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チェン・カイコー監督が総製作費150億円をかけた日中共同製作映画「空海−KU-KAI−」製作報告会見(2016.10.28)

夢枕獏の中国歴史伝奇小説「沙門空海の国にて鬼と宴す」を原作とし、チェン・カイコー監督が構想5年、総製作費150億円をかけ、日中共同製作映画として手掛ける「空海−KU-KAI−」の製作報告会見が10月28日(金)に行われ、程永華 中華人民共和国駐日本国特命全権大使、萩生田光一 内閣官房副長官、(株)KADOKAWAの角川歴彦 取締役会長、東宝(株)の島谷能成 代表取締役社長、原作の夢枕獏氏、白玲役の松坂慶子が登壇。現在、中国で撮影中のチェン・カイコー監督、空海役の染谷将太、白楽天役のホアン・シュアンからはビデオレターが届いた。

唐の時代、日本から遣唐使としてやって来た若き僧侶・空海が、詩人・白楽天と共に首都・長安を揺るがす巨大な謎に迫る物語を、チェン・カイコー監督がスタッフ1000人を動員し、史上最大のスケールで描き出す。構想5年とあるが、実は8年前から監督とは日中合作映画について話し合っていたという角川会長は「中国の映画マーケットは今やアメリカと肩を並べるまでになっています。セットも見て回るのが大変なほどで、チェン・カイコー監督の美意識により素晴らしい大都が作りあげられました。監督が映画史に残る映画を作りたいという想いが、脚本作りの段階から伝わってきましたし、合作映画としてようやく発表できるということで、映画人としてこんなに嬉しいことはないです」と明かした。

KAODKAWAと共に配給を行う東宝の島谷社長は「一緒にやろうとお声がけいただき光栄です。日中の映画界、映画人の距離が、この作品を通じて大きく近づく一歩になると思っていますし、夢枕獏先生の不思議が込められた作品が、世界的マエストロであるチェン・カイコー監督の手で映画化されることにワクワクしています。中国での大規模公開とヒットは確実なので、日本でも負けないくらいのヒットとなるよう頑張っていきます」と力強く語った。日中政府も全面的に支援することから、程大使は「両国民の友好を深める素晴らしい映画になることを期待しています」とし、萩生田副長官も「国を越えるだけでなく、時代、世代を越えて伝わっていく作品になると思うので、完成が楽しみです」と期待を示した。

また、原作の夢枕獏氏は「1行目を書き始めてから17年かけて書き上げた小説が、こうして映画化されるとは思いもしませんでした。3日前まで中国の現場にいたのですが、素晴らしかったですよ。頭の中に描いていた場所にいると思うとドキドキしました。この映画が遣唐使船そのもののように、中国と日本の文化交流の役割を果たしてくれることを祈っています」とコメント。この日、キャストの一人として発表された松坂は「本来であれば監督や染谷さん、ホアンさんがご挨拶させていただくのですが、撮影も佳境ですので、私が出席させていただきました(笑)。憧れのチェン・カイコー監督の作品への出演は夢のようでした。4月1日のエイプリルフールにオファーをいただき、『夢なら覚めないで!』という気持ちでした」と笑顔で明かした。

監督からは「伝統的な美を身にまとう女性として演じて欲しい」と言われたということで「撮影の3日前に衣裳合わせをしたのですが、そこから2日間かけてスタッフと話しあって簪や帯など金の細工を施したりして手を加えていきました。大都のセットも生命力やパワー、美意識で溢れていました」と語り、中国語のセリフについては「空海との会話がメインではあったのですが、普段から私は抑揚のあるしゃべり方をしているようで、中国語に向いていると言われました(笑)。帰国した時にも、思わず税関で『謝謝(シェイシェイ)!』と言ってしまいました」と照れ笑いを浮かべた。

撮影現場からのビデオレターでチェン・カイコー監督は「6年かけて、この素晴らしいセットを作りあげました。優秀な俳優たちと共に映画作りができ、ようやく夢が叶います。この映画が、唐の時代に皆さんをお連れします」と語り、主演の染谷将太も「空海を演じられることの幸せを噛み締めていますし、監督をはじめ、ホアン・シュアンや中国の役者さんたちからも刺激を受けています。そしてこの素晴らしいセット。本当にでかくて、ワクワクします。早く皆さんのもとへ届けたいです。楽しみにしていてください」とアピールした。

公開情報 東宝/KADOKAWA配給「空海−KU-KAI−」は2018年公開

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