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「マダム・フローレンス!夢見るふたり」で開幕!「第29回東京国際映画祭」ラインナップ発表会(2016.09.26)

10月25日(火)から11月3日(木・祝)まで開催される「第29回東京国際映画祭」のラインナップ発表会が9月26日(月)に行われた。コンペティション部門16作品をはじめ全上映作品が発表され、オープニング作品はメリル・ストリープ主演「マダム・フローレンス!夢見るふたり」、クロージング作品は松山ケンイチ主演「聖の青春」に決定。ゲストとしてコンペティション部門に選出された「アズミ・ハルコは行方不明」から松居大悟監督、主演の蒼井優、「雪女」から出演の青木崇高、また、アニメーション特集「細田守の世界」から細田守監督が登壇した。

はじめに、椎名保ディレクター・ジェネラルが「提携企画も含めて今年は203作品の上映を行い、『国内外へ向けた映画の情報発信基地』『クリエイターに陽を当て、世界へ羽ばたくステージを作る』『未来の映像作家・映画ファンの創出』『誰もが参加したくなる映画祭』の4つのコンセプトで開催いたします。フェスティバルミューズには黒木華さんにお願いすることになり、『一緒に映画祭を盛り上げましょう!』と言っていただきました。映画祭の主役は映画です。映画を愛し、尊敬する人々が一堂に会し、文化交流や人材交流をはかる場です。皆様のお力で更に盛り上げていただければと思います」と挨拶した。

バラエティに富んだコンペティション部門16作品を審査するのは、ジャン=ジャック・ベネックス氏(映画監督/脚本家/プロデューサー)、平山秀幸氏(映画監督)、ヴァレリオ・マスタンドレア氏(俳優)、ニコール・ロックリン氏(プロデューサー)、メイベル・チャン氏(映画監督)に決定。矢田部吉彦プログラミングディレクターは作品選定について「監督の個性が際立った新作であり、世界各地の映画が上映できることを考慮して選びました。今年ほど難民、移民を扱った作品が多かった年は無かったと思います。16作品を観て、世界を知ることができる映画祭を目指しています」と明かし、ラインナップを紹介した。

日本からコンペティション部門に選出された2作品の内の1本、「アズミ・ハルコは行方不明」の松居監督は「3年前に日本映画スプラッシュ部門で上映された時から、また作品を出したいなというモチベーションになっていました。」と明かし、出品が決まった時について、「居酒屋の路地裏で出品決定の電話を受けて、嬉しくて泣いてしまったんですが、居酒屋に戻って皆から『何で泣いてるんだよー』とからかわれ、言いたいのにまだ言えない!という、自分にとっては素敵な時間でした」と喜びを語った。

また、単独での主演は「百万円と苦虫女」以来8年ぶりとなる蒼井は「『アズミ・ハルコは行方不明』のアズミ・ハルコ役で映画の話が来たと言われて、『主演だけど行方不明なのか。楽かもしれないな』と思ったのですが、意外と出番が多かったです(笑)。実は他の映画祭にも声をかけていただいていたのですが、松居監督が『東京国際映画祭に賭けたい!』と、もう一つの方を丁重にお断りしたと聞いていたので、これで選ばれなかったらどうなっちゃうんだろう!?と思っていました。松居監督の思いが通じてホッとしています」と胸をなでおろした。

もう1本の杉野希妃監督・主演作「雪女」に出演の青木は「主演の『雪女』を演じました青木です(笑)」とボケをかまし、「監督は今日、来られませんでしたが、出品をとても喜んでいます。去年、釜山国際映画祭で監督とうなぎを食べていた時、小泉八雲の『雪女』を新解釈で描こうと思っていると聞きました。古典的な部分と挑戦的な部分が台本からも読みとれて、すごく楽しめましたし、外国の方が観ても普遍性のあるストーリーで入りやすく、心を掴まれる映画になっていると思います」と作品をアピールした。

そして、東映アニメーション時代の作品から、昨年公開の『バケモノの子』まで一挙に特集上映される細田監督は、上映作品群を見渡し「テレビ作品や短編もあるんですが、全て映画のようなつもりで作っていたような気持ちがします。村上隆さんとコラボしたルイヴィトンの全店舗内で上映されていた作品を、スクリーンで観られるというのも面白いと思います。アニメという技法を使うことによって、映画の世界で、アニメの世界で、今まで描かれていなかったことが描けるんじゃないかと思ってやってきました。そうしたチャレンジも観て下さるお客さんの応援があって可能になると感じています」と明かした。

なお、「映画監督 細田守の世界」では、是枝裕和監督や堤大介アニメーション監督らを迎え、細田監督がトークイベント開催することも決定している。

開催情報 2016年10月25日(火)〜11月3日(木・祝)、六本木ヒルズ、EXシアター六本木他都内の各劇場及び施設・ホール
公式サイト:http://www.tiff-jp.net

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