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松竹と東映の初タッグで「大怪獣のあとしまつ」製作(2020.03.02)

映画会社としてライバルである松竹と東映が史上初のタッグを組み、三木聡監督の完全オリジナル脚本による空想特撮エンターテイメント「大怪獣のあとしまつ」を製作することが決定。主演に山田涼介、ヒロインに土屋太鳳の初共演も発表された。

ある日突然、この国を襲う大怪獣が死んだ。巨大な死体はガス爆発も時間の問題。片付けられなければ国家崩壊の危機。この尻ぬぐいの任務を背負わされた首相直属の特殊部隊・帯刀アラタの前に、環境大臣秘書で元婚約者の雨音ユキノが現れる。二人は前代未聞の無理難題に知恵と工夫と愛で立ち向かっていく。松竹の迫本淳一社長は「松竹と東映さんという今までにない組み合わせで、特撮映画という最も典型的な映画らしいコンテンツでの共同プロジェクトという素晴らしい機会をいただきました。松竹の『男はつらいよ』『釣りバカ日誌』シリーズに代表される“庶民的人情”と東映さんの“義理人情”。その両方の“人情”がぶつかると、どうなるのか?とても期待しております」とし、東映の多田憲之社長は「本作の企画が初めて当社で出たのは5年程前で、当初は低予算で進める案もありましたが、このような映画の仕掛けは規模を大きくしなければ面白くならない。そこで松竹さんにお話を持っていったところ、賛同していただきました。一見ふざけた内容ですが、環境問題も政治の混乱も描かれており、まさに今の時代が反映されています」と製作経緯を明かした。また、ドラマ「時効警察」シリーズなどで知られる三木監督は「20年以上前、ある番組で映画になっていない時間を想像する企画をやったことが遠因。特撮映画の映画にならない時間のひとつが、死んでしまった怪獣の死体をどうしてるのか?非常に映画的でない時間を映画にしてみたい、そういう天邪鬼なところがスタート。果たして一体誰がこのある意味不毛な企画を映画化してくれるのか?それが松竹と東映という日本を代表する映画会社。しかも共同で製作してくれるという歴史的な出来事なんだとか。いいのか?日本映画界?でも今後こういう機会が増え、新しいクリエイティブの場が広がるといいなぁと真顔で思っていたりする私、責任とれないけどね」とコメント。さらに、本格的なコメディは初挑戦となる主演の山田は「ふざけた情景の中に超真面目な主人公のギャップ・・・これは面白い!と思い、ぜひ出演させていただこうと思いました!ウソかと思うような驚きの豪華キャストで、ふざけ倒します!」と意気込んでおり、ヒロインの土屋は「私はヒーローが好きです。山田涼介さん演じる主人公を支えるチームの一員として、全ヒーローへの恩返しを込め、踏んばります!」とコメントしている。なお、春から関東近郊で撮影を開始し、公開は2020年以降を予定している。

(2月27日付 日刊興行通信より)

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