「こんな舘さん見たことない!」と黒木瞳が絶賛!「終わった人」完成披露会見(2018.05.10)
「定年って生前葬だな・・・」という衝撃的な書き出しで始まる内館牧子によるベストセラー小説を映画化したハートフルコメディ「終わった人」の完成披露会見が5月10日(木)に行われ、W主演として初の夫婦役を演じた舘ひろし、黒木瞳をはじめ、広末涼子、田口トモロヲ、ベンガル、原作者の内館牧子氏、中田秀夫監督が登壇した。舘は「ネガティブなタイトルでございますけど、極めて楽しいコメディで、夢のある作品に仕上がりました」と挨拶し、黒木も「定年を迎えた夫を叱咤激励する妻を演じましたが、私も夫が数年で定年を迎えますので、疑似体験というか、明るく学ばせていただきました」と笑顔で語った。
大手銀行の出世コースから外れ、子会社に出向させられたまま定年を迎えた田代壮介。日々、やることもなく、このまま老け込むのはマズイと感じ、スポーツジムで身体を鍛え直し、図書館で時間を潰そうとするが、周りには“終わった”ように見える老人ばかり。妻からも次第に距離を置かれ、職探しも上手くいかない。そんな時、大学院で文学を学ぼうと勉強のために訪れたカルチャースクールで出逢った女性と恋の予感が・・・。そして、スポーツジムで知り合った新興IT企業の社長との出会いにより、壮介の運命の歯車が回り出す。
内館氏は「人は必ず仕事の上で終わる。でも人生は終わっていない。そういった部分を明るく、嘘なく描ければと思った作品を、中田監督、舘さん、黒木さんで映画化すると聞いて、『撮る撮る詐欺!』と思いましたが、こんなに素晴らしいキャストに揃っていただき喜んでおります。壮介が盛岡のラグビー部の仲間と酒を飲み、さんさを踊るシーンはウルウルしてしまって、原作を越えていて悔しいなと思いました」と嬉しくも複雑な心境を明かした。
そんな内館氏の原作に惚れ込み、「本当に撮りたかった作品」と新境地を開拓した中田監督は「『ホラーのお前がなんで?』と言われましたが、元々、メロドラマやロマンティックコメディ、男女のお話が好きでした。自分も50代半ばを過ぎ、定年を迎える人々の等身大の気持ちがわかるようになり、コメディに自信はありませんでしたが、これだけのキャストなら大丈夫だ!と思い、頑張って撮らせていただきました」とコメント。
今までのダンディーなイメージと打って変わって、“終わった人”を演じた舘は「タイトルを聞いて『あんまりやりたくないな・・・』と思ったんですが、原作がすごく面白くて、シニカルな部分が脚本ではコミカルに変わっていて、『おもしろいかも!』と思いました」と明かし、黒木も「舘さんと連れ添った夫婦と言えば私にしか出来ないだろうと自負していたんですが、可笑しくて、無防備で、こんな舘さん見たことない!と、その素晴らしさに感動しました。身につまされるけど、人生捨てたもんじゃないと思えました!」と舘の“終わった人”ぶりを絶賛。
田代夫妻の関係を脅かす天然小悪魔の方言女子・久里を演じた広末は「大好きな黒木さんとまたご一緒でき、小さい頃から『あぶない刑事』で憧れていた舘さんと共演できるなんて夢にも思わず、久しぶりに緊張した現場でした。やっぱり“終わってない人”がやらないと悲しくて重たい話になると感じました(笑)。お二人が美しすぎて、こんな夫婦は現実にはいないと思うんですが、生活感やリアリティや切なさがそこにはあって、映画ってすごいなと改めて思いました」とコメントした。
また、中田監督は「大人向けの映画を作りたいと思っていたんですが、今の50代、60代は昭和の頃の同年代の7ガケだと思うし、気持ちは若く、しなやかにありたいと思って作りました。舘さんには、ロマンスの要素はヒッチコックの映画に出て来るケーリー・グラントのように、コミカルな部分は植木等さんのように演じて貰って、すごくキュートでした」と語り、舘は「監督はのせるのが上手い!いつも受けの芝居をするよう言われてきたんですが、今回は自分でアイデアを出したり、アドリブもやらせていただいて、楽しい撮影でした」と満足そうに明かした。
公開情報 | 東映配給「終わった人」は2018年6月9日(土)から全国公開 公式サイト:http://www.owattahito.jp/ |
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