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第36回藤本賞授賞式開催、「君の名は。」の製作陣が受賞(2017.05.19)

生涯で269作品を製作した映画プロデューサーの藤本真澄氏の功績を称え、その年に著しい活躍をした映画製作者を中心に表彰する「第36回藤本賞」の授賞式が5月19日(金)に行われた。昨年8月の公開から現在までに興収249億円以上の大ヒットを記録した「君の名は。」を製作した新海誠監督をはじめ、プロデューサー陣の川口典孝氏、古澤佳寛氏、川村元気氏が本年度の藤本賞を受賞し、特別賞には「シン・ゴジラ」を製作した山内章弘氏、佐藤善宏氏、「この世界の片隅に」を製作した丸山正雄氏、真木太郎氏が輝いた。

「君の名は。」の製作陣には「これまでの新海誠監督の作品世界を軸にしながら、より広い観客層へ向けた映画作りを志し、脚本、音楽、映像全てにおいて圧倒的に斬新な世界観を作り上げ、観客動員2000万人に及ぶ日本映画歴代2位となる歴史的な大ヒット作とし、日本国内のみならず、全世界でも高い評価と多くの観客を集めた作品を製作した」その功績に対して藤本賞が授与された。

この日、新海誠監督は仕事の関係で欠席となったが、同監督の作品をこれまで手掛けてきたコミックス・ウェーブ・フィルム代表の川口氏は「アニメ業界が疲弊しているなか、沢山の学生が『君の名は。』を観て、入社したいと応募してきてくれました。今年、10人を新入社員として受け入れることになり、この子たちは僕らの未来であり、守っていかなければならない存在です。一緒に製作した川村君はこの賞の常連でありますが、古澤君は作品を最後までまとめてくれて、その彼と一緒に受賞できることを嬉しく思います」と挨拶した。

古澤氏は「東宝社内でも新海監督と仕事をしたいと思っていたプロデューサーは沢山おり、そのバトンを受け継いで『言の葉の庭』を小規模公開と同時にDVD&ブルーレイで販売する異例の体制をとりましたが、スマッシュヒットとなりました。川口さんからも是非、今度は大きく公開しようと言っていただき、『君の名は。』は製作費を超えるクオリティの作品にして下さいました。『これでダメなら俺らは終わりだ』とおっしゃっていましたが、大ヒットに結びつき、誕生から2次利用にいたるまで係わることができて嬉しく思います。この経験を糧に、これからも素晴らしいアニメを作っていきたいと思います」と語った。

また、「バクマン。」での特別賞受賞に続き、2年連続で表彰された川村氏は「15年前、まだ伝手も能力もない頃に、インターネット上で見つけたのが『電車男』と『ほしのこえ』でした。新海監督と映画を作りたいと思ったのですが、その時にはやらなくて良かったと思っています。この15年間で僕も成長し、川口さんと新海監督に再会したことで大きなヒットに繋がったと思います。『いつかこの人と映画を作りたい』と思う人と一緒に出来るようになる、映画界の夢がここにあると感じています。新海監督との会話は面白く、まだまだ素晴らしい物語がいっぱいあることを気づかせてくれる監督です」とコメントした。

公開情報 公式サイト:http://www.eibunkyo.jp/fujimoto.html

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