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安藤政信は不思議な日本人?4時間36分の歴史大作「セデック・バレ」来日記者会見(2013.03.06)

「海角七号/君想う、国境の南」で台湾映画史上歴代1位の大ヒットを記録したウェイ・ダーション監督による歴史大作「セデック・バレ 第一部 太陽旗/第二部 虹の橋」の来日記者会見が3月5日(火)に行われ、ウェイ・ダーション監督と若き日の主人公モーナ・ルダオを演じたダーチンが登壇した。1895年から50年間続いた台湾の日本統治時代に起こった原住民族による武装蜂起『霧社事件』を描いた本作は、2部構成の4時間36分に及ぶ台湾映画史上最大の作品となっている。

2011年の第48回台湾金馬奨では最多11部門にノミネートされ、見事グランプリなど6部門で受賞し大ヒットを記録。昨年の「第7回大阪アジアン映画祭」でも超満席のなかで上映され、圧倒的な支持を得て観客賞に輝いた。第一部では苦しい生活を強いられてきたセデック族の人々が部族の誇りをかけて武装蜂起するまでが描かれ、第二部では日本の警察と日本軍による報復、憎しみや家族愛といった感情が交錯する中でセデック族の人々を襲う悲劇が描かれる。

ウェイ・ダーション監督は、血がたぎるような想いにかられて映画化を決意したという『霧社事件』について「小・中学校の教科書に記述はあるのですが、ほんの2行か3行しか記述が無い事件でした。テレビのニュースで原住民たちがデモをやるというのを目にし、もっと調べてみようという好奇心で色々な本を読んでいたところ、ある漫画に出会い、正直こんなことが起きていたのか?!とビックリしました」と明かした。自身もタイヤル族出身で、本作で俳優デビューしたダーチンは「『霧社事件』については全く知らなかったので、台本を読んで初めて知りました。セデック族の年配の方々から独自の文化や伝統があること、山岳地帯でどうやって侵入者から家族や土地を守ってきたかを聞き、撮影中は使命感が沸きました」と誇らしげな表情を見せた。

本作ではジョン・ウーが製作として名を連ねている他、日本からのキャストとして安藤政信、木村祐一らが参加しており、プロダクションデザインを「キル・ビル」「キル・ビルVol.2」等で知られる種田陽平が担当するなど、国際色豊かなスタッフとキャスト陣となっている。監督は「セデック族の役については外見がいかにも原住民とわかる素人を起用しようと決めていましたが、日本人のキャストは知名度のある人を使おうと思っていました。日本人は悪役として描かれることが多いので、先入観を持たれては困ると思い、演じていくうちに転換していく姿を表現できるプロでなければならないと思ったのです。また、台湾の映画産業は過去20年ほど盛んではなかったので、美術面でも遅れがあり、種田さんは心も視野も広い方なのでデザインをお願いしました。彼は正しい見方をしてくれ、台湾にある日本の町を作ろうと言ってくれました」と語った。

ビビアン・スーの出演についても監督は「彼女もタイヤル族の出身で、オファーしたところ『やります!』と即答してくれ、ノーギャラでいいと言ってくれました。逆に製作資金まで貸してくれて、原住民の人たちのために何かしたいという思いがあったようです」と明かし、安藤政信については「彼とは長い時間かけてコミュニケーションを取ってから、役を引き受けてもらいました。一旦、決めたら全力投球という人で、日本に留学しているセデック族出身の人を紹介して欲しいと言い、セデック語を3ヶ月かけて勉強してくれました。スターらしからず、台湾にもマネージャーを付けずに一人でやって来て、オフの時にはあちこち写真撮影に行ったりと、不思議な日本人だなと思いました」と印象を語った。

最後に監督は「日本で公開できるのは相当な努力の結果。歴史ドラマということで重たく感じる方もいるかもしれませんが、テンポもよく飽きさせません!このような珍しい台湾映画を通して、今の台湾と過去の台湾を認識してもらえたら」と語り、ダーチンも「みんな一生懸命に演技し、怪我もたくさんし、資金の問題などで一時は完成できないかもということもありましたが、信念を持って完成させることができました。日本でも皆さんに気に入ってもらえたら嬉しいです」と笑顔で締めくくった。

公開情報 太秦配給「セデック・バレ 第一部 太陽旗/第二部 虹の橋」は2013年4月20日(土)からユーロスペース、吉祥寺バウスシアター他全国順次公開
公式サイト:http://www.u-picc.com/seediqbale/

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