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第30回東京国際映画祭 Japan Now 部門で「光」を上映!河瀬直美監督記者会見(2017.10.03)

10月25日から開幕する「第30回東京国際映画祭」の「Japan Now」部門で、「光」が上映される河瀬直美監督が10月3日(火)に日本外国特派員協会で記者会見を行った。安藤紘平プログラミングアドバイザーは「これまでの監督特集に代わって『銀幕のミューズたち』と題し、今の日本映画を代表する安藤サクラ、蒼井優、満島ひかり、宮崎あおい、4人の女優にスポットを当て、そのターニングポイントとなった作品や代表作を上映します。また、今の日本映画のBEST7と言える7作品の内の1本である河瀬監督の『光』は、消えていくことの美学や映画表現の本質を描いていると言えます」と紹介した。

はじめに、久松猛朗フェスティバルディレクターは今年の映画祭について「30周年の記念すべき開催となり、より多彩で充実したプログラムとなっています。なかでもJapan Now部門は日本映画を紹介するという非常に重要なミッションを担っています。今年で3年目を迎える同部門ですが、正に日本の今を映し出す企画であり、河瀬監督の『光』をはじめ、賞レースを占うような作品が揃いました。是非ともお楽しみいただければと思います」と挨拶。

「Japan Now」部門は、過去1年の日本映画を振り返りつつ、海外にも“日本映画の現在”を認識して欲しいという想いが込められた部門。今年の「第70回カンヌ国際映画祭」でエキュメニカル賞を受賞した河瀬直美監督の「光」や、現在公開中の是枝裕和監督作「三度目の殺人」、大林宣彦監督の集大成とも言える「花筐/HANAGATAMI」など7作品の他、安藤プログラミングアドバイザーの話にもあったとおり、「Japan Now 銀幕のミューズたち」として8作品が上映される。

河瀬監督は、TIFFマスタークラスにも参加予定で、10月28日にスペシャルトークイベントを行うことになっており、「映画祭には多くの人が集まり混乱も生じますが、それは人生にも似ていて、映画作りも壁があるから乗り越えられる。様々な国の人々が自分たちの映画を持って一つの場に集まり、出会い、国に帰ってもまた戻ってくるという、地球を循環させる一つの要素だと感じています。そして映画を作るモチベーションにもなります。マスタークラスでは、生きていくことと映画を作ることは切り離せないものであると、具体例を出しながら話したいと思います」と明かした。

東京国際映画祭の印象について聞かれると、「手の届かない存在」と語り出し、「奈良に暮らしているので、東京はタダでさえ遠く、光が溢れている一方で、人が集まり出すと自分を持ち辛くなる場所でもあると感じています。でも、Japan Now部門に参加させていただき、上映プログラムを拝見し、少しずつ距離が近くなっているような気がします」と語り、この発言に対して安藤プログラミングアドバイザーは「世界の河瀬さんに、こちらも手が届かなかった(笑)。Japan Now部門を始めたことで、日本のベスト監督である河瀬さんや是枝さんと、やっと距離が近づいたと思っています」と返して、会場は笑いに包まれた。

なお、映画祭期間中は河瀬監督の登壇だけでなく、Japan Now部門の各作品監督やスペシャルゲストなども招いてQ&Aが行われる。

【Japan Now 部門上映作品&登壇ゲスト】
▽「美しい星」 ゲスト:吉田大八監督
▽「幼な子われらに生まれ」 ゲスト:調整中
▽「花筐/HANAGATAMI」 ゲスト:大林宣彦監督、常盤貴子
▽「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」 ゲスト:石井裕也監督
▽「三度目の殺人」 ゲスト:是枝裕和監督
▽「光」 ゲスト:河瀬直美監督
▽「夜は短し歩けよ乙女」 ゲスト:湯浅政明監督
《Japan Now 銀幕のミューズたち》
▽「家族はつらいよ2」 ゲスト:蒼井優
▽「花とアリス」 ゲスト:岩井俊二監督、蒼井優
▽「0.5ミリ」 ゲスト:安藤桃子監督、安藤サクラ
▽「かぞくのくに」 ゲスト:ヤン・ヨンヒ監督、安藤サクラ
▽「海辺の生と死」 ゲスト:越川道夫監督、満島ひかり
▽「愚行録」 ゲスト:石川慶監督、満島ひかり
▽「怒り」 ゲスト:李相日監督、宮崎あおい
▽「EUREKA」 ゲスト:青山真治監督、宮崎あおい

開催情報 2016年10月25日(水)〜11月3日(金・祝)、六本木ヒルズ、EXシアター六本木他で開催
公式サイト:http://www.tiff-jp.net

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