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難民の生き抜く意志と強さを伝える!「UNHCR WILL2LIVE映画祭2019」記者会見(2019.08.22)

9月から10月にかけて東京と名古屋で開催される「UNHCR WILL2LIVE 映画祭2019」の記者会見が8月21日(水)に行われた。2006年から「UNHCR 難民映画祭」として毎年開催されてきたが、今年からは新名称「UNHCR WILL2LIVE(ウィル・トゥー・リブ)映画祭」として開催。“WILL2LIVE”には、厳しい境遇にあっても生き抜こうとする難民の意志(Will to live)が示されており、逆境にもくじけず前に進もうとする難民の不屈の姿、勇気や希望を、映画を通して伝えていく。

国連UNHCR協会の星野守事務局長は「命の危険にさらされた迫害の犠牲者たちが、懸命に逆境の中で生き抜こうとする意志を、今回の映画祭のタイトルに込めました。“難民”という文字だけ見ると、“難しい民”と誤解を招くかもしれませんが、たまたまそこに生まれた生身の人間です。難民キャンプへ行くと、皆さん『未来が欲しい』と言います。子供たちは苦しくても良い目をしていて、いきいきと歓迎してくれることに我々も勇気を貰います。来年の東京オリンピック・パラリンピックにも難民選手団が来て、力強い姿を見せてくれるはずです。難民支援の活動を強化するためにも、サポートを宜しくお願いします」と挨拶。

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のダーク・ヘベカー駐日代表は「難民たちの生きる力には、いつも感心させられています。昨年、故郷を追われた難民の数は7000万人を超えました。UNHCR創設以来最多の数です。日本でも多くの方々が難民問題に関心を寄せて下さればと思います。彼らにも夢や希望があることを、映画を観て知ってください」と訴えた。今年も参加無料だが、事前申込みではなく、各回上映45分前から整理券を先着順で配布する。日本初上映作品はドキュメンタリーの2作品(「難民キャンプで暮らしてみたら」「イージー・レッスン−児童婚を逃れて」)で、計7作品が上映される。

【上映作品】
▽「ミッドナイト・トラベラー」ハッサン・ファジリ監督
アフガニスタンの平和をテーマにした作品がタリバンの怒りを買い、その首に懸賞金をかけられた映画監督のハッサンは、携帯電話だけを手に、タジキスタン、トルコ、ブルガリアを経て、安全な場所を求めてさまよう一家の命がけの旅を記録していく。

▽「難民キャンプで暮らしてみたら」クリス・テンプル&ザック・イングラシー監督
2人のアメリカ人青年が、シリア難民が暮らすヨルダンのザータリ難民キャンプのテントで1カ月生活。「隣人」たちとの日々の交流から見えてきたのは、トラウマを抱えながらも、自分に出来ることを見出し、平和を求めて懸命に生きる姿だった。

▽「イージー・レッスン−児童婚を逃れて」ドロッチャ・ズルボー監督
ソマリアで育ったカフィアは、児童婚から逃れるため、15歳で単身ハンガリーに辿り着いた。日夜勉強に励みながら、美貌を生かしてモデル業も始めるが、生まれ育った祖国で培われた宗教や文化に対する価値観とのジレンマに苦悩する。

▽「判決、ふたつの希望」ジアド・ドゥエイリ監督
レバノンの首都ベイルートで、住宅の補修作業を行っていたパレスチナ人の現場監督ヤーセルと、キリスト教徒のレバノン人男性トニーが、アパートのバルコニーからの水漏れを巡って諍いを起こし、やがてレバノン全土を震撼させる騒乱へと発展していく。

▽「ナディアの誓い−On Her Shoulders」アレクサンドリア・ボンバッハ監督
2018年のノーベル平和賞受賞者ナディア・ムラドは、過激派組織ISISによる虐殺と性奴隷から逃れた23歳のヤジディ教徒。普通の女の子として生きたいという思いがありながらも、残された同胞のため、国連などでヤジディ教徒が直面する現実を訴える。

▽「僕の帰る場所」藤元明緒監督
東京の小さなアパートで暮らす母親のケインと幼い2人の兄弟。夫は入国管理局に収容され、これからの生活に不安を抱くケインは、ミャンマーに帰りたい想いを募らせる。ミャンマーでの民主化の流れなどを背景に、実話を基に一家の生活を描く。

▽「ヒューマン・フロー 大地漂流」アイ・ウェイウェイ監督・製作
中国の現代美術家であり社会運動家として活動するアイ・ウェイウェイが、難民たちが辿り着くギリシャの海岸、四方八方の国に散るシリア難民、ガザに封鎖されるパレスチナ人など、23ヵ国40ヵ所もの難民キャンプを巡り、彼らの旅路をカメラに収める。

なお、会場は東京がイタリア文化会館(9月21日〜23日)、「グローバルフェスタJAPAN2019」お台場センタープロムナード(9月28日)、文京シビックホール 小ホール(10月4日・5日)、名古屋が名古屋国際センター(10月13日・14日)。

開催情報 2019年9月21日(土)〜10月14日(月・祝)東京と名古屋で開催
公式サイト:http://unhcr.refugeefilm.org/2019/

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