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新海誠監督3年ぶりの新作は“どエンタメ作品”!「天気の子」製作発表会見(2018.12.13)

2016年に公開され、邦画としては歴代2位となる興収250.3億円を叩き出した「君の名は。」の新海誠監督待望の最新作「天気の子」の製作発表会見が12月13日(木)に行われ、新海監督をはじめ、川村元気プロデューサー、川口典孝プロデューサー、2000人ものオーディションの中から抜擢され、声優を務める醍醐虎汰朗、森七菜が登壇した。新海監督は新作についてズバリ「どエンターテインメント!」とぶち上げ、「笑えるし、泣けるし、ワクワクして、知的好奇心を刺激されるし、みんなが『面白かった!』と言える作品になります」と自信を見せた。

天候の調和が狂った時代を舞台に、東京にやって来た家出少年の帆高が、不思議な能力を持つ少女・陽菜と出会い、運命に翻弄されながらも自らの生き方を“選択”していく物語。着想について監督は「『君の名は。』の時のプロモーションが辛くて、暑い中あっちへ行き、こっちへ行き、街を歩けば作品についての悪口も耳に入ってきて、とにかく消耗する2016年の夏だったんです。そんな時、青空を眺めると積乱雲が綺麗で、雲の上は平原のように広がっていて、あの上でゆっくりできたらなと思っていたら、ふっとビジュアルが浮かんで、次は空の話にしようと思ったんです」とコメント。

さらに、「観た人が『自分の話だ』と思えるようなことをテーマに出来たらと思いました。それは、天気なんじゃないかと。映画の初日や仕事でも学校でも、誰もが天気を気にしていると思ったんです」と明かし、川村プロデューサーも「毎朝、天気予報は見ますし、雨男とか晴女とかのジンクスもあって、常に“そこ”にあるものが天気」と追随。監督はサブタイトルについて「Weathering with Youと入れたのは、Weatherには嵐を乗り切る、困難を乗り越えるといった意味もあって、それにwith Youを付けることで、あなたと一緒に、みんなで一緒に何かを乗り越えるといった意味合いを込めました」と明かした。

大ヒット作の次ということでプレッシャーも大きいのではないかと思われるが、「興行面で頑張るのはプロデューサーの仕事だし(笑)、映画については僕らがとにかく頑張って作れば良いものができると思っているので、プレッシャーは無いです」と軽やかに答えながらも、「今回の主人公の男の子は家出少年だし、規範から外れています。正しくあろうとするけど、自分の気持ちもあるし、思い通りにいかなくても必死に何かをしようとしている人物。観た人には叱られるような要素もあるのかなと心配もしています」と内容はやや複雑な模様。

川村プロデューサーは「大ヒットの後の監督というのはシュールな方向に行きがちなんですが、新海監督も言うとおりド真ん中のエンタメ作品です。僕も以前、『君の名は。』は新海監督のベスト版だ!と言ったんですが、まだまだ表現の部分で空や雨や雲をどんな風に描くのか楽しみですし、全世界からも配給オファーが来ているので、新たなチャレンジャーとして、どんな映画を作るのか期待して欲しい」と熱く語り、川口プロデューサーも「今までで一番良いチームが出来ています。新海を中心に、みんなが一体となってエネルギーを発しているので、物凄く期待してもらっていいし、僕も早く観たい!」と期待感を煽った。

また、今回大抜擢した醍醐について監督は「マイクの前でしゃべっている姿が主人公の帆高に似ていて、一生懸命なのに空回っている感じが可愛らしく、思わず応援したくなる人でした。みんなが『これは自分なんじゃないか?』と思える親しみやすさと、大きな器を持っていると感じました」と絶賛し、醍醐は「光栄です。こんな素敵なことを言っていただいたのは初めてで、嬉しいです。オーディションに受かった時は、ニヤニヤが止まりませんでした。『君の名は。』は映画館で3回観ていて、大好きな監督の作品ということでプレッシャーもありますが、ワクワクしています。頑張ります!」と初々しく宣言。

ヒロインを演じる森については、「七菜ちゃんは捉えどころがない、まさに天気のような子だと思いました。笑っていたと思ったら怒っていたり、次は何をしゃべるのだろう?と惹き付けられるし、見た目の感じも聖なるというか、Hollyな感じがするといつも皆で話しています」と評し、これを聞いて森は「オーディションが終わってから結果発表が待ち遠しくて、数10年待っているような気持でした。受かったと聞いた時は、初めて自分の耳を疑いました!」と明かした。

最後に監督は「観て、楽しんでいただける映画になるはずです。『人はこう生きるべきだ』とか、誰かに『そうじゃないよ!』と叱る映画ではなく、むしろ勇気を持って叱られるような映画にしたいと思っています。絶対に観ていただいたら、『なるほど。複雑だが、面白い』と思っていただけると思うので、あと半年を楽しみにお待ちください」と締めくくった。

公開情報 東宝配給「天気の子」2019年7月19日(金)全国東宝系公開

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