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行定監督、阿部寛、豪華女優陣、それぞれの恋愛観が炸裂!「つやのよる」完成会見(2013.01.08)

大人の男女の恋愛を描き続ける直木賞作家・井上荒野の同名小説を、行定勲監督が主演に阿部寛を迎えて完全映画化した「つやのよる ある愛に関わった、女たちの物語」の完成会見が1月8日(火)に行われた。小泉今日子、野波麻帆、風吹ジュン、真木よう子、忽那汐里、大竹しのぶら豪華女優陣との共演となった阿部寛は「皆さん思い切り芝居され、台本をはるかに凌ぐ“女性”を演じていて感銘を受けました。ここまでやると、コメディじゃないけど笑えてしまう。そんな不思議な極上の笑いがある作品になりました」と女優陣を褒め称えた。

松生春二は、奔放な妻・艶の不貞に悩まされ続けてきたが、何度裏切られても献身的に愛してきた。そんな艶が病に冒され昏睡状態となってしまい、松生は過去に艶が関係を持った男たちに、愛の深さを確かめようと思いつく。この松生の計画によって、夫や恋人、父親が、艶と肉体関係を持っていたことに感づいてしまう女たち。艶という1人の女性に翻弄される男と女のセンセーショナルな“愛”の物語。

原作者の井上は「小説でやりたかったことをきっちりやって下さっていながら、映画として小説に挑戦している部分を観ていただけたら嬉しい。恋愛は仕方の無いことの筆頭にあると思っていて、それぞれが『仕方ないや』という顔をする場面も見ていただきたい」と挨拶し、行定監督は「愛の形は人によって違うので、目の前にある愛とは何か?考えるきっかけになると思う。荒野さんの素晴らしい原作を映画として完成させるために豪華キャストが必要で、これだけの方たちに集まっていただけてすごく感謝している」と感慨深げ。

「愛の為に生きる男」松生を演じた阿部は、女性陣に囲まれた本作のポスターを見ながら「僕1人で全ての女優さんと絡んでベッドシーンがあるように見えますが、実際は撮影で一緒じゃなかった人もいらっしゃるので」と前置きし、「女の人のあまり見られちゃいけないような姿を、皆さん惜しげもなく演じていて、爽快でもありました」と語り、行定監督も「いかに女のことをわかっていないか、撮影をしながら勉強になりました。その心理、精神性、表情は女優さんたちに任せて、全て受け止めるかたちで撮影に挑みました。風吹さんや大竹さんなど僕より少し上の年代の方は愛に対してウェットで、若い世代の方がドライだと感じ、愛は曖昧なだけにもっと表現できる部分があると感じ面白かった」と明かした。

艶の存在を知ったことで“愛”に向き合うことになる女性たち。それぞれ演じた役に共感できるか?似ている部分があると思うか?と質問されると、小泉は「艶は男の人を愛することで生きていて、爪の先まで女が詰まっているので、私は学ばなければいけないと感じました。艶は憧れであり、今後の人生の目標にしたいと思います」と笑って語り、忽那は「艶のために父親に捨てられた娘を演じたのですが、年齢が上の男女の恋愛が描かれ、分からない部分も多くありました。阿部さん演じる父親に会うシーンが初日で、共感とは異なるかもしれないですが、シーンと同じく緊迫していて、こういう感覚は不思議だなと感じました」とコメント。

また、艶という女性についてどう思うか?という質問に野波は「うらやましい。あんなに自由奔放なのに、彼女の本質をわかった上でついてきてくれる人がいて、最期に看取ってもらえるのはうらやましい」とする一方で、風吹は「私は見方がちょっと違って、燃料をあげても燃えないストーブみたいだなと。目の前の大切な愛が最後に見えたのかしら?と思って、むしろ一生懸命愛した阿部さん演じる男の方が幸せだったんじゃないかなと思いました」と大人の女性の恋愛観を覗かせた。

最後に行定監督は「若い観客に観て欲しい。僕も若い頃、名作と言われる恋愛映画を観てきて、わからないものもありました。でも成長し、必ずわかる瞬間があるので、わからないまま観るという経験をして欲しい」と語りかけた。

公開情報 東映配給「つやのよる ある愛に関わった、女たちの物語」は2013年1月26日(土)から全国公開
公式サイト:http://tsuya-yoru.jp/

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