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見たことのない二宮和也の姿が見られる!?「浅田家!」完成報告会(2020.09.15)

「湯を沸かすほどの熱い愛」で映画賞を総なめにした中野量太監督最新作「浅田家!」の完成報告会が9月14日(月)に行われ、中野監督をはじめ、主演の二宮和也、共演の妻夫木聡、風吹ジュン、平田満、黒木華、菅田将暉、原案の浅田政志氏が登壇した。無茶で自由奔放ながらどこか許せてしまう人間性溢れる実在の人物に初挑戦した二宮は「楽しくなったり、泣けたり、心が温かくなる作品ができました!」と自信を見せた。

父、母、兄、自分の4人家族を被写体に、“家族がなりたかったもの”“家族がやってみたかったこと”をテーマに様々なシチュエーションでコスプレして撮影し、ユニークな「家族写真」を世に送り出した写真家・浅田政志による2冊の写真集を原案とした、笑いと涙の感動の実話。中野監督は「企画から4、5年経っていて、映画って長い旅のようだなと思いました。現場では我を忘れていますが、映画を撮っていない時は凡人なので、本当にこのキャストで撮ったのかな?と、今ドキドキしている感じが嬉しいです」とコメント。

二宮も「いろんな作品で見ている方たちと『よーいスタート!』でお芝居できて、皆で同じ方向に向かっていけたのは贅沢な時間でした。中野監督の温かい演出で、楽しく出来ました」と明かし、政志の優しい兄・幸宏を演じた妻夫木は二宮について「感受性が豊かなんだろうなと思っていましたが、画面の中で自由に羽ばたいていて、瞬発力が凄い。政志さんが憑依していました」と語るも、「熱心に携帯をいじっていると思ったら、パズドラをやってて、プロ級の腕前でした。CMでもそのまんまの動きでしたね」と言って笑った。

写真洗浄のボランティアで政志が出会う東北の大学院生・小野を演じた菅田は「緊張していたんですが、二宮さんと目が合った瞬間リラックス出来ました。癒されるというか、温かさに包まれたような感じで、刺青もカッコ良かったし、髭もナチュラルでした!」と絶賛。これを受け二宮は「ありがとう!もの凄い時間をかけないとあんなに(髭が)生えないので、自分としても新鮮でした!」と新たな姿を期待させた。

会見にもカメラを携えて参加した原案の浅田氏は、自分の家族の物語が映画化されたことについて「全然信じられなかったし、家族の反応も『ウソだろ!』と、本当に不思議で一生に一度しかないことでした。今は家族9人なんですが、僕の子供も含め3世代で並んで一緒にこの作品を観たのも良い経験だったし、父も母も号泣していました。父は脳梗塞で倒れたんですが、映画の中ではそれ以前の父を平田さんが演じているので、『動いてる!』と感動しました」と興奮気味に明かした。

二宮は撮影前に浅田家の人々と対面したそうで、「ご家族の空気感に触れられて大満足でした。子供って父親か母親かどっちか好きの割合が大きかったりすると思うんですが、浅田さんはどちらも等分というか、お兄さんにも同じく愛情があって、珍しいなと思って。それを裏テーマで演じようと思いました」と明かし、妻夫木も「お兄さんの幸宏さんも、自分より誰かの幸せを願うような人だと感じて、心から政志さんを応援していると感じました」と分析。

中野監督は「幸宏さんが写真を撮る時の交渉をされたりしていて、『恥ずかしいけれど、両親が喜ぶ顔がみたいから』と、この言葉を聞いて浅田家が見えました」とコメント。政志の幼なじみ・若奈を演じた黒木も「やっぱりこの家族の絆の強さに惹かれたし、この中に入りたいと思いました。家族に支えられ、愛される中で、政志さんが熱量を持って突き進んでいくのを見て、この人の背中を押し続けていきたいと思える人物でした」と明かした。

写真洗浄のボランティアという形で東日本大震災が描かれることについて中野監督は「3.11の時は『クリエイターとして何か表現しないと』と思いつつも、希望を持って突き進む作品を作る僕としては、どう表現するべきかわかりませんでした。でも、浅田家を通してなら、やっと描けると感じました。知らないことを伝えるのも映画の役割だと思っていて、写真洗浄をエンタメとして伝えたいという強い思いがありました。政志さんの『誰かのために何かしたい。人のために涙を流す』という部分をきちんとやりたかった」と述べた。

最後に二宮は「(コロナ禍で)公開を待っている作品がいっぱいある中でも、10月2日に公開できるのは、恵まれていると感じています。これを機にと言ったら大げさかもしれませんが、まずこの映画を観ていただいて、これから公開される映画もよろしくお願いします」と公開延期などが決まっている映画たちにもエールを贈った。

公開情報 東宝配給「浅田家!」は2020年10月2日(金)全国東宝系公開
公式サイト:https://asadake.jp/

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