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「シン・ゴジラ」が作品賞をはじめ最多7冠獲得!「第40回日本アカデミー賞」発表(2017.03.06)

「第40回日本アカデミー賞」授賞式が3月3日(金)に行われ、作品賞、監督賞をはじめ最多7部門で庵野秀明総監督、樋口真嗣監督による「シン・ゴジラ」が最優秀賞を獲得した。庵野監督が仕事のため授賞式を欠席したことから、心もとない表情で監督賞を受賞した樋口監督は「映画を作る先輩たちからのバトンを受け、本気でゴジラに向き合った結果として、賞をいただけて本当に嬉しい」と喜び、続く作品賞の獲得で7冠を達成したことを受け、「みんな怒ってませんか?」と何故か会場の雰囲気をうかがいつつ「過酷な状況で映画を作り続けている人たちに、最後にはこんな日が来るんだよ、だから頑張ろう!と伝えたい」とメッセージを送った。

「64−ロクヨン−前編」で主演男優賞を受賞した佐藤浩市は「忠臣蔵外伝 四谷怪談」以来の最優秀主演男優賞獲得となり(その間、最優秀助演男優賞は2度受賞)、ブロンズ像を手に感慨もひとしおの様子で、「こんなに重かったかな。50半ばを過ぎて筋力が衰えたのか、別の感慨で重さを感じるのか。当然、後者なんですが、なんか困っちゃうな」と言葉を詰まらせ、「またここに戻って来られるよう、スタッフともども映画作りを続けていきたいです。ありがとうございました」と感謝を口にした。

「湯を沸かすほどの熱い愛」で3度目の最優秀主演女優賞に輝いた宮沢りえは、舞台「足跡姫」出演中のため事前に収録したコメントで「最近は役を演じるというより、役が自分を通過して爪痕をつけていく感じがしています。双葉という役からも生きることの貴重さ、皆さんの前で称えられることの素晴らしさ、いろんなことを教えてもらいました」と語った。宮沢に代わってブロンズ像を受け取った中野量太監督は「今思えば『ぼくらの七日間戦争』は『これが映画か!』と思った僕の映画の原点とも言える作品で、その映画に出ていたりえさんが『湯を沸かす』に出演すると言ってくれた時は本当に嬉しかったです!!」と思いをぶちまけた。

「怒り」で最優秀助演男優賞を受賞した妻夫木聡も宮沢と同じ舞台に出演中だが、「ギリギリまで待っていて良かった!『悪人』でいただいた時は会場にいられなかったので、今回は皆さんと喜びを分かち合えて嬉しいです。なんの取り柄も無かった自分が俳優をやっていることが不思議で、こうしてステキな賞までいただけて本当に嬉しい。この役も綾野剛がいたから作りあげることができました。李監督に『東京(パート)はお前に任せた』と言われたこと、撮影が終わって『お前に救われた』と言われたことは僕の財産となりました」と明かした。

そして、「湯を沸かすほどの熱い愛」で新人賞と最優秀助演女優賞をW受賞した杉咲花は「この日が近づくのがずっと怖くて、2週間前から眠れなくて・・・。やっと眠れたと思うと悪夢を見て・・・」と緊張の面持ちを見せ、会場は温かい笑いに包まれた。「昨日、お母ちゃんを演じた宮沢さんに『どうしよう!』とメールしたら『どんな結果でも得たものはかわらないから』と言われて、本当にそうだなと。一番幸せなのは、この作品にたずさわれたことです。ありがとうございました」とキラリと涙を見せた。

【第40回日本アカデミー賞最優秀賞受賞結果】
▽作品賞=「シン・ゴジラ」
▽アニメーション作品賞=「この世界の片隅に」
▽主演男優賞=佐藤浩市「64―ロクヨン―前編―」
▽主演女優賞=宮沢りえ「湯を沸かすほどの熱い愛」
▽助演男優賞=妻夫木聡「怒り」
▽助演女優賞=杉咲花「湯を沸かすほどの熱い愛」
▽監督賞=庵野秀明/樋口真嗣「シン・ゴジラ」
▽脚本賞=新海誠「君の名は。」
▽撮影賞=山田康介「シン・ゴジラ」
▽照明賞=川邉隆之「シン・ゴジラ」
▽美術賞=林田裕至/佐久嶋依里「シン・ゴジラ」
▽録音賞=中村淳(録音)/山田陽(整音)「シン・ゴジラ」
▽編集賞=庵野秀明/佐藤敦紀「シン・ゴジラ」
▽音楽賞=RADWIMPS「君の名は。」
▽外国作品賞=「ハドソン川の奇跡」(ワーナー・ブラザース映画)
▽新人俳優賞=杉咲花「湯を沸かすほどの熱い愛」、高畑充希「植物図鑑 運命の恋、ひろいました」、橋本環奈「セーラー服と機関銃―卒業―」、岩田剛典「植物図鑑 運命の恋、ひろいました」、坂口健太郎「64―ロクヨン―前編/後編―」、佐久本宝「怒り」、千葉雄大「殿、利息でござる!」、真剣佑「ちはやふる―上の句/下の句―」
▽話題賞作品部門=「君の名は。」
▽話題賞俳優部門=岩田剛典「植物図鑑 運命の恋、ひろいました」
▽協会特別賞=相田敏春(装飾・小道具)、赤松陽構造(タイトルデザイン)、岡瀬晶彦(音響効果)
▽会長特別賞=出目昌伸(監督)、冨田勲(音楽)、松山善三(脚本・監督)
▽会長功労賞=木下忠司(音楽)、京マチ子(俳優)、鈴木清順(監督)、西岡善信(美術)、橋本忍(脚本・製作・監督)、八千草薫(俳優)
▽第40回特別賞=池広一夫(監督)、沢島忠(監督)、萩原憲治(撮影)

公開情報 公式サイト:http://www.japan-academy-prize.jp/

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