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「グッド・ストライプス」の岨手由貴子監督が金賞を受賞!「新藤兼人賞2015」授賞式(2015.12.04)

日本映画の独立プロダクション50社によって組織される日本映画製作者協会が授与する「新藤兼人賞2015」の授賞式が12月4日(金)に行われ、「グッド・ストライプス」の岨手由貴子監督が金賞、「トイレのピエタ」の松永大司監督が銀賞、「映画 ビリギャル」の那須田淳氏、進藤淳一氏がプロデューサー賞を受賞した。

今年で20回目を迎える「新藤兼人賞」は、日本映画製作者協会に所属するプロデューサーが「この監督と組んで仕事をしてみたい」、「今後この監督に映画を作らせてみたい」という観点から、その年、最も優れた新人監督(長編処女作より3作品まで)に授与する賞。現役プロデューサーのみが審査員を務める日本で唯一の新人監督賞である。本年度は2014年12月から2015年11月までに公開された新人監督作品107本から選ばれた。

また、プロデューサー賞は、昨年で終了した「SARVH賞」に代わって実施され、優秀な作品の完成に貢献を果たしたプロデューサーや企画者の功績を称えることで映画製作者へ刺激を与え、日本映画界の活性化に繋げたいという願いから設立された同賞への感謝の気持ちも込め、今後も「新藤兼人賞 プロデューサー賞」として顕彰していきたいという思いから、継承されることとなった。

授賞式開催にあたり、日本映画製作者協会代表理事の新藤次郎氏は「映画界全体で新しい才能を発見して、育てていこうということで、インディーだけでなくメジャー各社も協賛していただき心強く思っています。企画から製作、興行までを通してフォローすることが求められている中で、やはり良い作品が出来るかが問題であり、監督はその重要なファクターとなります。今回のお二方も新しい才能であり、今後も頑張っていただきたいと思います」と挨拶した。

交際4年のマンネリカップルが、妊娠を機に結婚へ向けて互いのルーツを改めて知っていく姿を描いた「グッド・ストライプス」の岨手監督は「私は短編も含めてまだ5作品しか撮っておらず、のんびりしてきましたが、その都度、沢山のチャンス与えていただいてきたと感じています。1月に子どもを産んで、孤独な毎日を送っているのですが、保育園に入れることもできなくて、これからどうしようかと思っていた時に、この賞をいただき、『もうちょっと頑張れ!』というメッセージをいただいたような気がしています。次も絶対に撮りたいと思えました。ありがとうございました」とユーモアも交えて喜びを表した。

余命3ヶ月を宣告された男と、偶然知り合った女子高生の交流を描いた「トイレのピエタ」の松永監督は、上手く言葉が出てこない様子でグッと涙をこらえながら「かっこ悪くてすいません」と一言。やっと落ち着くと「僕や岨手さんの他にも身を削って映画を作り、才能があってもチャンスに恵まれず、やめていく人たちもいる中で、すごいガンコな僕にずっと付き合って下さったプロデューサーの方々に感謝します。みんなで取った賞だと思っています。『あいつにこの賞を渡して損した』と思われないよう、商業的にも作品としても、もっといい映画を作っていきたいと思います」と最後は力強く挨拶した。

また、「映画 ビリギャル」でプロデューサー賞を受賞したTBSの那須田氏は「原作は受験のハウツー本でしたが、読んだ時に『家族の話が作れる』とピンと来て、運命を感じました。周りからは『人が死んだり、大きな出来事が起こらないのに映画になるのか?』と心配されましたが、有村架純をはじめキャスト、スタッフとの出会いに感謝します。進藤さんとは4作目となりましたが、いつも一緒に闘って下さっていたので、共に受賞できて嬉しいです」とコメント。

同じく「映画 ビリギャル」のプロデューサーを務めた進藤氏は「お仲間であるプロデューサーの皆さんから、お褒めいただけたということが嬉しく、感激しています。フィルムフェイスという会社を作って30年になり、そろそろ終わりかなと思っていたところ激励され、もうちょっと頑張ろうという気持ちになりましたので、これからも宜しくお願いします」と気持ちを新たにした様子だった。

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