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「何にも演出してません!」木村大作節が炸裂!「春を背負って」完成披露会見(2014.03.13)

名キャメラマンとして「八甲田山」「復活の日」「誘拐」「鉄道員(ぽっぽや)」等で手腕を振るい、2009年の「劔岳 点の記」で初監督を務め、日本アカデミー賞最優秀監督賞など多数の賞を受賞した木村大作待望の監督第2弾「春を背負って」の完成披露会見が3月13日(木)に行われ、木村監督はじめ、松山ケンイチ、蒼井優、豊川悦司、檀ふみ、新井浩文が登壇した。木村監督は「映画は企画から始まって、封切ってお客様がどれくらい来るかが勝負!6月14日に人が来なかったら惨めなもんで、(記者の)皆さんにこの映画を伝えてもらって、TVもいっぱい使ってもらって、宣伝に協力してもらいたい!」と鼻息荒く挨拶した。

タイトルに惹かれるまま手にした笹本稜平の同名小説「春を背負って」(文藝春秋刊)を一読した木村監督が、「人は皆、何かを背負って生きていくしかない」という自らの人生哲学と共鳴する本作の映像化に着手。舞台を原作の奥秩父から、立山連峰の3000メートルを超える大汝山に変更し、父から子へと受け継がれる想い、仲間を想う人間たちにスポットを当て、山に生きる人々の“家族”の物語を描き出している。

父親の死をきっかけに、トレーダーの仕事を辞め、山小屋“菫小屋”を継ぐ決心をする主人公・長嶺亨を演じた松山は「自分がどういう風に映っているか、演技をしているのかも予想がつかなかったんですが、見たことの無い表情があって、ビックリしました。壮大な景色と人間の美しさに感動しました」と語り、山小屋の従業員・高澤愛を演じた蒼井は「木村大作監督の今までと今が凝縮された作品で、その一部になれたことが本当に幸せでした」と感激の様子。

作品にはものすごい自信があると言い切る木村監督は、「劔岳 点の記」公開時と同じように自ら車を運転し、全国をキャンペーンで周っており、「東京では一般の方に観てもらうのは今日が初めてなんですが、これまで16県まわって来て、試写会から出てくる人は笑顔の連続!100%というくらい!自分でやらないといけないんですよ!」と息巻き、「しゃべり出すと止まらないよ!」と木村節を炸裂させた。

そんな監督について松山は「豪快な方だけど、とても無垢な方。純粋に映画のこと、人のことを考えていて、全てにおいて真っ直ぐ。小手先の演技ではなく、全身全霊でカメラの前に立ちたいと思えました」と明かし、豊川も過酷な山での撮影はきつかったとしつつも、「この映画を受けなければ見られなかった景色が沢山あったし、俳優冥利に尽きることを、この年になって経験させていただきました」とコメント。

延べ60日間にわたる山岳ロケでは、山小屋でキャスト、スタッフ共に共同生活を送っていたということで、「UNOチーム」「麻雀チーム」「呑みチーム」と娯楽チームが分かれていたそうで、豊川と蒼井は「UNOチーム」、監督と新井は「麻雀チーム」と明かしたが、檀は1人だけ「呑みチーム」と答え、標高の高さで酔いの回りが早いこともあり「いい気持ちでした。監督は優しいので、私のためにワインを持ってきて下さっていたので」とご機嫌だった様子。

また、監督の演出方法について聞かれた出演陣を遮り、木村監督は「何にも演出してません!」と元も子もない回答。「劔岳 点の記」に続き、2度目の木村組参加となった新井も「演出はゼロでした。ただ、よく言われたのは『かぶってる』ということだけ」と暴露し、再び監督は「俳優さんの表情が良ければ、セリフも上手くいっている。その人が持っているものを出してもらうのが一番だと思っているので!」と語り、長年キャメラマンとして映像にこだわってきた監督ならではの演出方法を明かした。

そして最後に監督は「記事をデカく書いてよ!」と会場の記者たちに念押しし、爆笑の中、会見は終了した。

公開情報 東宝配給「春を背負って」は2014年6月14日(土)全国公開
公式サイト:http://haruseotte.jp/

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