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「映画館で観たいと思える作品に!」新海誠監督最新作「すずめの戸締まり」製作発表会見(2021.12.16)

2016年の「君の名は。」、2019年の「天気の子」に続く新海誠監督最新作「すずめの戸締まり」の製作発表会見が12月15日(水)に行われ、新海監督と共に歴代ヒロインの上白石萌音、森七菜も駆けつけた。新海監督はベールに包まれている新作のキーワードを、(1)日本各地を巡るロードムービー、(2)扉を開くのではなく、閉じていく物語、(3)映画館に足を運ぶ理由となる作品、と3点挙げ、一足先にVコンテ(動画の絵コンテ)を観たという上白石と森は作品への期待感などについて語った。

日本各地の廃墟を舞台に、災いの元となる“扉”を閉めていく少女・鈴芽(すずめ)の開放と成長を描く物語ということで、新海監督は前述のキーワードに触れ、「各地に舞台挨拶に行くと、『次は私の町を舞台にして』と言われることが多くて、ロードムービーにすれば各地の魅力や人々との出会いを欲張りに描けると思いました。それと、どんなこともそうですが、始まりより終わらせることの方が難しい。映画作りや恋愛なども。今、描きたいのは可能性を広げるより、散らかった可能性をあるべき手段で閉じていき、本当の新しい場所を見つけるということでした」とコメント。

さらに、3つ目のキーワードについては、「最近は配信が全盛で、僕自身も寝る前の楽しみにしてはいるのですが、やっぱり映画館は人間の持つ驚くべき能力を発揮させてくれる場所だと思っています。感情移入することや、物語に没入することは、もちろん家でも出来ますが、映画館の暗闇で、集中して大きなスクリーンで観るからこそ発揮される、そういう絵作りや音作りを目指しています。『すずめ』があるから映画館に行こう!と思ってもらえるような作品にしたいです」と熱い思いを明かした。

ゲストとして来場した上白石は、「きっと私がここに居るのを見て、神木(隆之介)さんは悔しがっていると思います」と言って笑い、Vコンテを観た感想について「一瞬で圧倒されました。新海イズムを保ちつつも、新たな扉を開けられたと感じてゾクゾクしました」とし、森も「自分でもよく分からない鳥肌が立って、いい意味で気持ちが悪かったです。声を入れたらどうなっちゃうんだろう!?と思いました」と語り、監督も「外ならぬ二人から『良かった』と聞けて安心しています」と胸をなでおろした。

ヒロインの選定はこれからということだが、「どんな風に探していこうか、僕はオーディションを受けたことが無いので、二人にアドバイスを貰いながら出来たらと思っています」とし、森は「私はヒロインに力強さを感じました。監督がどういう女の子であって欲しいのかによると思います」と応え、監督も「アクションシーンも多いので、オーディションを通して、もっとすずめのことが分かるのではないかと期待しています」と語った。すると上白石は「さっき七菜ちゃんと『オーディション受けない?』って話していたんです」とニンマリ。

監督は「お二人が来たらパニックになります!」と慌て、「声を聞いて『この人だ!』という、ある種の確信はあるので、お二人のオーディションの時もそうでした」と明かした。また、これまでの作品と関連性はあるのか聞かれると、「『アベンジャーズ』的なことを期待されているかもしれませんが、それは無いです」とし、コロナ禍を連想させる部分はあるのかについては「作っている最中の願いのようなものは込めています。ロードムービーなので、本来なら各地に行って書きたかったんですが、映画が完成した時には『こうなっていたらいいな』という渇望みたいなものはあります」と明かした。

上白石は「今も不安定な世の中で、どんなに幸せでも明日どうなるかわからない。でも明るい明日を信じられる、前向きなお話でとっても勇気をもらいました。『天気の子』を観た後には『もうすぐ晴れるよ』を真似して言っていたんですが(笑)、これからは朝、鍵を閉めて出かける時に、(この作品を)真似したい。そんな日常のお守りになる作品だと思います」とコメント。最後に監督は「現在、鋭意制作中です。アニメは総合力なので、希みを持ったスタッフたちと他では作れない作品を作っていると思っているので、秋には沢山の方々に観ていただけることを願っています」と締めくくった。

公開情報 東宝配給「すずめの戸締まり」は2022年秋全国公開
公式サイト:https://suzume-tojimari-movie.jp/

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