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水谷豊&伊藤蘭、次は古希のお祝いで夫婦共演!?「少年H」完成披露会見(2013.07.10)

先日行われた「第35回モスクワ国際映画祭」のGALA部門に邦画の実写映画としては初めて選出され、特別作品賞を受賞した「少年H」の完成披露会見が7月10日(水)に行われ、降旗康男監督、実生活でも夫婦であり28年ぶりの共演を果たした水谷豊、伊藤蘭をはじめ出演者が登壇。モスクワ映画祭に参加した水谷は「どういう風に向こうの方たちに受け止められるかと思っていたが、場面、場面で笑ったり、泣いたりしてくれて、終わってからも興奮して語りかけてくれる人たちもいて、思いが伝わったことが嬉しかった」と明かした。

本作は、1997年に妹尾河童初の自伝的長編小説として刊行され、世代を越えて読み継がれ、上下巻売上340万部超のベストセラーとなった同名小説の映画化。激動の昭和初期、異国情緒溢れる神戸を舞台に、戦争という激流の渦に巻き込まれながらも、勇気、愛情、信念を持って生き抜いた家族の姿を描き出している。

水谷は「原作ものの映画化はがっかりされることが多く、大ベストセラーであればなおさらのこと。妹尾さんが長年、映像化を許可しなかったのも『がっかりしたくなかったから』ということでした。降旗監督をはじめ、このメンバーでがっかりするようなことにはならないだろうと思っていましたが、初号試写が終わった瞬間、妹尾さんから『ありがとう。素晴らしい。ありがとう』と言ってもらって本当にホッとしました」と手応えを感じた様子。

降旗監督は作品について「魅力的な家族の話。まずはそれを楽しんでもらって、戦争を知らない若い世代には、70年前にこういうことがあったということを知って欲しいし、戦争はカッコイイものではなく、ジワジワと忍び寄ってくるものだということを見て感じて欲しい。また、忘れかけていた人には思い出して欲しいという思いで作りました」と明かした。

結婚後初の夫婦共演となったことについて水谷は「自分でも映画を観ている時は、夫婦であることを忘れていました」と話し、伊藤は「完璧な母を目指しましたが、随処にほころびが出てしまう役柄でした。原作でも人間っぽくて魅力的な人柄だったので、映画でもそんな雰囲気が出せればと思いました。この作品に声をかけてくださった水谷さんに感謝しています」と照れた様子でコメント。司会者から「還暦のお祝いで出演を依頼されたそうですが?」と問われた水谷は「はい。次は古希のお祝いになるのかな」と言って笑った。

また、少年Hこと妹尾肇を演じた吉岡竜輝君とHの2歳年下の妹・好子を演じた花田優里音ちゃんの現場での様子を伊藤は「二人とも元気で、ほっとくと現場で遊んでしまったりして。でもお芝居の時にはしっかりと気持ちを作ってきて、プロだなと思いました」と感心しきり。竜輝君は「映画の公開が近づいてきて、興奮しています。闇市のシーンでは原作の河童さんもいて、『この時のおでんの値段はいくらでしたか?』とか聞けて、勉強になりました」と明かし、優里音ちゃんは映画を観た感想として「感動して自分が出ているのに泣いちゃいました。とてもいい映画なので、真剣に観てください。でも楽しんでください」と可愛らしくコメント。

“うどん屋の兄ちゃん”という役どころで、政治犯として捕まる青年を演じた小栗旬は竜輝君について「僕が出会ったころのH君から、どんどん逞しくなっていく姿が見れて、ステキだなと思いました」と語り、妹尾一家の近所に住む酒屋の吉村さんと銀行員の柴田さんを演じた國村隼と岸部一徳は、「普段から将棋をしたり、漫才コンビのような二人で、ストーリーと何ら関係のないキャラでしたが(笑)、一番、この動乱の時代を体現している二人じゃないかなと。長いものには巻かれろという感じで」(國村)、「自分が子供の頃、H君みたいな目線で世界を見ていたのかな?と思ってしまった。水谷さんは『相棒』の時と全く違って、素晴らしいなと。焼け野原で立ちすくむシーンが印象に残っています」(岸部)と明かした。

水谷は「エンターテインメント、サスペンス、恋愛と色んな映画がある中で今回は戦争をテーマにした家族の話。いつかチャンスがあれば戦争を題材にした映画をやりたいと思っていたので実現したことが嬉しい」と感慨深げに語り、降旗監督も「僕が10歳の頃、ちょうど日本が敗戦する1年前で、『兵隊に志願するな!』と言ってくれた先生とHのお父さんが重なりました。活動屋になった僕としては、その先生への恩返しとして、ささやかながらこの作品を撮らせていただきました」としじみじと締めくくった。

公開情報 東宝配給「少年H」は2013年8月10日(土)から全国公開
公式サイト:http://www.shonen-h.com/

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