ニュース

菅野美穂が子育て中のトホホなエピソードを告白!「明日の食卓」完成報告会(2021.05.05)

「第42回講談社児童文学新人賞」を受賞した「十二歳」で作家デビューし、数々の受賞歴がある椰月美智子による同名小説を瀬々敬久監督が映画化した「明日の食卓」の完成報告会が5月5日(水)に行われ、3組の親子を演じた菅野美穂、高畑充希、尾野真千子、柴崎楓雅、外川燎、阿久津慶人、そして瀬々敬久監督が登壇した。

住む場所も家庭環境も違うが、同じ“ユウ”という名前の小学5年生の息子を育てる“石橋家”3人の母たち。それぞれが息子を育てながら忙しく幸せな日々を送っていたが、些細なことがきっかけで徐々にその生活が崩れていく。子を持つ親なら誰もが直面する社会問題を、観る者に共感と問題意識を喚起しながら、ラストには希望の光を与える第一級のエンタテインメントとして仕上げた瀬々監督は「どのお母さんが子供を虐待して殺してしまうかは言いませんが、どんな家族にも起こり得ると思える原作の素晴らしさがありました」とコメント。

さらに「椰月さんは普段は児童文学を書かれているので、ユーモアの部分もちゃんとあって、段々と緊張感を帯びていく物語が魅力。タイトルも明日はどんな食事が出てくるのか?と希望を含ませているので、壊れそうな状況でも前向きになることが重要だと思った。3人には母親役を体当たりで演じていただき、感謝している」と述べた。フリーライターで2人の息子を育てる石橋留美子役を演じた菅野は10年ぶりの映画主演となり、「私もこの10年の間に子供が産まれて、世の中のお母さんはみんな自分と重ねることが出来る役だと感じました」と述懐。

コロナ禍になる前にオファーを受けていたということで、「自分も子供に向き合う時間が多くなって、そんな中での撮影だったので運命的な出逢いだと思いました。子供を怒らなければならない時の背筋がゾクゾクするような怒りとか、自分と役を切り離して考えられなくて。でもカメラの前になると、その感情がポンと遠くへ行ってしまうこともあって。それでも経験を活かせているのではないかと思っています。高畑さんも、尾野さんも、素晴らしかったです。おつかれさまでした!」と労いのコメント。

若くして母となったシングルマザーの石橋加奈役を演じた高畑は「大阪の町工場で働いている設定で、私も東大阪で育って、シングルマザーの方たちを間近で見ていたので、土地感や空気感がリンクして助けられました」と明かし、年下の夫と優等生の息子に囲まれた専業主婦の石橋あすみ役を演じた尾野は「現実のお母さんはもっと辛いことがあるだろうなと、経験していないことばかりだったので、予行練習のような、自分にも起こるかもしれないと思いながら楽しんで演じました」と笑顔。

子役たちからも撮影時の“母”たちとの関係性が明かされ、外川は「留美子さんはいつも怒ってばかりの怖いお母さんでしたが、撮影が終わると明るく話しかけて下さって、とても優しかったです」と模範回答。思わず菅野も「なんか言わされているみたいになっちゃった(笑)。でも、怒りをぶつけるシーンで力が入ってしまうことがあって、痛かったと思う。げんこつのシーンも本当に入ちゃって、『えっ!』って感じで目がウルウルしていたし、本当に悪かったね〜」と平謝り。外川も「はい。痛かったです」と正直に明かした。

また、阿久津は「関西弁はド素人だったんですが、高畑さんが『一緒に練習してみる?』って言ってくれて、安心して演じられました。オカンとのケンカシーンも、最初は遠慮していたら『私を殺す気できて』と言われて、やりやすくなったので、優しい人だなと思いました」と明かし、柴崎は「僕の役は二面性があって難しかったんですが、最初のスチール撮影の時に尾野さんと、お父さん役の大東(駿介)さんが全力で遊んでくれて、現場では毎日楽しく最後まで撮影ができました」とコメント。

実際に二児の子育て中の菅野は「命を育むことは大変なことなのに、誰も褒めてくれない。もちろん子供たちがいたからこその出会いとかもあるんですが、原作に『子供が生まれて良かったことと悪かったこと、どちらが多いかと聞かれたら、悪かったことの方が多い』と書かれていて、すごく共感してしまったことが再発見でした。一昨日も、洗い物で目を離したすきに、ダイニングテーブルをボンドで真っ白にされて・・・手の届く所に置いた自分が悪いと思いながらも、世界で自分が一番不幸だと思ってしまいました」と苦労を明かした。

最後に瀬々監督は「上手くいかなくなってしまった時に、『さぁ、どうしようか?』という映画。お母さんだけでなく、ふがいない男性にも観て欲しいし、かつて子供だった人たちの心を揺るがす映画になっています」と自信を覗かせ、菅野も「日常の中に句読点を打てるような映画なので、お母さんたちが旦那さんを誘って映画館に観に行っていただけたら嬉しいです」と締めくくった。

公開情報 KADOKAWA/WOWOW配給「明日の食卓」は2021年5月28日(金)全国公開
公式サイト:https://movies.kadokawa.co.jp/ashitanoshokutaku/

バックナンバー

ページのトップへ