ニュース

新進気鋭の石田祐康監督、蒼井優もそのキャラクターを絶賛!「ペンギン・ハイウェイ」製作発表会見(2018.03.01)

「夜は短し歩けよ乙女」などのベストセラー作家・森見登美彦が、少年のひと夏の成長を独特の世界観で描き、多くのファンに支持され続けている「ペンギン・ハイウェイ」のアニメーション映画化が決定し、製作発表会見が3月1日(木)に行われた。主人公である小学4年生の“アオヤマ君”役をオーディションで勝ち取った北香那、いたずらっぽい明るい一面とミステリアスな雰囲気を併せ持つ“お姉さん”役の蒼井優、気鋭のアニメーションスタジオ「スタジオコロリド」の石田祐康監督、そして原作者の森見登美彦氏が登壇した。

少し生意気な小学4年生、“アオヤマ君”が遭遇するひと夏の“少し不思議”な体験を描き出す本作は、その力量と将来性が高く評価され、各方面からコラボレーションオファーの絶えない「スタジオコロリド」が制作を担当。フルデジタルアニメーションながらも繊細かつ温かみのある表現で、原作の爽やかなテイストはそのままに、よりスケールアップした感動を届ける。また、脚本は「四畳半神話大系」など森見作品の映像化を数々手掛け、昨年「第61回岸田國士戯曲賞」を受賞した上田誠(ヨーロッパ企画)が担当している。

自主制作した「フミコの告白」で第14回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞を受賞するなど注目を集める弱冠29歳の石田監督は、本作で長編デビューを果たしており、「ぺいぺいでこれから頑張っていかなければならない僕が、こんな晴れ晴れしい舞台で作品を発表することができ、嬉しく思います。バリバリ緊張してます・・・今日は頑張ります」とド緊張の様子。森見氏も「僕も緊張していますが、監督はそれを上回る緊張ぶりで助かります」と挨拶し、蒼井は「『ペンギン・ハイウェイ』よりも監督のキャラクターに注目が集まりそう!」とその独特のキャラクターを評価した。

声優初挑戦にして初主演を務める北は「声でお仕事するのが夢でもあったので、オーディションにはドキドキして向かいました。緊張したけど、おうちでどう喋ろうかと考えていたことがパッと出せました」と大物ぶりを発揮し、監督はその時の北の様子を「今の僕に負けず劣らず緊張していましたが、一生懸命、アオヤマ君になってくれて、北さんにしよう!と思いました」と語り、北も「決まったと聞いた時は、感極まって泣いてしまいました」と明かすと、「泣くまでだったとは!こちらとしてもありがとう」と監督も嬉しそうに感謝した。

作品について北は「やわらかくて可愛らしいアニメではありますが、生きているとは何かを考えさせられる内容になっています。アオヤマ君みたいな小学4年生がいたら凄いと思うし、私も忘れられないような体験を小学生の時にしてみたかった」と語り、蒼井は「映像を観て想像していた話と違う方にどんどん進んでいきました。すごく遠い記憶で、キラキラしていたものを思い出させてもらえるような作品で、ペンギンも出て来るので小さいお子さんに楽しんでいただけると思うし、お母さん世代も楽しめて、特にお父さんたちに観ていただきたいなと感じました」とアピール。

森見氏は2010年に発表した「ペンギン・ハイウェイ」を“特別な小説”と明かし、「子ども時代を舞台にした作品は、自分の根っこにある世界を書くことになるので特別です。監督や皆さんがその世界に命を吹き込んで下さり、大変ありがたく光栄なこと」と語りつつ、映像化には抵抗もあったそうで、「変なことになって欲しくないと心配はしましたが、監督の原作に対する熱意を感じ、絵コンテを見せていただき、大丈夫だろうと確信しました。素敵な作品になりそうで楽しみです」とエールを送り、監督もすかさず「期待に応えられるよう全力で頑張ります!」と意気込んだ。

さらに監督は「改めて映像を観て、北さんと蒼井さんの声がめっちゃ好きで、よくここまでハマってくれたと幸せな気持ちです。北さんは初めてとは思えないくらい上手かったし、絵を作っている僕にも見えなかったアオヤマ君の一面を見せてくれました。蒼井さんは作品を色々観させていただいて、お姉さん役をお願いしたいと思っていました。自分の気持ちがアオヤマ君に入り込み過ぎて、蒼井さんがお姉さんにしか見えないし、着いて行きたくなってしまう心境です!」と口早に気持ちを伝えた。

また、森見氏は「私としてはこの映画をきっかけに本がさらに売れてくれたら嬉しい。ちょうど『四畳半神話大系』がアニメ化された時に発表した作品で、あまりにもタイプが違ったので、本を通り過ぎてしまった読者がいるかもしれないので、このチャンスを活かしたい」と野望をのぞかせた。最後の挨拶を促された監督は逡巡しながらも「昨日は大雨と風の音と緊張で眠れなかったんですが、一夜明けたら晴天で、この作品も雨上がりのような気持のいい作品として皆さんに届けたいと思っていたことを思い出しました!何卒よろしくお願いいたします!」と話をまとめ、あたたかい拍手に包まれた。

(C)2018 森見登美彦・KADOKAWA/「ペンギン・ハイウェイ」製作委員会

公開情報 東宝映像事業部配給「ペンギン・ハイウェイ」は2018年8月全国公開

バックナンバー

ページのトップへ