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阿部寛の「濃い顔に生まれて良かった」発言に爆笑!安藤サクラは引き算が出来ない!?第55回「ブルーリボン賞」授賞式(2013.02.15)

東京映画記者会が主催する第55回「ブルーリボン賞」授賞式が2月14日(木)に行われた。昨年の主演男優賞の竹野内豊(「太平洋の奇跡―フォックスと呼ばれた男―」)、主演女優賞の永作博美(「八日目の蝉」)が司会を務め、ヤン・ヨンヒ監督、安藤サクラ、井浦新の「かぞくのくに」チームが集ったほか、阿部寛、広末涼子、マキタスポーツなどバラエティ豊かな面々が勢ぞろいした。

北朝鮮を巡る引き裂かれた家族を描いた「かぞくのくに」で主演女優賞を受賞の安藤サクラは「ヤン監督は前作で家族のいる北朝鮮に行けなくなってるんです。監督の思いを胸に、死ぬ気で作品と戦えて嬉しかった」と、緊張しながらも体全体で作品への思いを表現した。父・奥田瑛二が18年前に主演男優賞を受賞したことについて「私いま26歳なんですけど、その時私何歳だっけ?」と簡単な引き算に混乱する場面も。「実はその時ブルーのリボンの布でバッジを作って父に付けたんです」とブルーリボン賞の思い出を語った。

作品賞にも輝いた同作のヤン・ヨンヒ監督は、自身の実体験を基に10年以上温めてきたシナリオについて「北朝鮮と家族というテーマのリスキーな映画で製作の背中を押してくれたクレイジーなプロデューサーに感謝。いつか、映画を作ったから家族に会えなくなるというあほらしい時代があったと笑い飛ばしたい」と語った。「私に直接メッセージも送れない状況の北朝鮮で生きる家族に感謝したい」と言葉を振り絞り、会場では涙を流す人も。

同作で家族と離れ、北朝鮮に渡った青年という難しい役を演じた助演男優賞の井浦新も「ヤン監督は人生をかけた戦いに僕を誘ってくれた。この役は僕1人では出来なかった。安藤サクラさんが一緒に戦ってくれたから演じきれた。」と、作品に向き合ってきた熱い思いを言葉にした。特別賞受賞の故・若松孝二監督作品にも数多く出演している井浦は「若松監督のあの怒りは映画への愛。監督も特別賞を喜んでいるだろうし、早く墓前に自分の賞の報告に行きたい」と感慨深く語った。

主演男優賞受賞の阿部寛は「テルマエ・ロマエ」での古代ローマ人という役柄について「最初あの役は自分に出来るのかなと不安だったが別になんの違和感もなく演じられ、濃い顔に生まれて良かったです」と振り返った。来年の授賞式の司会について、「今日のお客さんが会場に入りきらない様子を見て、来年僕の司会で今日ぐらい入るのか不安です」と明かすと、永作に「阿部さん以外のファンの方もいるので、お客さん沢山入るんじゃないでしょうか」と毒舌で突っ込まれ、「そうですね、すみません」と苦笑いし、会場は爆笑に包まれた。

「鍵泥棒のメソッド」で笑わない一風変わったキャリアウーマンを演じた助演女優賞の広末涼子は、同作で監督賞を受賞した内田けんじ監督の演出について「ひたすら笑うなと言われ、30回、50回テイクを重ねました」と裏話を披露。笑わない演技に苦労したという広末に対し、竹野内豊は「僕は逆に笑えと言われます」と呟き、ここ一番で会場を沸かせた。「監督からはコメディを沢山やった方が良いと言われたんですけど、私には阿部寛さんのような才能はないです」と、謙虚に締めくくった。

「苦役列車」で43歳にして新人賞受賞のマキタスポーツ。映画同様、ヘルメットに作業服の格好で登場し「この賞、聞くところによると壇蜜さんと争ったそうなので、彼女のような格好で出ようとしたんですけど、マネージャーと口論になりました。この賞を頂いて芸能人としてのランクが上がるそうですね」と話し、会場の笑いを誘った。お笑い芸人、歌手としても活動するマキタは、ギターを肩にかけ劇中歌や音楽を使った持ちネタなど3曲を披露し会場も手拍子しながらのリサイタル状態。司会の永作博美に「マキタさん、そろそろ・・・」と制止されながらも、まだまだ歌おうとするマキタに会場は大盛り上がりだった。

ブルーリボン賞受賞結果は次のとおり。

作品賞    「かぞくのくに」(ヤン・ヨンヒ監督)
外国作品賞  「レ・ミゼラブル」(トム・フーパー監督)
監督賞    内田けんじ「鍵泥棒のメソッド」
新人賞    マキタスポーツ「苦役列車」
助演男優賞  井浦新「かぞくのくに」
助演女優賞  広末涼子「鍵泥棒のメソッド」
主演男優賞  阿部寛「テルマエ・ロマエ」「麒麟の翼~劇場版・新参者~」「カラスの親指」
主演女優賞  安藤サクラ「かぞくのくに」
特別賞    故・若松孝二

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