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斎藤工が構想10年をかけた渾身の一作!「麻雀放浪記2020」完成報告(2019.03.21)

1984年に和田誠監督により映画化された阿佐田哲也のベストセラー小説「麻雀放浪記」を、白石和彌監督、斎藤工のタッグで現代に蘇らせた「麻雀放浪記2020」の完成報告イベントが3月20日(水)に新宿バルト9で行われ、白石監督、斎藤をはじめ、共演者のもも(チャラン・ポ・ランタン)、ベッキー、竹中直人が登壇。出演者のピエール瀧が麻薬取締法違反容疑で逮捕され、公開も危ぶまれていたが、この日の朝、白石監督は東映の多田社長と共に会見を行い、ノーカットで予定通り公開することを発表したばかりとあって、イベントに集まった観客を前にホッとした様子で改めて公開できる喜びと複雑な心境を明かした。

1945年の戦後から、第三次世界大戦により東京オリンピックが中止となった2020年の新たな戦後へタイムスリップしてきた主人公・坊や哲が、幾多の激戦賭博を制してきた天才ギャンブラーとして、国策イベント「麻雀五輪世界大会」に挑む。斎藤は10年をかけて本作の映画化を構想してきたということもあり、「今朝の公開決定の発表があるまでは不安の中にいましたが、今はホッとしています。(瀧容疑者の)逮捕の一報を聞いた時は、状況が咀嚼できませんでした。様々な作品でとても大きなピースの一つを演じてこられたので、計り知れないうねりの一つを見ているようです」と気持ちを吐露。

白石監督も「公開という決断に批判もいただくかとは思いますが、面白い映画を作ってお客様に楽しんでいただきたいという想いが一番です。(瀧容疑者が)こういう事件を起こすとは思いもせず、やってしまったことを許すことはできませんが、作品に罪は無いですし、この映画だけではなく日本のエンターテインメントのためにも過去作を封印するのはどうなのだろうかと思います。いつか公開したことは間違っていなかったと言っていただけたら。私も映画の中で禁止薬物を使用するようなシーンを撮ってきたので、これからは作品とは別に『薬物使用はよくない』という啓発運動に取り組んでいきたいと思います」とコメント。

共演者の3人も瀧容疑者への驚きと複雑な思いを明かしながらも、公開されることに安堵の表情を見せ、麻雀クラブのママとAI搭載アンドロイドの2役を演じたベッキーは「斎藤さんはこの作品を『ピータンのよう』と表現されていたんですが、私にとっては『チャンジャ』です。『何コレ?どう咀嚼すればいいの!?でもクセになる!』という感じです」と明かし、拝金主義の芸能プロ社長・クソ丸を演じた竹中は「斎藤君が、しゃぶしゃぶ食べるのに熱湯の中に手を突っ込んで、どんな映画だよ!ベッキーはどうでもいいけど、モモがかわいいいんだよなぁ。僕の恋人役ですし」と暴走気味にコメントして笑いを誘った。

また、全編iPhoneで撮影したことも話題となっているが、白石監督は「僕の作品は映画用のカメラで撮ると、何を撮っても昭和になってしまう。それが悩みでもあったのですが、『孤狼の血』は逆にマッチして良かった。でも今回は2020年が舞台ですし、ぶっ飛んでいて笑える唯一無二の映画にしたかったので、iPhoneでポップな映像に仕上がっていると思います」と自信を覗かせ、斎藤も「回転ずしの目線というのも世界初のアングルで、画期的だし大成功だったと思います」と太鼓判を押した。

そしてこの日は「完成披露試写“しない”舞台挨拶」も行われ、斎藤は「上映しないと言っているのに何故、集まって下さったんでしょうね?」と不思議な様子。白石監督も「8月に出来上がって、もう一回観たいと東映さんにお願いしているんですが見せてくれない。だから今、一番観たい映画です!」と言って笑った。そこまで試写禁止が徹底されながらも、何らかの作品は上映するようで、斎藤が「映画『昼顔』を観ていただこうと思います」とボケると一同総ツッコミ。気をとり直し「和田誠監督の『麻雀放浪記』を僕らも一緒に観ます。それと『麻雀放浪記2020』も皆さんに観ていただきたいので、ムビチケをお配りします!4月5日は是非、お近くの劇場に足を運んでください!」と発表し、場内は歓声に包まれた。

公開情報 東映配給「麻雀放浪記2020」2019年4月5日(金)全国公開
公式サイト:http://www.mahjongg2020.jp/

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