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三谷幸喜監督・脚本×長澤まさみ主演!「スオミの話をしよう」製作報告会(2023.12.13)

国民的脚本家・演出家・映画監督として沢山の笑いと感動を届けてきた三谷幸喜が監督・脚本を務め、主演に長澤まさみを迎える最新作「スオミの話をしよう」の製作報告会が12月13日(水)に行われた。監督作品としては興収36.4億円を記録した「記憶にございません!」以来5年ぶり、9本目となる新作について三谷監督は「コメディだとかミステリーだとか恋愛ものだとか、作った側が言うのは違う気がしていて、お客さんが観て判断することだと思うんですね。それを踏まえた上で、僕の新作が一体どういう作品なのかお話するんですが、5つの顔があります。それをご説明したいと思います」と語り始めた。

「まず『スオミの話をしよう』はミステリーです!」と突然かまし、会場からはクスクスと笑いが。「大富豪がいて、その奥さんのスオミが突然いなくなっちゃうんです。これが誘拐事件なのか、単なる家出なのかわからない。大富豪は大事にしたくないので、知り合いの警察官に極秘で捜査を頼みます。それがこの物語の発端となっています。日本映画で誘拐というと黒澤明監督の『天国と地獄』がありますが、それを目指そうかなと思っています。ちょっと大きく言ってしまいました。」

「2つ目の顔はコメディです。僕はずっと笑いの世界にいて、皆さんに笑ってもらうことを大前提として作品を作っています。スオミがいなくなって、大富豪の所にスオミがかつて結婚していた4人の男性が集まってきます。今の旦那さんを含め5人のスオミを愛する男たちが集結する物語です。極秘にお願いした警察官も、スオミの前の旦那さんです。5人の男たちは誰が一番スオミを愛していたかマウントを取り始めます。5人の夫はキャラクターも多彩ですし、出演してくれた俳優さんも素晴らしい方ばかりです。」

「本当はここで言いたいんですが、あまり僕の作品に出てこなかった俳優さんたちに集まってもらっています。出ていない俳優については言っていいですか?佐藤浩市も中井貴一も西田敏行さんも出ていないです。だいぶこれで狭まったかと思います。3つ目の顔は、僕の作品では珍しいんですが恋愛映画です。5人の男たちは自分とスオミの思い出を語って、いろんな愛の形が見えてきます。パートナーがいる方もいない方も必ず楽しんでいただける、学べる作品になっているんじゃないかと思います。デートムービーになっております。」

「4番目は一番大事で、長澤まさみ作品です。僕は長澤さんが大好きで、舞台もドラマも出ていただいて、大河ではナレーションをやっていただきました。今の日本映画界で最も力があって輝いている女優さんだと思います。現在の長澤さんの一番素敵な部分、コメディエンヌとしての輝きも含めて、彼女の魅力をスクリーンに収めたかった。ですので、これは長澤まさみムービーです。ファンの方は『こんな長澤さんが見たかったんだ』ときっと思ってくれると思います」と言って、「この部分は大きく取り上げて下さい」と念押しした。

「5つ目は三谷幸喜作品でもあります。毎回、試行錯誤を繰り返していますが、今回は手応えがあります。まだ編集の途中なんですが、面白い作品になっていると思います。今までどおりカンヌとかヴェネチアには全く縁のない作品ですが、今の日本のお客さんには必ず楽しんでもらえる作品になっていると思います。数少ない完全オリジナル映画の1本として、来年の日本映画界にちょっとでも貢献できるといいなと思います」と一気に作品について説明した。

また、主人公の名前である"スオミ"とは、フィンランド語で"フィンランド"そのものを表す言葉だが、「フィンランドは関係ないです。ちょこっとだけ映画にも出ますが、とってつけたようなものです」と明かし、映画を作る理由について「自分のバックボーンは舞台で、年に1、2本手掛けてますが、ロングラン上演をしても、沢山の人に観てもらうという点では映画に敵わない。良い形で残れば、100年、200年後にも楽しんでもらえるので」と映画への思いを語った。

また、長澤まさみの魅力について「はっちゃけたイメージがありますが、凄く繊細なお芝居をされる。今回も5人の男たちが持つスオミの印象は違うけれど、1人の人間だと思える難しい役でした。ちょっと歌うし、踊るし、アクションも・・・長澤まさみの全てがこの作品の中にあると言っても過言ではないです!」と語気を強めてアピールした。

公開情報 東宝配給「スオミの話をしよう」は2024年9月13日(金)全国公開

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