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「新藤兼人賞2019」金賞は「東京干潟」「蟹の惑星」の村上浩康監督(2019.12.10)

協同組合日本映画製作者協会が授与する「新藤兼人賞2019」の授賞式が12月6日に行われ、今年で24回目を迎える「新藤兼人賞」金賞はドキュメンタリー「東京干潟」「蟹の惑星」の村上浩康監督、銀賞は「メランコリック」の田中征爾監督が受賞。また、プロデューサー賞には「新聞記者」の河村光庸氏(プロデューサー)が輝いた。

対象は2018年12月から2019年11月までに公開された新人監督作品230本で、審査委員長は孫家邦氏、審査員は宇田川寧氏、松田広子氏、山上徹二郎氏、山本章氏が務めた。受賞者には故・新藤兼人監督デザインによるトロフィーと、副賞として金賞に50万円、銀賞に25万円が贈られた。また、プロデューサー賞受賞者には、クリスタルトロフィーと副賞の賞金50万円が贈られた。多摩川下流でシジミ獲り、カニの観察をする人を4年間追い続け、撮影から公開までほぼ一人で手掛けた村上監督は「非常に光栄で、身が引き締まる思いでいっぱいです。1対1で向き合ったからこそ人間関係が深まり、心を開いて撮らせてくれました」と明かし、「20歳の頃、新藤監督の『ある映画監督の生涯 溝口健二の記録』を観て、溝口監督は一切登場しないのに人間性、芸術性が立ち上ってくる。こんなことも出来るのかと驚きました。新藤監督を目指すのはおこがましいですが、100歳でドキュメンタリーを撮った人はいないので目指したい」と語った。「東京干潟」「蟹の惑星」は12月21日から28日、ポレポレ東中野、2020年2月15日から21日、横浜シネマリンでアンコール上映が決定した。また、田中監督は「映画監督としてスタートラインに立てた気持ちです。劇場公開作を作ったのは今回初めてなので、反省点もありますが今後はより良い作品を作れたら」とし、河村氏は「今の社会に蔓延しているリスクマネジメント、コストパフォーマンス、コンプライアンスを徹底的に無視した映画を作りたかった。反骨の人である新藤監督を記念した賞を頂き、大変光栄です」とコメントした。

(12月8日付 日刊興行通信より)

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