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「映画愛が詰まった作品」と高畑充希が太鼓判!「浜の朝日の嘘つきどもと」完成報告イベント(2021.05.18)

「百万円と苦虫女」「ロマンスドール」などのタナダユキ監督が主演に高畑充希を迎え、オリジナル脚本で挑んだ「浜の朝日の嘘つきどもと」の完成報告イベントが5月18日(火)に行われた。劇中では生徒と教師の関係性を越えた友情を見せる初共演の高畑充希と大久保佳代子、そしてタナダユキ監督が登壇した。高畑は「とってもあったかい映画ができました」とアピールし、タナダ監督は「地方の映画館が苦しい状況ですが、そんな映画館が立ち直るきっかけになるといいなと思い作りました」と明かした。

福島県・南相馬市に100年近く実在する映画館「朝日座」を舞台に、東京の映画配給会社に勤めていた福島県出身26歳の茂木莉子(本名:浜野あさひ)が、恩師との約束である“「朝日座」再建”のため、小さな“嘘”をついてでも映画館を守ろうと奮闘する姿を描き出す。柳家喬太郎、甲本雅裕、佐野弘樹、神尾佑、竹原ピストル、光石研、吉行和子ら個性溢れるキャストが脇を固めている。

タイトルについて監督は「深い意味は無いんですが、朝日座がある南相馬は福島の浜通りにあって、“朝日座”と莉子ちゃんの本名である“あさひ”と、ちょっとずつ嘘をつく人たちが出てくるということで、こうなりました」とコメント。タナダ作品のファンだったという高畑は「呼んでいただけて『やった!』という感じで、監督にお会いしたら人としても好きだなと思いました。台詞を口に出して読んでもつっかからなくて、台本からキャラクターたちが飛び出てくるような感じがしました」と振り返った。

大久保にとっては“女優としての仕事史上最もボリュームがある役”だったということで、「脚本を読んだら人間的な魅力のある役で、セリフも多くて、プレッシャーでした。昨日、初めて観たんですが、『すかしてんな』と思いました」と笑い、監督は「高畑さんが誰と組んだら面白いだろう?新たな姿が見られるだろう?と考えて、化学反応が起きそうだったのが大久保さんでした。完璧でした」と褒め称えると、「充希さんが空気を作って、感情が湧くようにしてくれたので、乗っからせてもらいました」と感謝した。

高畑は自身の役について「ずっと嘘をついているんですが、今を生きているというか、考えナシなところや、自分の欲望に忠実なところがある役でした。茂木莉子(もぎり+子)という偽名もめっちゃ好きです。こんな名前思いつかないし!去年のステイホームが終わって最初の撮影で、私もあさひと同じく、近くにいる人々に愛情を注いだり、伝えたりしたいと思っていた時期だったので、自分の肌にピタっとくる感じがしました」と明かした。

タナダ監督も「高畑さんが真ん中でドンと、かつ自由に演じてくれて、大久保さんや喬太郎師匠、出演者たちの相乗効果で、想像を越えるお芝居を毎日見られるのが楽しかったです」と振り返った。ここで本作に因み、映画館の想い出を聞かれると監督は「5歳の時に父と初めて映画館に行ったんですが、東映まんがまつりとかじゃなく『影武者』で・・・、当時は骨が溶けるとか言われていたコーラを『こっそり買ってやるから、おとなしくしてろ』と言われて観ました」と、あまり感動的な映画体験ではなかった様子。

大久保は「大学の時に映画の授業を一コマ取っていて、神代辰巳監督の作品を観に浅草の名画座に行ったら、おじさんにちょんちょんとされて、痴漢か!と思ったら見た事もない銘柄のコーヒーをもらいました」と独特の雰囲気だったことを明かした。また、高畑は「渋谷のアップリンクが好きで、ソファーみたいになっているのが至福で、映画もちゃんと観ていますが、寝落ちする瞬間が好きだったので、無くなってしまうのが悲しいです」と5月20日に閉館するアップリンク渋谷を惜しんだ。

最後に監督は「お二人も映画体験を明かされていましたが、映画館に行くというのは映画館そのものに触れるというか、映画だけではない何かを体験しに行っているんだと思います。この映画も(コロナの)感染対策に気を付けながら、映画館で楽しんでいただきたいです」とし、高畑は「今だからこそ観て欲しい映画です。タナダ監督の映画愛が詰まっていますし、古くて良い映画がちょいちょい出てくるので、あたたかい気持ちになっていただけると思います」と締めくくった。

公開情報 ポニーキャニオン配給「浜の朝日の嘘つきどもと」は2021年9月10日(金)全国公開(8月27日(金)から福島県先行公開)
公式サイト:https://hamano-asahi.jp/

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