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「閉鎖病棟」笑福亭鶴瓶主演で映画化(2019.02.08)

帚木蓬生による山本周五郎賞受賞作「閉鎖病棟」が平山秀幸監督・脚本、笑福亭鶴瓶主演、綾野剛、小松菜奈共演で映画化され、東映配給により11月から全国公開される。

原作は1995年に発売され、丸善お茶の水店に掲げられた「感動のあまりむせび泣きました・・・」というPOPが起爆剤となり、累計80万部を突破。とある精神科病院を舞台に、様々な過去を背負い、家族や世間から遠ざけられながらも、明るく生きていた患者たちの日常を遮るように殺人事件が起こる。死刑囚でありながら、刑の執行が失敗して生きながらえ、今は精神科病院にいる主人公・梶木秀丸を演じる鶴瓶は、役作りの為に炭水化物を取らない食事制限などを行い、約10日間で7キロも減量して役作りに挑んでおり、「平山監督から長文のオファーの手紙をいただいたのが3年前。とにかくいい脚本なんです。クランクイン前に脚本を読んでいたら、涙が止まらず、撮影現場でも台詞を言っていても、ぐっと詰まることが度々あります。“人に優しい映画”になると確信しています」とコメント。幻聴が聴こえるようになり、家族から疎まれて精神科病院に強制入院となったチュウさん役の綾野は「私はこの作品の中で、本当を見つける事を捨て、嘘をつかない事を手に入れた。本当とは観念だ。嘘をつかないとは心念だ。平山監督のまなざしに魅せられ気づかされました。誰一人、自分に嘘が無い人たちの物語です。優しく強く抱きしめていただけたら嬉しいです」とし、不登校が原因で精神科病院に通院する女子高生・由紀役の小松は「私が演じているのは、自分ならば決して耐えられない程の壮絶な過去を背負いながら、強い覚悟で生きていく少女の役です。共演者の方々とのお芝居の化学反応を楽しみながら、日々挑戦しています」と語っている。また、平山監督は「原作が書かれた20年以上前と比べて、今ではスマホやパソコンで生活は便利になったけれど、むしろ自分の荷物を抱えきれずに、心の病にかかる人が増えた気がする。自身もどん底で苦しいのに、他人の痛みを思いやる、原作で秀丸がみせる“自己犠牲”に圧倒され、どうしても映画化したいと脚本を書き始めた」と述べている。1月7日の松本ロケでクランクインし、独立行政法人国立病院機構が運営する精神科の専門医療施設・小諸高原病院の協力を得て2週間の撮影を敢行。日本国内ではドキュメンタリーを除き、国立の精神科病棟を使用して映画撮影するのは初の試みで、関東近郊や都内での撮影を経て、2月中旬頃にクランクアップ予定。

(2月6日付 日刊興行通信より)

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