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完成報告のはずが・・・!?「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」製作報告会見(2017.07.11)

昨年、「君の名は。」をスマッシュヒットへ導いた川村元気プロデューサーが、原作・岩井俊二(「Love Letter」「リップヴァンウィンクルの花嫁」)、脚本・大根仁(「モテキ」「バクマン。」)、総監督・新房昭之(「化物語」「魔法少女まどか☆マギカ」)を集結させ、岩井監督の傑作短編ドラマをアニメーション映画化した「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」の製作報告会見が7月11日(火)に行われた。母親の再婚を機に転校することとなり、夏休みのある日、クラスメイトとの“かけおち”を企てる主人公なずなの声を担当した広瀬すずをはじめ、菅田将暉、宮野真守、松たか子、そして岩井監督、川村プロデューサーが登壇した。

岩井監督が原作・脚本も手掛けたドラマは1993年にフジテレビ系「if もしも」の一篇として放送され、TVドラマとしては初となる日本映画監督協会新人賞を受賞。95年には再編集され劇場版も公開されている。今回、川村プロデューサーからアニメ化の企画を持ちかけられた岩井監督は「なんてことを思いつくんだろうとビックリしました。でもアニメで観られたら嬉しいなと思いました」と明かし、川村プロデューサーは「あまりにパーフェクトなドラマだったので、少年少女の瑞々しさを実写で再現するのは難しいだろうと、映画業界ではアンタッチャブルな企画だったのですが、アニメであれば新しい表現方法があるのではないかと思いました」とコメント。

新房監督を今回抜擢した理由については、「『化物語』や『まどか☆マギカ』を観て、こんなビジュアルセンスを持った人がいるのか!と衝撃を受け、一緒に映画を作りたいと思った監督の一人だったんです。東宝の夏のアニメ枠は、宮崎駿監督に始まり、細田守監督、新海誠監督と錚々たるメンバーが並んでいるので、新房監督という新しい才能を紹介できることも嬉しく、皆さんにはその目撃者になっていただきたいと思っています」と熱く語り、ラッシュの映像を観たという岩井監督も「なずなが本当に可愛くて、なずなへの新房監督の愛が素晴らしかった」と絶賛した。

「バケモノの子」に続き、2度目のアニメーション参加となる広瀬は「大根さんが書かれた台本は、アニメなんだけど実写の会話のテンポや言い回しのような感じで、自然にこの世界に溶け込むことができました」とコメント。吹替初挑戦となった菅田は「デビュー作が仮面ライダーだったので、『ハッ!』とか『ヤッ!』みたいな必殺技の声を入れるアフレコはあったのですが(笑)、少年の微妙な声のトーンの弾み方みたいな繊細な部分を表現するのが大変でした」とプレッシャーも感じていたことを明かした。

声優としてだけではなく幅広く活躍する宮野は「勝手に吹きだして笑ってしまったりしている部分も、そのままアニメになっていて感動しました。ラッシュを観て、なずなはこんなにセクシーだったんだ!とドキドキしたので、楽しみにしていて下さい!」と語り、なずなの母親役を演じた松は「私のセリフは8割方『なずな!』しか言っていないのですが、監督からいろんな『なずな』の呼び方を教えていただいて、こんな母親から逃げたかったんだろうな、と思ってもらえるように楽しみながら参加させていただきました」と笑顔を見せた。

本来であれば完成報告のはずだったこの日、製作報告に変更された理由について川村プロデューサーは「『シャフト』という素晴らしいアニメーションスタジオが手掛けているのですが、遅れることでも有名で(笑)、その分、素晴らしい作品に仕上げるべく、粘りに粘っています。『君の名は。』以降のアニメ界としては、まったく新しい作品が出来上がるのではないかと思っています」と自信をのぞかせた。なお、本作は完成前ではあるものの、既に全世界110の国と地域での配給が決定。世界各国からの注目を集め、今後は更に公開国が増えていくことも確実だ。

公開情報 東宝配給「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」は2017年8月18日から全国東宝系で公開
公式サイト:http://uchiagehanabi.jp/

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