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エンターテインメントとして楽しんで欲しい!新海誠監督最新作「すずめの戸締まり」完成報告会見(2022.10.25)

2016年の「君の名は。」、2019年の「天気の子」に続く新海誠監督3年ぶりの新作「すずめの戸締まり」の完成報告会見が10月25日(火)に行われ、新海監督をはじめ、声優を務めた原菜乃華、松村北斗、染谷将太、伊藤沙莉、花瀬琴音、音楽を手掛けた野田洋次郎(RADWIMPS)と陣内一真が登壇した。1700人を超えるオーディションからヒロインのすずめ役に抜擢された原は「昨日、完成した作品を観たばかりで、その余韻に浸ったままここにいます。素晴らしい皆さんの熱意を感じる作品を、早く大画面、大音量で受け取っていただきたいです」と挨拶した。

日本各地の廃墟を舞台に、災いの元となる“扉”を閉めていく少女・鈴芽(すずめ)の開放と成長を描く冒険物語。新海監督は製作のきっかけについて、「映画の興行で日本各地を巡ると、人が少なくなって寂しく感じる場所が増えたなと感じていました。僕の地元もかつては賑やかだった記憶があって、地鎮祭をして家を建てたりしていました。でも、限界集落が無くなるような時に、その場所を悼むような職業の人があったらどうだろう?と思ったのが、この作品のアイデアになりました」と明かした。

扉を閉める旅を続ける“閉じ師”の青年・草太役を演じた松村は「魅力的なシーンを挙げればキリがないんですが、笑いも涙もあって、自分にこんな感情の幅があったんだと、映画を観ているのに自分自身を見ているような気持ちになる不思議な作品でした」とコメント。そんな松村について監督は「北斗君の体と声を使って、一緒に草太というキャラクターを探していこうという気持ちでした。芝居ではあるけれど、丸ごと委ねてくれた瞬間があって、その時から草太になっていったと感じました」と称えた。

今回は、新海監督と3度目のタッグとなる音楽担当の野田だけでなく、ゲームや映画、アニメ音楽の作曲に携わる陣内一真が参加。野田は「新しい起爆剤が欲しかった」とし、監督も「製作の中盤で陣内さんと巡り会えました」と明かした。陣内は「既に2作品作っているお二人の中に入るのは最初、緊張しました。自分が関わってきた作品とも一味違っていましたが、『アクションの要素や劇場体験としての音楽を』と聞いて、自分にも出来ることがあるんじゃないかと思えました」と振り返った。

新海作品は初参加となる染谷は「一緒にすずめと旅をしている気持ちで、心を持っていかれました。観終わった時には、愛しい人たちをもっと長く見守っていたいと後ろ髪をひかれ、体験したことのない映画だなと感じました」と語り、伊藤も「気付いたらめっちゃ前のめりになって観ていました。新幹線のシーンとか、すずめちゃんがホント可愛くて、ずいぶん遠くまで来たんだな、どんどん強く、人として成長しているなと感じて、応援したくなりました!」と明かした。

また、花瀬は「始まってすぐに新海さんの世界観に包まれました。監督もスタッフの皆さんも温かくて優しくて、こういう所から素敵な作品が出来るんだなと感じました。明るく元気な役の力を借りて、千果になれたことに感謝しています」とコメント。原も「13歳の時に『君の名は。』を観て、リアルタイムで観られる時代に生まれて良かったと友達と話していたので、まさか6年後に自分が新海監督の作品に携われるとは思いもしませんでした。明日への活力になる、今ある大切なものに目を向けさせてくれる作品になっていると思います」とアピール。

最後に監督は「3.11の震災の時、僕は東京に居ましたが、あんな状況でも桜が綺麗に咲くことに衝撃を受けて、コロナ禍の緊急事態宣言の時も、満開の桜を見て、自然は我々には無関心で冷徹だなと感じていました。でもエンターテインメントの力で、そういったことも今なら映画に出来るかもしれない。沢山の人に笑って欲しい、という気持ちでこの映画を作りました。観客の皆さんには、まずはエンタメとして楽しんでいただきたいですし、今、日本で一番面白い映画になっているかと思いますので、どうぞ宜しくお願いします」と締めくくった。

公開情報 東宝配給「すずめの戸締まり」は2022年11月11日(金)全国公開
公式サイト:https://suzume-tojimari-movie.jp/

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