ハリウッドのメジャースタジオがオリジナルのミュージカル作品として23年ぶりに発表し、全米でもロングラン・ヒットを続けている｢グレイテスト・ショーマン｣主演のヒュー・ジャックマンと、アカデミー賞主題歌賞にもノミネートされている“This Is Me”を歌い、劇中でもパフォーマーとして人気を博すキアラ・セトルが来日し、2月14日（水）に記者会見を行った。ヒューは開口一番｢オハヨウゴザイマス！Happy Valentine’s Day！｣と元気に挨拶し、｢日本では女性から男性にチョコをあげる日みたいだけど、まだ貰ってないな｣とキアラをチラリと見やると、キアラも｢あげないわよ〜｣と息の合った掛け合いを見せた。

本作は、19世紀半ばのアメリカでショービジネスの原点を築いた伝説のプロモーター、P.T.バーナムが、妻への一途な愛を糧に夢を追いかけ、差別や偏見の中で立ち尽くしていたエンタテイナーたちにスターになれる場所を提供し、エポックメーキングなショーを創造していくサクセス・ストーリー。｢ラ・ラ・ランド｣で昨年のアカデミー賞主題歌賞を受賞し、ブロードウェイ・ミュージカル｢ディア・エヴァン・ハンセン｣でトニー賞オリジナル楽曲賞も受賞した注目のコンビ、ベンジ・パセック＆ジャスティン・ポールが音楽を手掛け、監督は本作が長編デビューとなるマイケル・グレイシーが務めている。

ヒューは｢今日、帰国するんだけど、ニューヨークに着いたら、まだ14日なので、妻にチョコレートをあげようと思うよ｣と映画の主人公同様、しっかり愛妻家ぶりをアピール。共演したザック・エフロンとはプライベートでも仲が良いそうで、｢後継者にしようと思っているのか？｣と聞かれると、｢そうだね！ザックならウルヴァリン役も継いでくれるだろうし（笑）。彼は4年前に出演を決めてくれて、キアラも参加した4つのワークショップにも参加していたから、撮影の頃にはみんな家族のようになっていたよ。真のチームワークというかアンサンブルが完成して、映画の成功もみんなで共有することができたんだ｣と語った。

キアラは、登美丘高校ダンス部が“This Is Me”とコラボレーションした動画を最初に観たそうで、｢直ぐにSNSで拡散したくなっちゃったんだけど、何回か堪能してからヒューやレコード会社のプロデューサーやチームのみんなに見せたら、誰もが涙を流していたわ。私の人生を変えるほどの素晴らしいダンスだった！｣と称賛。ヒューも｢高校生たちに会うことは叶わなかったんだけど、昨夜、振り付け師の方に会えて感動したよ。全米で公開されてから、ファンによるダンス動画を沢山目にするのだけど、それだけ多くの人の心をつかんで、繋げた作品なんだと思う。登美丘高校のダンスはNo.1だったね！｣と絶賛した。

全米での大ヒットの要因についてヒューは｢ミュージカルだから音楽があってこそだし、音楽に恋する作品だったからだと思う。ベンジとジャスティンはこの作品の後に『ラ・ラ・ランド』に関わって、ブロードウェイでもトニー賞を取った才能あるコンビで、本当にメロディが美しく、歌詞も心に響くんだ。サントラを買って、映画を何度も観て下さっている方もいるみたいだし、自分を信じ、夢を持って未来を明るく生きていく、人生を祝福するような映画なので、日本の皆さんの心にも届く作品になると思っているよ｣とコメント。

主題歌を歌う大役を射止めたキアラは｢逃げ出したい気持ちになったけど、ヒューは“君が歌うんだ”と言って、手を握ってくれたの。音楽はどんな言葉よりも雄弁で、自分が信じ、正しいと思うことに前進する力を与えてくれるし、正しくないと思うことと闘う力もくれる。たとえ倒れたとしても、また起き上ればいいと感じさせてくれるの｣と語りながら感極まって涙を流した。そんなキアラの肩を優しくさすったヒューは｢“Keala Settle”“This Is Me”“Workshop”でググってみて欲しいんだけど、初めてこの曲を彼女が歌った瞬間は、僕にとっても今までで一番感動的な演劇体験だったよ｣と明かした。

この言葉を受け、キアラも｢ヒューは私も気付かなかったポテンシャルを引き出してくれる人だけど、彼のせいでこの曲について、もがいたりあがいたりすることになっちゃったのよ！でも兄のようであり、尊敬する人であり、彼のようになりたいと思える人。一人でコツコツとダンスの練習を積み重ね、自分を磨きあげる姿に触発されたし、真の意味でのアーティストだわ。もうこんなこと言わないからね！｣と照れくさそうに想いをぶちまけた。最後にヒューは｢7年以上を掛け、心を込めて作った誇りに感じる作品です。必ず映画を観たら、歌いたくなるし、踊りたくなるし、心の底から笑顔になると思います。人生を肯定し祝福しているこの映画を楽しんで！｣と締めくくった。