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竹野内豊が「助け舟」という言葉の意味に想いを馳せる「雪風 YUKIKAZE」完成報告会(2025.07.09)

80年前、戦場の海から命を救い続けた駆逐艦の史実に基づく物語「雪風 YUKIKAZE」の完成報告会が7月9日(水)に行われ、雪風の艦長・寺澤一利役の竹野内豊、先任伍長・早瀬幸平役の玉木宏、水雷員・井上壮太役の奥平大兼が登壇した。絶えず冷静に指示を下し、時には型破りな判断で激戦をくぐり抜ける主人公・寺澤を演じた竹野内は「自国や乗務員、その全ての大切な人たちの命を守るという重責は容易に想像できませんでした。でも船員役のキャストたちとのお芝居や、一致団結する姿に支えられて、僕も艦長にしていただけたと思います」と挨拶した。

真珠湾奇襲攻撃による日米開戦以降の全ての熾烈な戦いを生き抜き、どの戦場でも海に投げ出された多くの仲間たちを救い、必ず共に日本に還ってきた駆逐艦「雪風」。いつしか海軍ではこの艦を"幸運艦"と呼ぶようになった。本作はその驚くべき史実を背景に、太平洋戦争の渦中から戦後、さらに現代へと繋がる激動の時代を懸命に生き抜いた人々の姿を壮大なスケールで描いている。また、早瀬の妹・サチ役に當真あみ、寺澤の妻・志津役に田中麗奈、第二艦隊司令長官・伊藤整一役に中井貴一が扮している。

玉木は雪風のことを知り尽くしている先任伍長の役ということで「現場の人間感を大切に演じたつもりです。戦争がテーマなので命の尊さを伝えたいのはもちろんですが、中盤の艦長との会話で『普通がいいな』とおっしゃるところがあって、今はそんなに危険な目に遭うこともないですし、普通って人によってレベルが違うとは思うんですが、今、目の前にある物のありがたみみたいなことが伝えられたら」と語った。

若き水雷員を演じた奥平は「学生時代に戦争のことは勉強していましたが、台本を読むと知らないことだらけで、その時代の人たちの気持ちを感じることができました。当時の若者の視点を、この映画を通して若い人たちに届けられたらと思って撮影に挑んでいました。ナレーションも僕でいいのか?と思ったんですが、艦長から先任伍長へのメッセージを僕が読ませていただけて、任せて下さってありがとうございますという気持ちになりました」と明かした。

竹野内は「雪風の船員たちは、自由が許されなかった時代には珍しく良い関係性で、それは互いの強い信頼性があったからだと思います。日頃から相手に敬意を持ちながら、自分自身も信念を持っている。これは現代においても大切なことでだと感じました。撮影前に横須賀の基地に行って、やまぎりの操縦室の中で模擬戦を拝見したんですが、その時の艦長の号令や口調、イントネーションは戦時中から受け継がれているものだと聞いて、演じる上でとても参考になりました」と役作りにも余念がない。

また、雪風が幸運艦と呼ばれていたことについて竹野内は「激戦の中を必ず人々を助けて還って来るので奇跡としか言いようがないですよね。本当の意味での助け舟というか、日頃、何気なく使っていた"助け舟"という言葉の意味を改めて考えさせられました。船員たちの強い精神力が幸運を作り出していたんじゃないかと思います」としみじみ。

そして最後に「決して歴史の1ページとして終わらせてはいかない気がします。資料などから学ぶことはあっても、本当の戦争の恐ろしさを知り得ることはできないですが、その時代を生きた人々の心情を映画を通して体感することで、記憶として残せるかと思います。本当に多くの方々に観ていただけることを願っています」と締めくくった。

公開情報 ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント/バンダイナムコフィルムワークス配給「雪風 YUKIKAZE」は2025年8月15日(金)全国公開
公式サイト:https://www.yukikaze-movie.jp/

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