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「望み」堤幸彦監督、堤真一、石田ゆり子初共演で映画化(2020.03.05)

累計発行部数15万部を超える雫井脩介のサスペンス小説「望み」が、堤幸彦監督、堤真一、石田ゆり子初共演で映画化され、角川配給により今秋、全国公開される。

一級建築士の石川一登と校正者の妻・貴代美は、自らデザインを手掛けたスタイリッシュな邸宅で、高校生の息子・規士と中学3年生の娘・雅と共に平和に暮らしていた。誰もが羨む理想的な家族だったが、無断外泊から帰らない規士の行方を巡り、同級生の殺人事件との関与を疑われていく。2016年の単行本発行当時から話題となり、各社から映画化の希望が殺到した本作を、構想4年をかけ映画化する堤監督は「息子が事件の被害者となるか加害者となるか、どちらの結末を迎えても惨憺たる結果になるこの物語はミステリーであるだけでなく、設定や行動のディテール、父と母の葛藤とその心理描写の緻密さに圧倒されました」と語り、原作者の雫井氏も「心理描写が使えない映像というジャンルでこの物語を生かすことは難しいのではと思っていました。しかし、奥寺佐渡子さんから素晴らしい脚本が上がったことでその不安は消え、シリアスな社会派ドラマを含めた多くの作品を手掛けてきた堤幸彦監督が、これをどのようにスクリーンに映し出してくれるかという楽しみが一気に膨らみました」とコメント。息子の無実を信じたい父親を演じた堤は「脚本を読んだ時は、難しい作品だと感じました。家族をテーマにしたサスペンスであり、ただの家庭ドラマではない。監督が順撮りして下さったお陰なのですが、家族に一体感が生まれて、無理することなく芝居ができました」とし、息子が犯人であっても生きていて欲しいと願う母親を演じた石田は「本当につらい物語なのですが、でもきっと目に見えない大切なことが沢山映っている映画になるのではないかと思っています。『望みはある』と信じ続ける彼女を演じながら私はいつも、祈るような気持ちでいました」と述べている。撮影は今年1月7日から2月11日まで行われ、角川大映スタジオに一級建築士の主人公が手掛けたとされる建坪40坪程の広く開放的な石川邸を再現。さらに東京都青梅市や埼玉県所沢市・さいたま市・朝霞市ほか関東近郊でロケーションが行われた。

(3月3日付 日刊興行通信より)

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