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ダスティンの熱いキスに樹木希林が!「カルテット!人生のオペラハウス」来日記者会見(2013.04.09)

2度のアカデミー主演男優賞に輝く名優ダスティン・ホフマンが満を持して監督に初挑戦した「カルテット!人生のオペラハウス」の来日記者会見が4月9日(火)に行われ、映画「フック」以来、実に21年ぶりの来日となるダスティンが登壇。大ファンだという樹木希林も駆けつけ、ヒット祈願の鏡開きを一緒に行い「『卒業』で主演されたこの方に、こんなに経ってからお目にかかれるなんて!私もカメラを持って参りました」と興奮気味に語り、ほっぺに2度の熱いキスを受け、すっかり舞い上がっていた。

「戦場のピアニスト」でアカデミー賞を受賞したロナルド・ハーウッドの戯曲を映画化した本作は、英国の美しい田園風景に建つ引退した音楽家たちのホーム“ビーチャム・ハウス”の存続を賭けて、過去の栄光をひきずった4大旧スターが、史上最高齢のオペラコンサートに挑む姿を描き出している。

ダスティンは監督業に踏み切った経緯について、「長年、監督をしてみたいと思っていたんだけど、飛び込む勇気がなかった。でも『カルテット!』の脚本は本当に気に入って、36年連れ添ってきた妻にも『今やらないなら、いつやるの?もう75歳じゃない。これを監督しないなら別れるわ』と言われたんだ。だから僕も『もし監督して、これがヒットしなかったら、君と別れるよ!』と言ったけどね」と冗談めかし、「ちょっといいかな。このエキサイティングな瞬間を撮ってもいい?」と突然、自らのiphoneで記者たちを録画するフランクさを見せた。

作品については「これは人生を描いた普遍的な映画。年を取って、体が不自由になってきた人たちの話で、出演したマギー・スミスも目が悪く、腰も悪いので映画の中と同様、普段から杖をついているわけだけれども、いつかはみんなこうなっていく。でもそれぞれが英雄的で、違った生き方をしてきているわけだよね。僕はパラリンピックが大好きで、体に不自由があっても、人生を生きることができることの証明だと感じるんだ」と明かした。

また、「マギー・スミス、トム・コートネイ、ビリー・コノリー、ポーリーン・コリンズ演じる元スター4人の他に、実際に引退したオペラシンガーやミュージシャンたちを集めてドキュメンタリーのようにしたかった。トランペッターのロニー・ヒューズも、この30年くらい仕事の依頼が無かったということで、出演を本当に喜んでくれたんだ。70代から90代の老人たちが朝から撮影現場に来て、一日12時間から14時間の撮影に参加し、感謝と喜びと情熱を見せてくれて、素晴らしい現場だった。彼らに命を吹き込むことができ、若返りを見ることができただけでも価値があった」と満足気な表情。

音楽が一つのテーマになっていることについては「伝統的なクラシックからヴォードヴィルまで、登場する音楽はどれも好きなものばかりで、この映画を印象的なものにしてくれている。僕も本当はピアニストになりたかったんだけど、才能が無くて、2つ目のチョイスだった役者になったんだよ」と明かし、「この話はコメディでもラブストーリーでもあるわけだけど、2人の人間が恋に落ち、結婚して、一方の不倫によって別れる。40年後に老人ホームで再会し、男は女をずっと愛し続け、女は再婚を繰り返しながらも本当に愛していたのは最初の夫。そういったトラウマ的経験で2人は40年を無駄にしてしまうわけだけど、恨みや憎しみを持って生きていても自らの成長を止めてしまうという教訓になっていると思うんだ」としみじみと語った。

ここで樹木希林が登場し、作品を観た感想について「絵画的な美しさと、役者の技術もさることながら、時を重ねた魅力を監督が指揮者のように束ねてらっしゃって。年を取るのはステキだな、チャーミングだなと思えました」とダスティンに語りかけると、「40年前にデートしたんだよね」と言って樹木にキス。すると「私には40年間別居している夫がいまして。未だにヤキモチやくんですよ。殺されないようにしないと」と応え、会場は大爆笑に包まれた。

公開情報 ギャガ配給「カルテット!人生のオペラハウス」は2013年4月19日(金)からTOHOシネマズ シャンテ、Bunkamuraル・シネマ他全国順次公開
公式サイト:http://quartet.gaga.ne.jp/

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