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特集上映が組まれる庵野秀明監督が宮崎駿監督に恨み節!?「第27回東京国際映画祭」記者会見(2014.08.26)

10月23日(木)から31日(金)までの9日間にわたって六本木ヒルズ、TOHOシネマズ日本橋他で開催される「第27回東京国際映画祭」の記者会見が8月26日(火)に行われた。オープニングではディズニー・アニメーション最新作「ベイマックス」、クロージングでは累計発行部数1100万部を誇る人気漫画を山崎貴監督が実写化する「寄生獣」のワールド・プレミアが決定している。会見には今年のフェスティバル・ナビゲーターを務める岡本あずさとハリー杉山、特集上映「庵野秀明の世界」が開催される庵野秀明監督も駆けつけた。

昨年度から映画祭のディレクター・ジェネラルに就任した椎名保氏は、まずは映画祭の認知度を高めることを念頭に掲げ、昨年来よりアニメーションに注力していきたいと明かしていたことについては「この映画祭でしか出来ないことをやるべきだと思い、今、一番ホットで才能のある庵野監督の特集上映を行うことにしました。日本を代表するクリエイターの特集を、来年以降も行っていきたいと思っています」とコメント。また、国際交流基金との連携や、総合プロデューサーとして秋元康氏を迎えたことも明かし、「あと2ヶ月、皆さんがワクワク、ドキドキと楽しみに待つような映画祭を目指していきますので、よろしくお願いします」と挨拶した。

今年はメイン部門である「コンペティション」部門に「WOWOW賞」、新進気鋭のアジアの才能が集結する「アジアの未来」部門に「国際交流基金アジアセンター特別賞」が新たに設けられた。前者はWOWOW加入者が選考委員となって“その映画の感動を世界中の映画ファンと共有したい”と考える1作品を選ぶ賞で、後者は文化の違いを越えて国際的な活躍が期待される監督に与える賞となっている。また、初めて歌舞伎座と融合した特別上映イベントも決定し、歌舞伎俳優による舞踊の披露や、日本びいきとして知られ歌舞伎をこよなく愛したとされるチャールズ・チャップリンの「街の灯」を上映する。また、映画祭のロゴも東京の“T”を意識した新たなロゴが開発され、これから各所で目にすることになる。

また、若い世代に向けて映画の魅力を発信する“フェスティバル・ナビゲーター”には、女優の岡本あずさとタレントのハリー杉山が決定し、岡本は「一人の役者、映画好きの22歳として、憧れの東京国際映画祭のナビゲーターに選ばれて光栄です。誰でも気軽に参加できる映画祭であることをPRしていけたら」と挨拶し、杉山も「若い映画ファンの創出を目指します。池袋や渋谷にいるようなギャルたちも『今、TIFFってるんだけど、はんぱないよ!』とか言い合えるように、東京国際映画祭をホットなワードNo.1に持っていけたらと思います」とコメントした。

そして、特集上映「庵野秀明の世界」では、これまでの庵野監督のTVアニメ、劇場公開作品に加え、学生時代に自主制作した貴重な短編やCM、PV等を含めた約50作品が上映される。記者会見で披露されたダイジェスト映像を自身で手掛けたという庵野監督は、作品を振り返り「いろんなことをやってましたね」と何十年かぶりに見直した作品もあった様子。「だいたい自分が担当した部分は、こうすりゃ良かった、ああすりゃ良かったとなってしまうんですが、久々に観たらそういう思いが減っていて、結構面白いものを作っていたな!というのが再発見でした」と自画自賛。

また、三鷹の森ジブリ美術館の展示用に制作したという「空想の機械達の中の破壊の発明」については大画面での上映が初となることを明かし、「僕は大画面でも耐えられる作品を作ったのに、宮さん(宮崎駿監督)がiPadくらいの小さい画面で展示しました。それに宮さんが、絵コンテで『こんなのはどうだ!』とか口出しするのでつまらなくなった。逆らえないんです」とやや恨み節。現在公開中のジブリ作品「思い出のマーニー」は宮崎監督が一切関わっていないということについて話を振られると「うらやましいですね」とポツリと呟き、「ジブリの鈴木プロデューサーから今回の特集上映の話をいただいて、『えーっ!』という感じだったんですが、ありがたいお話なのでちゃんとやっていこうと思います」と決意を新たにした。なお、映画祭期間中は庵野監督登壇のトークショーイベントも行われる。

開催情報 2014年10月23日(木)〜10月31日(金)、六本木ヒルズ、TOHOシネマズ日本橋他で開催
公式サイト:http://2014.tiff-jp.net/ja/

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