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「猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)」VFX担当者が来日!プレゼンテーション&スペシャルトークショー開催(2017.09.27)

「猿の惑星:創世記(ジェネシス)」、「猿の惑星:新世記(ライジング)」に続く最終章「猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)」でVFXスーパーバイザーを務めたWETAデジタルのダン・レモン氏が来日。9月26日(火)にプレゼンテーションを実施し、「シン・ゴジラ」の樋口真嗣監督、同じく「シン・ゴジラ」でVFXスーパーバイザー&編集を担当した佐藤敦紀氏を迎えてスペシャルトークショーも開催した。

高度な知能を得た猿と人類との全面戦争に突入した前作「新世紀」から2年、猿の群れを率いて森の奥深くに秘密の砦を築き上げたシーザーだったが、極悪非道な大佐の奇襲によって家族を殺され、悲しみのどん底に突き落とされる。復讐の旅に出たシーザーは、その道中で口のきけない人間の少女ノバと出逢う。

「アバター」や「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズに携わり、「ジャングルブック」でアカデミー賞視覚効果賞を受賞したレモン氏は、パフォーマンス・キャプチャーや猿のリアルな動きについて映像を見ながら解説。初登場となるキャラクター「バッド・エイプ」については、イメージ通りの猿の写真を探し出し、ディテールを作り込み、地元の動物園の協力も得て作りあげたとのこと。また、人間から猿へと変換させるためにはスキルと経験が必要とし、真に才能ある人たちのコラボレーションと尽力の賜物であると、500名以上のスタッフのクレジットを挙げ、功績を称えた。

樋口監督、佐藤氏を迎えての対談では、樋口監督が「1番驚いたのは、今回人間と猿が同一画面で演技をする場面が多かったこと。特に大佐役のウディ・ハレルソンとのシーンは、VFXに必要な計画性といったものを無視するであろう、型破りな演技というか、パフォーマンス・キャプチャーの俳優との共演は見どころのひとつだと思う」と語った。

また、「シーザー役のアンディ・サーキスも個性的だし表情も自然だし。CGを通すことによって、表情が良い形で浮き彫りになる。ずば抜けて凄い!」と感嘆。レモン氏も「アンディは優秀な役者で、役柄に信憑性をもたらしてくれるんです。すべてのキャラクターを演じ分けられる、七変化の役者です」と褒め称えた。

佐藤氏は「毛糸の帽子にはびっくりした。CGモデルで作るなんて信じられない!幾つかCGで作るタブーがあって、スパゲティや毛糸がそう。作ろうとするととんでもないことになるのでやめてくれとなる。よくやりましたね」と称賛。レモン氏は「あれは難しかったです。猿を完璧にしようとファー・システムも作り、それをニット帽の表現に使いました。毛並みの流し方を変えたり、微調整をしながら作り込んでいきました」と明かした。

新キャラクターのバッド・エイプについても佐藤氏は「今回ストーリーがシリアスで、主人公が追い込まれていく。アンディ演じるシーザーも眉間にシワをよせている表情ばかり。その中でバット・エイブがコメディリリーフとしてうまく成立していて、演じる役者も演技を付けるアニメーターも楽しそうにみえた」と絶賛。レモン氏も「凄く良かった。他の人に出来ないキャラクターだと思う」と満足の様子。

レモン氏は「大切なのは演技が伝わるかどうか。嘘っぽいものを見せられていると思わせないことが大事。全てにおいて大切で難しいと言えるのは、顔の表情ですね。また、映像を実現する際、どんなツールが必要かわからない時は、それを乗り越えなければならない。そんな時ほど燃えますよ」と闘志を見せた。なお、会場にはデジタル分野での活躍を志す学生たちも参加し、質疑応答も行われ、盛り上がりをみせた。

公開情報 20世紀FOX配給「猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)」は2017年10月13日(金)から公開
公式サイト:http://www.foxmovies-jp.com/saruwaku-g/

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