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デル・トロ監督から日本へのラブレター!!「パシフィック・リム」来日記者会見(2013.07.29)

海底から現われた巨大な怪物と人類の戦いを、ハリウッドの最新VFX技術を駆使してダイナミックに描いたSF大作「パシフィック・リム」の来日記者会見が7月28日(日)に行われ、ギレルモ・デル・トロ監督と、日本からの出演者である菊地凛子、芦田愛菜が登壇した。今回で5年ぶり3度目の来日となるデル・トロ監督は「この作品は、幼い頃から日本の文化、アニメ、映画を見て育った僕から日本へのラブレターです。どうぞ受け取ってください」と挨拶した。

太平洋の深海から“KAIJU”と呼ばれる巨大な怪物が突如出現し、世界各国を襲撃。滅亡の危機に瀕した人類は、あらゆる英知と資源を集め人型巨大兵器“イェーガー”を開発し、人類の存亡をかけた“KAIJU”との戦いが始まる。“イェーガー”に乗りこむ日本人パイロット・森マコを演じるのは、アカデミー賞ノミネート経験もある菊地凛子、その幼少時代を芦田愛菜が演じている。

デル・トロ監督は「僕がメキシコで生まれた1964年は、日本ではたくさんの怪獣映画が生まれた黄金期でした。『鉄人28号』『マジンガーZ』『ウルトラマン』などのテレビシリーズを見て僕は育ちました」と日本の特撮シリーズへの思いを熱く語り、それに応えるように菊地は「監督の日本への愛情がたくさん詰まったこの映画で、この場に立てていることを光栄に思います」と語った。本作でハリウッド映画デビューを果たした芦田は「Hello! My name is Mana Ashida. Please enjoy the film.(こんにちは、芦田愛菜です。この映画を楽しんで下さい)」と流暢な英語で挨拶し会場を沸かせた。

初のSF大作に出演する菊地は「子供の頃から親しみのあるロボットや怪獣が出てくる作品に出ることは夢のようで、出演していることを忘れ、子供に戻っていました。全てが初めての事で、全てが大事な時間でした」と語った。アメリカでの撮影現場について聞かれた芦田は「楽屋が一人一台のキャンピングカーであることにびっくりしました。『用意スタート!』の掛け声も『アクション!』でカッコ良かったです」と海外での撮影を楽しんだ様子。そんな2人の起用について監督は「凛子は脆さと芯の強さを兼ね備えた女性で、脚本の段階で凛子を想定しながら書いていました。愛菜は天才です。本当は50歳なのではないかと思うほどしっかりしていて、賢く偉大な女優です」と称えた。

今回、劇中で重要な役割を果たす巨大ロボットのデザインに関して監督は「まず、それぞれの特性や性格づけを考えた上で、様々なデザインを考案しました。押井守監督の『機動警察パトレイバー』も参考にしました。シルエットも意識し、100種類くらいあるデザインから、毎週10体ずつ選考していきました」と熱いこだわりを見せた。

菊地は、ハリウッドデビュー作である「バベル」(06年)のアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督を通してデル・トロ監督と出会い、その際に「ぜひ監督の映画に出させてください」と懇願し、8年越しでその夢が叶ったと明かし、「当時から監督は自分のことを“トトロ”と呼んでいました。本作の撮影でも、重いスーツを着用して集中力が切れてしまった時には、監督がトトロの歌を日本語で歌って和ませてくれました。それだけ日本文化を知っている監督は、愛情豊かで才能ある方です」と監督の人柄を明かし、芦田も「監督は『僕のことをトトロって呼んでね』と言って優しく接してくれて、いつも『アメイジング!』『パーフェクト!』と言って頭を撫でてくれました」と嬉しそうに答えた。

また、今回の来日で行きたい場所を聞かれた監督は「中野ブロードウェイ!」と即答し、日本のポップカルチャーを愛する監督ならではの回答に会場は笑いに包まれた。そんな監督に菊地は「私より日本を知っていそうなので、監督の後ろに着いて中野ブロードウェイで何を買うか覗きたいです」と語り、芦田は「監督はあんみつが好きだと聞いたので、一緒に食べに行きたいです」と笑顔。終始日本文化への熱い思いを語っていた監督だが、最後には「“KAIJU”が自然界が生みだした最大の敵であるならば、人間には自己犠牲や勇気、知性のような徳があります。人間同士、愛情を持って信頼し合う事が大切だという本作のメッセージが伝わって欲しい」と映画をアピールした。

公開情報 ワーナー・ブラザース配給「パシフィック・リム」は2013年8月9日(金)から新宿ピカデリー、丸の内ピカデリー他全国公開
公式サイト:http://wwws.warnerbros.co.jp/pacificrim/

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