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ニューヨークでオールロケを敢行!「Dear Stranger/ディア・ストレンジャー」完成報告会見(2025.08.05)

日本・台湾・米国合作によるヒューマンサスペンス「Dear Stranger/ディア・ストレンジャー」の完成報告会見が8月5日(火)に行われ、主人公の夫婦を演じた西島秀俊、グイ・ルンメイ、6年ぶりにメガホンをとった真利子哲也監督が登壇した。西島演じる主人公が廃墟の研究家であり、夫婦が出会う場所も廃墟ということから、先月末に閉館し、廃墟と化した丸の内TOEIで会見は行われ、ポスタービジュアルでも存在感を見せる巨大なパペットも登場して、物語の雰囲気を醸し出した。

ニューヨークで暮らす日本人の賢治と台湾系アメリカ人の妻ジェーンは、仕事や育児、介護と日常に追われ、余裕のない日々を過ごしていた。ある日、幼い息子が誘拐され、殺人事件へと発展する。悲劇に翻弄される中で、口に出さずにいた互いの本音や秘密が露呈し、夫婦間の溝が深まっていく。本作は、多国籍のスタッフが集結し、2024年11月から12月末までオールNYロケを敢行し、ブルックリンを中心にチャイナタウンやハーレムなどリアルなNYの日常を映し出している。

真利子監督は2人の起用について、「西島さんは好きな役者さんでしたし、ボロボロになる姿が似合う人だと思っていました。映画に対する愛も強くて、信頼できる俳優さんだと感じました。ルンメイさんも、いち映画ファンとして出演作品は観ていて、女優として繊細な表現ができる人だと思ったし、強さも持っていると感じたので是非お願いしたいと思いました。全てに献身的で、自分を空っぽにして挑んでくれる凄い女優さんだと感じました」とベタ褒め。

西島は「力強い作品が完成しました。元々、真利子監督のファンだったので、ご一緒したいと思っていました。文化の衝突や家族関係の難しさなど、今まさに皆さんもぶつかっているであろうテーマが沢山描かれています。自分自身もそういう問題に向き合っていきたいと思いました」と語り、ルンメイは「真利子監督からオファーをいただき本当に光栄でしたし、素晴らしい耳を持った監督だと思いました。というのも、私たちが英語で台詞を喋っていてもトーンで察知して、私が発する情感を感じとってくださり、演技を引き出して下さるのは独特だと感じました」と明かした。

初共演でルンメイと夫婦役を演じたことについて西島は「アジアを代表する俳優さんですし、こんなにナチュラルに演技をする人がいるんだと感動しました。集中力も全く途切れないですし、自分にとってどういう俳優が理想なのかを改めて見つめ直す機会を与えてくれました」と称賛すると、ルンメイは「オー、アリガトウ!」とはにかみ、「私も西島さんのファンでしたし、沢山の作品を観てきました。一緒にお仕事をして、見た目は落ち着いているようでも、心の中はエネルギーが溢れていて、そのエネルギーを受けて自分も自由に演じられればと思いました」とコメント。

ニューヨークでの撮影について西島は「雪が降っているシーンは本当に降っていて、物凄く寒かったです。監督が選んだロケーションは、皆さんが想像するようなニューヨークとは違い、廃墟であったり、古いチャイナタウンだったり、人がかつて生きていて、忘れさられていくような場所で印象深かったです」と明かし、ルンメイは「ニューヨークは何でも受け入れる場所だけれど、一人一人は孤独。私たちが演じた夫婦も一生懸命だし、愛情があったから結ばれたはずなのだけど、心のコミュニケーションが取れなくなってきて、それでも前を向こうとする姿がニューヨークにぴったりだと感じました」と明かした。

最後に監督は「観る人によって色んな印象を持ってもらえる映画だと思うので、誰かと一緒に語り合ってもらいたい。自分でもラストシークエンスは興奮するくらいだったので、是非観ていただけたら」とし、西島は「過去にとらわれて抜け出せない人や、やりたいこととのバランスが取れない人、懸命に生きている人に観て欲しいと思います。生々しく生きながらも困難を乗り越えていく姿を感じとっていただけたら」と締めくくった。

公開情報 東映配給「Dear Stranger/ディア・ストレンジャー」は2025年9月12日(金)からTOHOシネマズシャンテ他全国公開
公式サイト:https://d-stranger.jp/

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