累計発行部数815万部（電子版含む）突破のよしながふみによる人気漫画を、連続ドラマ化に続き映画化した｢劇場版 きのう何食べた？｣の完成報告会が10月6日（水）に行われ、W主演を務める西島秀俊、内野聖陽をはじめ、山本耕史、磯村勇斗、松村北斗（SixTONES）、中江和仁監督が登壇した。西島は｢撮影以来、こうやって皆でまた集まれて嬉しい｣と笑顔を見せ、内野も｢ひっそりとゲイのカップルをやっていたつもりが、こんな華やかな映画になって感無量です。ファンの皆さんに感謝の気持ちを伝えたいです｣と挨拶した。

2019年4月クールにテレビ東京系列で放送されたドラマは、Twitterの世界トレンド1位となり、見逃し配信の再生回数が全12話で100万回を超え、歴代最高記録を次々と更新。深夜ドラマ枠としては異例の大ヒットとなり、最終回放送終了後には“何食べロス”の人々が続出した。劇場版では、料理上手で倹約家の弁護士・筧史朗（通称：シロさん）と、その恋人で美容師の矢吹賢二（通称：ケンジ）が、京都旅行をきっかけに、互いの心の内を明かすことができなくなってしまう。シロさんとケンジの今後の人生を揺るがす物語が始まる。

ドラマに続きメガホンをとった中江監督は｢撮影が1回目の緊急事態と重なり、6月に2カ月のブランクを空けてスタートした時は、撮影していいのだろうか？という不安もありました。セットから始め、ロケで京都に足を運んで、スタッフもキャストも大きな病気や怪我もなく乗り切れて良かったです｣と安堵。京都での撮影について西島は｢内野さん演じるケンジとお互い写真を撮り合ったりして、あの幸せな時間が戻ってきたようでした。しかもほぼ丸投げ状態で・・・｣と監督をチラリ。

中江監督は｢2人を京都にほっぽり出して、『もう撮ったかな？まだかな？』といった感じでした。内野さんが撮った写真を見て、『カメラワークがダメだね』と撮り直してもらったりもしました｣と明かし、内野も｢ホント丸投げですよね。西島さんとのラブラブな姿を撮って、チェックされて、もう一回みたいな。コロナで大変な時期だったので、観光客も少なくて、意外とスムーズに撮影はできました。大好きな人と京都でルン！という感じで自由にやらせてもらい、ステキな西島さんが沢山撮れました！｣と明かした。

シロさん（西島）、ケンジ（内野）、小日向（山本）、ジルベール（磯村）の4人の再会に西島は｢個々に会うと厳つい大人の俳優たちなんですが、役に入ると心のひだというか、繊細なところまで演じられる役者たちだなと感じます｣とし、内野も｢役に入ると、そのまんまになっちゃう。セットではオネエ言葉を使っていたし、照れもなくできるのは、このチームの歴史｣と明かした。

また、磯村は｢もう家族だなと思っています。戻ってくる場所だったし、3人の包容力もそうですが、楽しいと思える場所｣と語ると、監督が｢ドラマの時もアドリブだと思われているシーンは4人がアイデアを出してやっていて、もう止まらない。面白すぎて、いつカットをかけようかと思うくらいで、編集の時にバッサリ切りました｣と明かした。そんな4人の中に劇場版で初参加した松村は｢優しくて温かくて、作品どおりの方たちでした。内野さんとのシーンが多かったので、皆さんの団結の中に引き入れて下さいました｣と感謝。

何と言っても食べるシーンが印象的な本作だが、山本は｢すべて美味しいんですが、ローストビーフは本当に美味しくて、昨日も作りました。フードコーディネーターの方が教えてくれるレシピがわりと簡単で、色々作っているけど、ローストビーフが一番！｣と明かすと、磯村は｢僕は食べてないんですが、朝のトーストのアップルシナモンが美味しそうで｣と語ると、西島もすかさず｢あれ！本当においしいよ！｣、内野も｢あれはナンバー1｣と太鼓判。

劇場版の注目ポイントについて内野は｢普段はケンジの方が女子というか、乙女心を演じていますが、今回は何故かシロさんが嫉妬しています。その姿を見て笑いました｣と明かし、西島も｢こんなにかわいい松村君がライバルだから｣と苦笑い。また、スピッツによる主題歌｢大好物｣にちなんで、大好物を聞かれると西島は｢ドーナツ。オールドファッションみたいなのも、チョコがかかって色とりどりなのも好き。カロリー高めがいい｣と語り、内野は｢おっさん臭いけど、餃子とビール｣と回答。

続いて、山本は｢16キロのダンベルとプロテイン｣。磯村は｢梅水晶｣。松村は｢七味唐辛子と胸やけするくらい甘いチョコ｣とマニアックぶりを披露した。最後に内野は｢原作ファンやドラマを観てファンとなって下さった方々の応援でここまで来られました。笑いも含め、年代問わず楽しめる作品なので劇場に観に来ていただけたら｣とし、西島は｢美味しいものを食べて、大切な人を思いやる。そんな優しい気持ちになる作品ですし、劇場で沢山の人と笑ったり、涙していただけたら嬉しいです｣と締めくくった。