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「日本のいちばん長い日」が作品賞に!「第58回ブルーリボン賞」授賞式(2016.02.09)

東京映画記者会が主催する「第58回ブルーリボン賞」の授賞式が2月9日(火)に行われ、司会は昨年度の主演男優賞を受賞した浅野忠信(「私の男」)と主演女優賞を受賞した安藤サクラ(「0.5ミリ」「百円の恋」)が務めた。浅野は「とても緊張しております」としながらも飄々と「しっかり頑張りたいと思います」と語り、今回2度目の司会となる安藤は「一昨年はものすごく楽しかったです。受賞者の皆さんにご無礼の無いよう、楽しく、出来る限り当たり障りなく務めます」と言って笑いを誘っていた。

「日本のいちばん長い日」で作品賞を受賞した原田眞人監督は「ブルーリボン賞は最高の賞だと思っています。受賞者も作品もバランスが取れていて、私としては『日本のいちばん長い日』が作品賞、『駆込み女と駆出し男』の大泉が主演男優賞ということで嬉しく、橋口監督の『恋人たち』では篠原という素晴らしい新人を発掘していたのが新鮮でした。有村さんと吉田さんという女優の2人もこれから一緒に仕事をしたい人たちです。そして大好きな『マッドマックス』が外国作品賞と、今回でブルーリボン賞との縁が切れたとしても、ブルーリボン賞への愛は失いません!ありがとうございます!」と喜びを表した。

外国作品賞の「マッドマックス 怒りのデス・ロード」配給を担当したワーナー・ブラザース映画の高橋雅美氏は「原田監督をはじめ熱いファンの方々のお陰で受賞できたと思っています」と語り、「また再上映も行っているので、2度でも3度でも観ていただければと思います」としっかりPR。「恋人たち」で監督賞を受賞した橋口亮輔監督は「厳しい状況の中でも真摯に作品に向き合って、こういう賞をいただけたと思う」と挨拶。ワークショップから発掘した主演の篠原篤らも会場に駆けつけていることを明かし、「この子はスターになる!という子はワークショップではいなかったんですが、見つめていると、いいものが出てくる瞬間があるんです」と評価。

2作品で新人賞を受賞した石井杏奈は「賞をとるのが夢だったので、幸せに思います。HIROさんをはじめ事務所の皆さん、E−girlsのメンバーが喜んでくれる姿も見られて幸せです。これからも沢山の方が喜ぶ顔が見られるよう頑張ります」と初々しく挨拶。3作品により助演女優賞を受賞した吉田羊は「何の取り柄も無い私が歴史と権威ある賞をいただくとは、1ミクロンも未来予想図になかったのですが、選んで下さった1人、1人の方々に感謝したいと思います。原田監督からも一緒に仕事をしたいと言っていただけて、たとえブルーリボン賞と縁が切れたとしても、これで良かったと思えます」と喜んだ。

2作品で助演男優賞を受賞した本木雅弘は「いつも綱渡りの繰り返しで、何とか乗り越えているタイプの俳優なので、褒めていただくと心の中でオロオロしています。今日は東北の刺子の布地を使ったビンテージのスーツを着てきたのですが、古くから受け継いだ想いを後世に残したいという姿勢に敬意を表します。映画作りも多くの人の想いが重なってでき、役者はそれを羽織っていく。身の丈に合わない役と出会うこともありますが、関わった方々の紡ぎ出した想いが後世に残るよう、真面目に取り組んでいきたいと思います」と決意を表明した。

主演女優賞の有村架純は「『ストロボ・エッジ』の廣木隆一監督から、『芝居は引き算だから余計なことをするな。気持ちがあれば目で伝わる』とお芝居の根本を教えていただけたお陰で、『ビリギャル』も演じることが出来たと思っているので、この2作品で受賞できたことを嬉しく思います。『ビリギャル』でお母さんを演じて下さった吉田さんとも、この場に立てて嬉しいです」と笑顔を見せ、「実はさっきフジテレビのスタジオでもお会いしたんですが、『ビリギャル』はいろんな奇跡を与えてくれたね!と話していたんです」と明かした。

そして最後に主演男優賞を受賞した大泉洋は、大トリということで「とんでもなく緊張が高まっています!」としながらも、「4歳の娘と妻に『パパはブルーリボン賞を取りました』と伝えたところ、娘は青いリボンが貰えると思ったようで、妻も『凄いけど、何でパパが?』と、まったくその通りだと思います」と語り、「北海道のバラエティで評価されたからこそ、TEAM NACSの仲間と役者をやれて、東京で死ぬ気でやるとかではなく、地元があるから伸び伸びと出来ているんだと改めて感じたブルーリボン賞です」とコメント。

4月23日公開の「アイアムアヒーロー」で共演している有村と、来年は司会を務めることについては、「去年、2人で取っていれば宣伝できるね!と話していたんですが」と明かし、有村は「全部、洋さんにお任せしたいと思います」と丸投げ。大泉は「バラエティのように、『はりきってどうぞー!』とか言わないようにします」と語り、司会の浅野もエンディングが近づきホッとしたのか「楽しかったです。2度とやりたくはないけど。でもブルーリボン賞はまた取りたいです!」と言って授賞式を締めくくった。

【受賞結果】
▽作品賞=「日本のいちばん長い日」(原田眞人監督)
▽監督賞=橋口亮輔(「恋人たち」)
▽主演男優賞=大泉洋(「駆込み女と駆出し男」)
▽主演女優賞=有村架純(「映画 ビリギャル」「ストロボ・エッジ」)
▽助演男優賞=本木雅弘(「日本のいちばん長い日」「天空の蜂」)
▽助演女優賞=吉田羊(「映画 ビリギャル」「愛を積むひと」「脳内ポイズンベリー」)
▽新人賞=石井杏奈(「ソロモンの偽証 前編・事件/後編・裁判」「ガールズ・ステップ」)
▽外国作品賞=「マッドマックス 怒りのデス・ロード」(ジョージ・ミラー監督)

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