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モントリオール世界映画祭での上映も決定!さだまさし原作「サクラサク」完成披露会見(2014.03.27)

「眉山」「アントキノイノチ」など良質な映画化が相次ぐシンガーソングライターであり小説家のさだまさしの原作から新たに誕生した感動作「サクラサク」の完成披露会見が「さくらの日」に制定されている3月27日(木)に行われた。この日は、嬉しいニュースも飛び込み、8月下旬にカナダで開催される「モントリオール世界映画祭」のフォーカス・オン・ワールド・シネマ部門へ正式出品されることが発表された。「素晴らしいキャストの演技と美しい映像が評価された」とのことで、主演の緒形直人も「まだ実感が沸かないですが、行かないとね!」と映画祭参加に意欲を見せた。

本作は、2002年刊行の短編小説集「解夏」に収録された、さだまさし自身の父親の思い出を下敷きにした物語。崩壊寸前の家族が、認知症を患った祖父の記憶を辿り、思い出の地を探す旅の中で絆を取り戻していく。緒形直人、南果歩、矢野聖人、美山加恋、藤竜也が大崎家の面々を演じ、「利休にたずねよ」でモントリオール世界映画祭最優秀芸術貢献賞に輝いた田中光敏監督が、福井県の美しい自然をはじめとするロケーションで撮影を敢行した。

自身の原作映画に初めて主題歌「残春」を書き下ろしたさだは「監督から去年、『利休にたずねよ』を観に来た人たちに(予告編)を見せたいから、歌を書いてくれと指令が出まして、焦りながら書いたあの日を思い出します。でも素晴らしい映画が出来ました」と笑顔。田中監督にとっては初のロードムービーということで、映画化の経緯について「11年前に『精霊流し』を映画化した時に取材して下さった記者の方が主婦になって、福井県で『サクラサク』の朗読劇をやっていると手紙を下さり、勇気や背中を押してくれる言葉が沢山あるので、ぜひ映画化して欲しいということだったので、直ぐさださんに電話しました」と明かした。

仕事一筋で生きてきた主人公・大崎俊介を演じた緒形は「いろんなことを考えさせられました。『ありがとう』という言葉は良い言葉で、夫婦だから黙っていても通じているではなく、感謝の気持ちを伝えるのは大切だと改めて感じました」と感慨深げ。夫に深く失望し、孤独を抱える俊介の妻・昭子を演じた南も「目を見て話さなくなっていた大崎家の人々が、旅という非日常で寝食を共にする内に、互いを見る余裕が出てくるんですよね。ちょっとした非日常が、日常に潤いを与えると思いました」と語り、さらに「夫婦は家族だけど他人。言葉にすることで関係が良くなるということを、勉強したよね!」と言って緒方に笑いかけた。

認知症を患う祖父・俊太郎を演じた藤に対してさだは「よく役を引き受けてくれたと思って!だって『愛のコリーダ』ですよ!」と信じられない様子。それに対し藤は「変わったことをやるのが好きなんで。沢山この病気の方や介護されている方がいるので、『違う』と思われないように勉強しました。でも撮影が終わるとイライラしちゃって、夜は居酒屋をまわってバランスを取るのに大変でした」と明かした。すると南は「藤さんの行動は読めない!福井から大阪まで車でうどんを食べに行ってたりして」と暴露。

しかし田中監督は、撮影現場での食事を仕切っていたのは南だと明かし、美山も「私たち子供は、ほぼ毎日、果歩さんにご飯のお誘いをいただいていて」と語り、矢野も「ご飯に困ったら果歩さんでした!」と明かした。そんな和気藹々としたキャスト陣を見てさだは「まぎれもない家族になっていってましたよね。車の中で『飴いる?』って配るシーンも、良かった!いい家族ですよねー」と目を細めていた。

公開情報 東映配給「サクラサク」は2014年4月5日(土)全国公開
公式サイト:http://sakurasaku-movie.jp/

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