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星野源“くたびれたおじさん”感の小栗旬を早く見たい!?「罪の声」完成報告会(2020.09.30)

2016年の「週刊文春」ミステリーベスト10で第1位を獲得し、第7回山田風太郎賞を受賞するなど高い評価を得た塩田武士のベストセラー小説を、土井裕泰監督実写化した「罪の声」の完成報告会が9月29日(火)に行われ、原作者の塩田武士氏、土井裕泰監督、小栗旬、星野源が登壇。通常であれば約1500人を収容する客席を背にした無観客の会場での完成報告会となり、小栗は「やっぱりお客さんが入っている姿を早く見たい」とし、星野は「公開できるかずっと不安だったのでこういうふうに集まれただけでも感激です」と明かした。

フィクションでありながら、日本中を巻き込み震撼させ未解決のまま時効となった大事件をモチーフに、綿密な取材と着想を織り交ぜたミステリー。過去の未解決事件の脅迫テープに使われた“声”が幼き頃の自分の声だと気付いた曽根俊也と、新聞記者として事件の真相と犯人像迫っていく阿久津英士の姿を描き出す。先月完成したばかりの本編を観た塩田氏は、「観終わった後に、打ちのめされたような雰囲気が忘れられない。映像に圧倒されました。待ちに待った重厚な本格的な社会派作品が誕生したなと胸が熱くなりました」と感激の様子。

小栗は「オファーをいただいた時点で『曽根俊也というキャラクターは星野源さんで考えている』と聞いていたので、ぴったりだなと思いました。原作を読んで、この作品に参加しない手はないなと思うくらい、原作の持つエネルギーと緻密なストーリーに感動しました。(記者として)情熱を持っていたところから少し離れてしまっている状況を見せるにはどうすればいいのかを常に考えながら、端々に塩田先生を感じるので、そういう血液みたいなものが阿久津の中に流れていったらいいなと思っていました」とコメント。

それに対し星野も「プロデューサーから『阿久津を小栗君で、もう一人の主役を星野君で、と思っている』と聞き、あらすじを聞いただけでも鳥肌が止まらなくて、原作を読ませていただいた時に、小栗君がこの役をやるんだ!とフレッシュな感じがしました。普通のおじさんなんです。パッと見、くたびれているおじさんの感じを小栗君がやるんだ!というのが早く見たいなと思いました」と互いのオファー当初の想いを語った。

役作りについて小栗は「塩田先生から靴がすごくすり減るという話を聞いたのは、エピソードとしてすごく残っています」と語り、塩田氏は「こんな格好いい新聞記者はおらへんな、と思いながら観ていましたけどね」と言って笑った。また、「思い入れのある取材をした場所を小栗さんが実際に歩いてくださったので、自分が行ったところが映る。自分の思いも重なっていくし、作品が伝えたいことも重なっていくし、胸がいっぱいになりました」と興奮気味に明かした。

星野は「現場にテーラーの方が監修でいてくださったので、安心してお芝居できました。セットが素晴らしく、何十年もここでテーラーが営まれていたんだろうなという感じが出ていました」と語ると、土井監督は「70代、80代といった年配の方が多いテーラーの方の手に馴染んだものをお借りしてセットに置かしてもらいました」と細部までのこだわりを語った。

最後に星野は「この映画の中で描かれるメッセージだったり、事件だったり、人間模様というのは、過去の事件を扱っていることはあるのですが、今生きている僕たちにもすごく刺さるものなんじゃないかなと思っています。愉快犯とか、劇場型犯罪とかいろんな報道があると思いますが、愉快な犯罪なんか無いんだというメッセージを僕は感じました。事件だったり、事故だったり、テレビや新聞や雑誌から流れてくる情報の外側にある声が沢山あるってことを日常でも意識できるような作品です。世代を問わず、いろんなものを持ち帰っていただける作品だと思います」とコメント。

小栗は「様々なテーマが入っている少し複雑なお話ではあるんですが、土井監督はそれを見事に力強いエンターテインメントとして作り上げてくれました。塩田先生も言われていたように、作品を見終わった後に少し考える時間を作れるような映画になっています。様々なメッセージのどれをキャッチするのかは、観てくださる皆さん次第だと思うんですが、『あれって何だったんだろうな?』とか、『実はこうだったのかもしれないな』とか、少し考える時間を作ってもらって、それもひっくるめて映画を楽しんでいただけたらなと思っております」と締めくくった。

公開情報 東宝配給「罪の声」は10月30日(金)全国東宝系公開
公式サイト:https://www.tsuminokoe.jp/

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