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世界から注目される築地市場をテーマにしたドキュメンタリー映画「Tsukiji Wonderland」製作発表会見(2014.06.02)

築地に本社を構え、映画だけでなく伝統芸能である歌舞伎など日本の文化を発信し続けてきた松竹が、東京魚市場卸協同組合(東卸)の全面協力のもと、築地市場の春夏秋冬を約1年かけて追う初の長編ドキュメンタリー「Tsukiji Wonderland(仮題)」の製作発表会見が6月2日(月)に行われた。松竹の大谷信義会長は「このドキュメンタリーを撮る許可をいただいた築地市場の皆様に感謝いたします。これからオリンピック、パラリンピックも開催されるということもあり、このドキュメンタリー映画が記録として残るだけでなく、前進への新しいシンボルになればと思っています」と挨拶した。

近年、和食がユネスコ無形文化遺産に登録され、オバマ大統領が訪れたことでも話題となった「すきやばし次郎」の鮨職人を追ったドキュメンタリー「二郎は鮨の夢を見る」が全米でヒットするなど、日本の食文化は海外からも高い注目を集めている。松竹の大角正常務は「弊社は『日本文化の伝統を継承・発展させ、世界文化に貢献する』という企業ミッションを掲げており、今回の企画は2、3年かけて築地に通いつめた社員から生れました。私は関西出身で、築地は“マグロの市場”という感覚だったのですが、四季折々の魚が集まっており、その姿をきちんとした映像で残そうということになりました。魚のプロである仲卸の技術、知恵、伝統、情熱を描く作品にします」と明かした。

古くは江戸時代まで歴史を遡る魚河岸は、日本橋から現在の地に移転し約80年が経つ。東京魚市場卸協同組合の伊藤淳一理事長は「先輩たちが築いてきたものを受け継ぎ、一生懸命守り、発展させていこうと、我々仲卸だけではなく、市場の多くの関係者が日々、築地に集まって仕事をしています。その姿を松竹さんが1年間、映像に撮り、映画にして下さるのは大変ありがたいこと。仲卸はこんな大切なことをしているのか、こんなところにこだわりがあるのかと、私たち自身も改めて振り返ることができます。2016年に豊洲へ移転しますが、築地での貴重な映像が残せるのは嬉しく、魚食普及に活用させていただきたいという思いもあります。円滑に撮影が進みますよう、我々も協力させていただきます」と語った。

既に始まっている撮影は、2015年3月まで続き、公開時期は2016年を予定。また、大角常務の話では、海外での公開を想定して製作を行っており、カンヌなど3大映画祭だけでなく、ドキュメンタリー部門などを有する海外映画祭にも積極的に出品していく。そして本日、6月2日から9月1日までオーマ(株)が運営するサイト「READYFOR?」でクラウドファンディングを開始。プロジェクト名は「世界一と呼ばれる築地市場と日本の食の文化を映画に残す」で、支援は一口3000円から100万円まで。大角常務は「資金集めということだけでなく、一緒に作品を盛り上げよう!という気持ちで、日本中から参加していただきたい」としており、支援金に応じたリターンとして、オリジナル手ぬぐい(第十二世市川團十郎が「助六」を演じた際に東卸へ贈呈した隈取を使用したデザイン)のプレゼントや、エンドロールへの名前掲載など、様々な特典がある。

築地ドキュメンタリー映画『Tsukiji Wonderland(仮題)』
2016年公開予定  
(C)松竹株式会社

公開情報 2016年公開予定
公式サイト:http://tsukijiwonderland.tumblr.com/

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