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プロデューサーも務めた主演の大沢たかおがドキドキワクワク!「沈黙の艦隊」完成報告会見(2023.08.24)

かわぐちかいじの大ヒットコミックを映画化した「沈黙の艦隊」の完成報告会見が8月24日(木)に行われ、主演の大沢たかおをはじめ、玉木宏、ユースケ・サンタマリア、中村蒼、中村倫也、水川あさみ、夏川結衣、江口洋介らキャストと、原作者のかわぐちかいじ氏、製作を手掛けたAmazonスタジオのダナエ・コキノス氏、そして吉野耕平監督が登壇した。プロデューサーも務めた大沢は「核のタブーにも切り込んだ実現が難しい作品を、時間をかけて取り組んできました。今日、やっと皆さんに観ていただけるので、ドキドキワクワクしています」とこの後の完成披露試写会に期待を込めた。

原作は、1988年から1996年まで講談社「モーニング」で連載され、累計発行部数3200万部(紙・電子)を突破した同名コミック。日本の近海で海上自衛隊の潜水艦が沈没し、艦長の海江田四郎を含む全76名が死亡するが、実際は日米政府が極秘に建造した高性能原潜"シーバット"に彼らを乗務させるための偽装工作だった。しかし、艦長に任命された海江田は、核ミサイルを積載して突如反乱逃亡。自身を国家元首とする独立戦闘国家「やまと」を全世界へ宣言するのだった。

日本の劇場版映画では初となるAmazonスタジオが製作を担当しており、完成を祝いにシアトルから駆け付けたというコキノス氏は「才能溢れるクリエイターたちと、防衛省、海上自衛隊に感謝したい。皆さんの協力のお陰で、これだけスケールの大きい作品ができました」と喜びを語った。吉野監督は「窓が一つもない特殊な世界でのスリリングな物語と地上での攻防を、どう脚本化するか悩みました。キャストの熱いエネルギーとスタッフの力が公開に結びつけてくれたので、多くの人に楽しんで欲しい」とコメント。

かわぐち氏は「漫画でもそうですが、人間が生きていないと嘘八百になってしまう。一足先に観させてもらって、海江田艦長が生きていると感じたし、彼に引っ張られて周りもイキイキとしていた。本物の潜水艦も登場するので、その圧力を画面からもヒシヒシと感じたし、漫画では余計な枝派が散らばっているが、それらを削ぎ落してビシッと焦点を合わせて演出している監督の力にも感動した。原作の面白さを再確認させて下さり、ありがとうございます」と絶賛しつつ感謝を述べた。

大沢は「僕が演じる海江田は事件を起こすだけで、周りのみんなの成長を描いているのが見所」と語り、大沢演じる海江田と共にシーバットに乗り組む副長・山中を演じた中村蒼は「海江田の凄みに魅了されて、相当な覚悟を持って乗る役。大沢さんが自然と存在感を放って下さったので、背中を見て、少しでも近づきたいと思って演じていた」と明かした。

シーバットを追いかける海自のディーゼル潜水艦"たつなみ"の艦長・深町を演じた玉木は「台本で読んだ以上に、非常に素晴らしい作品に仕上がった。かわぐち先生の原作は、今読んでも色あせていないが、今だから出来ることをしようと撮影に臨みました」と語り、たつなみの副長・速水を演じた水川は「原作では男性ですが、深町の右腕としての覚悟や葛藤をしっかりと感じて演じることで、女性にも観ていただけるような目線を作れたらと思いました」と語った。

また、たつなみのソナーマン・南波役のユースケは「予告を初めて観て、自分が一切映っていないのでビックリ!シーバットのソナーマンばかり出てきて有能そうだし。たつなみには女性2名が乗っていて、『女は海』とはよく言ったもんで、現場は緊張感もあったけれど、彼女たちがいてくれて良かった」と言って笑った。また、物語のキーパーソンとなる海自の潜水隊員・入江役の中村倫也は、吉野監督とは3度目のタッグとなり、「こんなに正面から説得力や重さ、圧力を出せるのは凄いことだなと思ったし、トリハダが立った」と称えた。

内閣官房長官・海原役の江口は「僕は最後の方の撮影だったので、海の世界の映像を見せていただいて、自分の立ち位置が確認できました。国民の揺れ動く目線に立って、これから起こり得るテロと戦う男を監督と共に作りあげました」と明かし、防衛大臣・曽根崎役の夏川は「閣僚役は初めてで、説得力が欠けるのでは?どうしたものかと迷ったのですが、こんな役はそうそう来ないと思いました。監督からは総理や他の政治家との距離など細かく説明していただいて、この監督となら作り上げられると感じました」と安心した様子。

大沢は「撮影当時は起こるとは思っていなかったロシア・ウクライナの侵攻があり、複雑な思いの中、完成しましたが、このタイミングを狙った訳ではありません。原作から30年を越え、今観ていただく作品として議論を巻き起こす問題作になると思います」と力強くアピールした。

公開情報 東宝配給「沈黙の艦隊」は2023年9月29日(金)全国公開
公式サイト:https://silent-service.jp/

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