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チャン・ドンゴンら男性ばかりを主人公にする理由は・・・!「泣く男」イ・ジョンボム監督来日会見(2014.08.27)

ウォンビン主演の「アジョシ」で韓国全土に“アジョシ・シンドローム”を巻き起こし、アクション映画の新境地を切り開いたイ・ジョンボム監督が最新作「泣く男」を引っ提げて来日し、8月27日(水)に記者会見を行った。デビュー作「熱血男児」、アクション・ノワール「アジョシ」など、主人公が最後に涙して終わる作品が特徴だが、「泣いて終わるのは本作で最後にする!」と宣言した監督は、「僕も監督として成長してきたので、今後は主人公がエンディングを笑顔で迎えられる作品が撮れるんじゃないかと思っています」と次回作にも意欲を見せた。

2010年に韓国で動員630万人を記録し数々の映画賞に輝いた「アジョシ」では、隣家の少女を助けるために迷うことなく全てをかけて戦う元特殊工作員を主人公に、感情を殺した“ぶれない男”を描いたジョンボム監督が、今回はチャン・ドンゴンを主演に迎え、罪を背負いながら任務に身を投じる孤独な殺し屋を主人公に、心の葛藤に揺れ動く“ぶれる男”を描き出している。

本作のアイデアを思いついたのは映画学校に通っていた15年ほど前のことだそうで、「何故か当時は罪の意識というものに関心があり、そういったことが描かれた小説をよく読んだりしていました。表向きは強くても、心の中は脆くか弱い男を描こうと思い、謝りたいと思っている相手に謝れる作品にしようと思いました。2時間の映画を楽しんでもらうには、アクションの要素も大切ですが、直ぐに忘れられてしまうようなアクション映画ではなく、観客が良い気持ちで映画館を出られる作品にしたいと思いました」と明かした。

任務遂行中に誤って幼い少女を巻き添えにしてしまう殺し屋・ゴンについては「殺し屋ではありますが、自分のミスで殺してしまった少女の母親は殺すことが出来ない。それは自らも母親に捨てられたという記憶があるからで、そういう複雑な心理をチャン・ドンゴンさんは見事に演じてくださいました」と絶賛。さらに「ドンゴンさんというイケメンを主人公に起用できたことは幸運なことです。実は女優さんが苦手というか、何を話していいかわからないので・・・」と、これまで男性の主人公に拘ってきた意外な事実を明かした。

また、チャン・ドンゴンは主演を快諾したそうで「シナリオを渡す前に、お酒を一緒に飲む機会を作って、『体力的にも心理的にもきつい映画になりますよ』とはお伝えしましたが、『アジョシ』がすごく良かったと言ってくださり、『やるよ』と即答してくださいました。実は同じ時期に同じ学校へ通っていた仲で、当時から彼は大スターだったんですが、飾り気がなく、友人たちとバスケットボールをしている姿を見かけた時から是非、いつか一緒に映画を撮りたいと思っていたんです」と念願の夢が叶ったことを明かした。

常にアクションのリアリティを追求する理由については「ハリウッドのアクション映画はどこか現実味がないような気がしていました。ドンゴンさんにはまず射撃を習ってもらい、銃に慣れてもらいました。それから銃による犠牲者の映像を沢山見てもらって、『あなたの演じる役はこんなに怖い仕事をしている人なんですよ』と認識してもらいました。アパートでの銃撃戦のシーンは大変気を遣ったところで、韓国も銃が規制されているので、スタッフがまず1ヶ月そのアパートに住み込んで、住民の方々の了解を得ていきました」と撮影の苦労を明かした。

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公開情報 CJ Entertainment Japan配給「泣く男」は2014年10月18日(土)から新宿バルト9、丸の内TOEI他、全国公開
公式サイト:http://nakuotoko.jp/

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