが全て事実かどうかはわからない。一つ言えるのは、(事件を起こした)彼女の日記がブログにアーカイブされていて、それを読んだ印象を基に、彼女の考え方や世界観を映像化したということ。彼女だったら2011年の世界をどう見るだろうと思って作り上げました」と明かした。

また、「ブログを読んでいて、彼女の観察者としての視点に興味を持ちました。お母さんを憎しみを持って殺そうとしたとかではなく、蟻やハムスターを観察するように、母親を観察する。それらを全て等価なものと判断している彼女なら、世の中の仕組をどう観察するのだろうと思ったんです」と「タリウム少女」に注目した経緯を語った。

土屋監督が少女と声のみの対話をしていくという独特な手法については「実は2010年に『NEW HELLO』というシナリオを書いて、東京国際映画祭の企画マーケットに出しました。それは物語がしっかりとあるドラマだったんですが、なかなか資金が集まらず、オレがやりたいものと違うなと思い始めて。その頃は、フォーマットに則った映画を作らないといけないと考えていて、でも資金が集まらずムカついていました。だったら自分は映画のフォーマット自体を崩していきたいんじゃないかと改めて思って、今回の映画のような形になりました」と映画作りにおけるジレンマを感じていたことを明かした。

現在、監督が行っているクラウドファンディングは、小額の寄付金をインターネットを使って不特定多数から募るシステムだが、劇場公開時の前売券やユニークな特典が付いているチケットを購入してもらうという仕組のことのようで、「今週、11月16日の23時59分がデッドラインで、あと80万円が必要なんです。今日、ここで皆さんに直接お願いしようかと袋を持って来たのですが、それは事務局に止められました(笑)。皆さんのサポート、よろしくお願いします!」最後にアピールした。

公開情報 「タリウム少女の毒殺日記」は2013年春、渋谷アップリンクで公開
公式サイト:http://gfp-bunny.info/

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